アメリカン・エキスプレス(American Express)は9月10日、最大規模のカスタムコンテンツキャンペーンを開始。同社は、これまでマスリーチのチャンネルを主に利用してきたが、このキャンペーンではじめて、デジタルパブリッシャーのカスタムコンテンツを優先しているという。
アメリカン・エキスプレス(American Express)は、マスリーチのチャンネルではなく、はじめてデジタルパブリッシャーのカスタムコンテンツを優先している。
このクレジットカード会社は9月10日、これまでで最大規模のカスタムコンテンツキャンペーンを開始した。このキャンペーンは、導入から1年が経った同社のペイイット・プランイット(Pay It Plan It)機能を宣伝するためのものであり、BuzzFeed、Vox Media、およびバッスル(Bustle)で展開されている。
アメリカン・エキスプレスのグローバルメディア・バイスプレジデント、テリン・ランス氏は、これまでアメリカン・エキスプレスは主にテレビ、ソーシャル、デジタルといったマスリーチ・チャンネルを利用してきたという。
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だが、今回のキャンペーンでは、予算のほとんどが、解説形式の記事や動画、コンテンツのスポンサーシップ、コンテンツと一緒に表示される広告といった形態のカスタムコンテンツに充てられている。
「マスでは不可能」
アメリカン・エキスプレスは、ペイイット・プランイットを利用する顧客の約半数をミレニアル世代が占めているため、彼らにリーチできる発信元を選択したとランス氏は述べた。そのエディトリアルコンテンツは、アメリカン・エキスプレスのカード会員が特に熱心な4つの分野、すなわち旅行、娯楽、家庭、そして、テクノロジーに重点を置いている。
「このキャンペーンは、メディアへの展望にもとづく我々の手法を完全にひっくり返すものだ。マスメディアを使って顧客に訴え続けることは不可能であることを我々が悟り、顧客が有意義な衝撃を得る、または、我々と有意義な関係を築くことを期待している」と、ランス氏は語った。
ランス氏によると、ペイイット・プランイット機能は、支払い期日の指定や、支払いを分割するなどのさまざまなオプションを提供しており、その機能の宣伝には、多くを語らずに、まず見せることが適しているという。カスタムコンテンツは、同社がそれを実施するための時間と空間を提供してくれるとランス氏は述べる。アメリカン・エキスプレスは各情報発信元のコンテンツチームおよび広告代理店、デジタス(Digitas)と協業していた。そのマーケターはこのキャンペーンにどれくらい費やしているか、または、以前のキャンペーンと比較してどうなのかについては語っていない。
各媒体での取り組み
BuzzFeedでは、アメリカン・エキスプレスは8月にローンチされた商品レビューセクション、BuzzFeedレビュー(Reviews)の独占的なローンチパートナーになる予定だ。それに伴い、アメリカン・エキスプレスはBuzzFeedが運営するテイスティ(Tasty)の新番組で、さまざまな街へ赴き、友人を訪ねて料理をする司会者を追う番組「フレンド・イン・タウン(Friend in Town)」の最初のスポンサーになる。この番組の司会者は旅行の計画にペイイット・プランイット機能を利用する予定だ。
Vox.comでは、アメリカン・エキスプレスは9月10日からVox.comの新部門、「ザ・グッズ by Vox(The Goods by Vox)」のスポンサーになる。アメリカン・エキスプレスは、今月からはじまる12のエディトリアル動画のスポンサーになっており、VOXクリエイティブ(Creative)と協力して、10月からはじまる賢くお金を使うことについて解説する動画シリーズを制作している。また、「ザ・グッズ by Vox」は毎週2回ニュースレターを発行する予定だ。アメリカン・エキスプレスは、値段に合う価値をもたらす台所必需品を紹介するVox Mediaの「イーターズ・キッチン・ガジェット・テストショー(Eater’s Kitchen Gadget Test Show)」の最初のスポンサーになる予定でもある。
バッスルとのパートナーシップは10月にはじまり、同サイト上のデジタルバナー広告に加え、より良いお金の使い方についてのアドバイスを含むカスタマイズされたイラスト記事で構成される予定だ。
消費者の選択肢と時間
アメリカン・エキスプレスによると、消費者にリーチして注目を集めるための新しい方法を広告主が開発し続ける必要があるため、今後のキャンペーンでカスタムコンテンツを引き続き重視することを計画しているという。「メディアの誰もが同じ課題に直面している。消費者の選択肢は大幅に増え、消費者の時間は大幅に減っている」とランス氏は語った。