CMOが果たすべき、4つの役割:「CMOは人間マスターであれ」

すでに欧米では一般化しつつある、CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)なるポジション。ここ日本でも数年前からその存在に注目が集まっているが、まだ縁遠い企業も多い。

DIGIDAY[日本版]は4月27日、資生堂ジャパンでCMOを経験した音部大輔氏と、ドミノ・ピザ・ジャパンのCMOである富永朋信氏を招き、DIGIDAY+会員限定イベント「DIGIDAY Salon」を開催。「CMOの役割」というテーマのもと、熱い議論を交わした。

「ドミノ・ピザのように1ブランド制の企業とは違い、多くのブランドを持つ(資生堂のような)企業のCMOは、各ブランドに直接介入するマイクロマネジメントは避けるべき。個々のブランド戦略はそれぞれのブランドマネージャーに任せ、CMOはマーケティングのPDCAを回せる仕組み作りに集中すべきだ」と、音部氏はCMOの役割について語る。この言葉が示すように、CMOの役割は企業によって少しずつ異なるようだ。本記事ではセッションを通して見えてきた、CMOが果たすべき4つの役割をご紹介する。

CMOが果たすべき、4つの役割

1. 人間理解:「CMOは人間を理解して、ありとあらゆるコミュニケーションの質と効率を改善してゆかなければならない。ひと言でいうと『人間マスター』だ」と、富永氏は語る。人間理解は、マーケティングのファンダメンタル(基礎的事項)。人間の行動原理や本質理解が不十分では、顧客がどのように物事を認知し、態度変容していくかを予測し、効果的な施策を立案できない。また、マーケティングのトップであるCMOは、営業や店舗など、社内の機能を連携させ、統括しなければならならないため、社内における人間理解も求められるのだ。

2. 差別化のための提言:多くの人間が携わる企業活動を行っていると、過去の成功体験や競合の動向に囚われてしまうケースが多い。これは人間の性(さが)だと富永氏は指摘する。「しかし、経営はいかに他社との差別化を行うかが重要。CMOは、マーケティングの視点から、同調効果に陥っている組織において、差別化のための提言をしなければならない。そうした『冷や水かけ』もCMOの役割のひとつだ」。

3. マーケティングのプレゼンス向上:営業や人事などと違い、マーケティングは明確な役割や価値が分かり辛い。まして、マーケティングという概念が広く浸透して日が浅い、ここ日本ではなおさらだ。そのためCMOはマーケティングのプレゼンス向上に努めなければならないと、音部氏は語る。「そうすることで、マーケターが120%の力を発揮できるような環境を作ることができる」。

4. ダメージコントロール:リスクマネジメントも、CMOの役割のひとつだ。どんなに優秀なCMOであっても、打つ施策が100発100中で当たるということはまずない。そうである以上、大切なのは最低限のリスクヘッジをしながら実験を繰り返すことだと、音部氏は主張する。「成果が上がらないとわかった施策は、潔く損きりしなくてはならない」。

そもそも「マーケティング」活動自体、その役割や価値を明確に伝えることが難しい。まして、その長となるCMOとなれば、なおさらだ。「CMOの役割」について、より理解を深めたい方は、今回のDIGIDAY Salonを全文書き起こした、こちらの記事(※DIGIDAY+会員専用)をチェックしていただきたい。

Written by Kan Murakami
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