次世代のテレビ広告の新しい測定スタンダードになるための競争が、コムスコア(Comscore)にとって最優先事項であることは変わらない。しかし、サードパーティーCookieが消えていくなか、同社は現状の測定とプランニングにおける自社の地位を守るためにも尽力している。
次世代のテレビ広告の新しい測定スタンダードになるための競争が、コムスコア(Comscore)にとって最優先事項であることは変わらない。しかし、サードパーティーCookieが消えていくなか、同社は現状の測定とプランニングにおける自社の地位を守るためにも尽力している。同社は今日、広告主の自社データを文脈的に関連性があるオーディエンス層にマッチさせることを目的としたパートナーシップをいくつか発表する予定だ。
主な詳細
- クライアントのブランドたちはエキスペリアン(Experian)、インフォサム(InfoSum)、ライブランプ(LiveRamp)からオーディエンス・セグメントを取得し、今年1月にリリースされた「オーディエンス予測(Predictive Audiences)」に投入する。それによってサードパーティーのCookieからの撤退を支援する。
- コムスコアの文脈的に関連性がある(コンテクスチュアルな)オーディエンスセグメントは、300万人のインターネットユーザーからなるグローバルサンプルを使って構築されており、その3分の2は米国外にいる。
- コムスコアは利用量に応じて課金する。
再構築ではなく置換
大手広告主の多くは何年もかけて、常時オンでかつ自動化されたオーディエンスターゲティング手法を構築してきた。広告主がコンテクスチュアルターゲティングに予算を振り向けるようになるなかで、この手法がでこれまでの手法をどれだけ置き換えることができるのかという疑問が残っている。
コムスコアのツールは、その疑問に答える役割も担っている。広告主がもっとも欲しがっているオーディエンスセグメントの、ごく一部に関する自社データを彼らが持っていれば、そのデータをアップロードして、関連する文脈で繋がっているセグメントを割り出し、同じ種類の人々をより大規模に見つけることができる。
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同社のアクティベーションサービスのゼネラルマネージャーであるレイチェル・ガンツ氏はこう語る。「我々はクリーンルームやマッチングプロバイダーを使って、特定の行動を見せる参加者や特定の人びとのあり方を理解する。そうやって我々は、さまざまなメディアの消費パターンや行動を見ることができる」。
「私たちは、それを予測因子として使える文脈シグナルに変換することができる」。
ほかのテックプロバイダーたちも、コンテクスチュアルセグメントを転用する新しい方法を提供し始めている。セントロ(Centro)は7月に入り、Cookieに焦点を当てたユーザーを、同社のDSPであるベーシス(Basis)の文脈シグナルに落とし込むことを目的としたコンテクスチュアルサービスを開始したと発表した。
実験とアクティベーション
ブランドやパブリッシャーたちは、サードパーティーによるCookieが使われなくなりつつある問題を解決する猶予期間は、数カ月だと考えていたが、それが7月に入って数年の期間を持てるようになった。この変更のおかげで多くの実験的な取り組みができるようになり、コムスコアもビジネスのこちらの側面を構築するための時間を増やせることになった。
コムスコアを利用している、ある大手デジタルメディア企業に務める取材源は、「プランニングと測定が彼らの(ビジネスの)中核だった」と述べた。現在のパートナーである同社についてのコメントであるため、この人物は匿名を求めた。「しかし、彼らが今目指しているのはアクティベーションだ。彼らは非常に多くのページに存在しており、インターネットを非常によく把握している」。
「彼らがアクティベーションに移行しているのは、単独のサービス・プロバイダーとしての時代が(どのような会社にとっても)終わったことを知っているからだ」とこの人物は続けた。「タグ検証だけ、ブランド安全性だけ、のビジネスは存在できない。でなければ、取って代わられる」。
[原文:Cheat sheet: Comscore hopes to ease advertisers off cookies with new contextual targeting play]
MAX WILLENS(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)