米・大麻ブランド、 インフルエンサー 活用に乗り出す:だが、インフルエンサーは及び腰

大麻関連企業がインフルエンサーを利用してビジネスを成長させ、プラットフォームによる広告禁止措置を回避しようとしている。たとえばメドメン(MedMen)は、販売店がハイエンドのショッピング地区にあることを示すため、ロサンゼルスを中心とする400万ドル(約4億4000万円)規模のキャンペーンを行っており、そこでインフルエンサーを起用している。

だが、アメリカの各州で大麻の合法化が広まり、社会に受け入れられつつあるとはいえ、インフルエンサーはマリファナとのタイアップには及び腰だ。

プラットフォームの禁止措置

インフルエンサーエージェンシーのハートビート(Heartbeat)はこれまで、20万人近いマイクロインフルエンサーとキャンペーンを行ってきた。そんな同社も、新たに大麻関連のクライアント2社と契約を結んだ。クライアントはオンライン店舗およびパブリッシャーであるミスグラス(Miss Grass)、そしてeコマースのウェブサイトであるセイジリーナチュラルズ(Sagely Naturals)だ。両社とも商品をインスタグラムで宣伝したいと考えている。だが、同エージェンシーに登録されているインフルエンサーのうち、大麻企業とのタイアップに抵抗がないと答えているのは3割に過ぎない。

ハートビートの創設者でありCEOのブライアン・フリーマン氏は、これについて次のように語った。「インフルエンサーの参加を阻んでいる原因は、たくさんある。まず法律上の面倒な問題に発展するのではないかという懸念がひとつ。ほかにもYouTubeにチャンネルを閉鎖されるのではないかという不安もある」。

実際、インフルエンサーが警戒するだけの理由はある。Facebook、インスタグラム(Instagram)、Google、Snapchat(スナップチャット)は大麻関連の広告を掲載しない。Snapchatの広報担当によると、同社はカンナビジオール(CBD、大麻由来の成分だが使用者をハイにすることはない)の商品広告については、ケースバイケースで掲載することを検討しているという。Snapchatには、インフルエンサーによる商品としての大麻の宣伝に関する明確な規約はない。エージェンシー各社もまた、大麻の宣伝によって問題になったことはないと証言する。だが、マリファナ関連のコンテンツが原因でアカウントが削除されたと語るインフルエンサーも存在している。

アカウント凍結への警戒

インスタグラムで大麻に関する投稿を行っているインフルエンサーのベス・バイヤース氏は先週、アカウントが凍結されたことを明かした。現在同氏はインスタグラムに送った解除要請への返答を待っており、インスタグラムにサービス利用規約の変更を求めるつもりだという。インスタグラムの広報担当によると、インスタグラムはインフルエンサーであろうと、州や国に関係なくマリファナの販売を勧めるコンテンツは許可しておらず、同氏のアカウントが凍結されたのは、このポリシーに違反したためだという。


bessbyers @instagram@imcannabessの凍結解除を申請中。凍結されてから電話やメールしてくれたみんな、フォロワーの皆さん、ストーリーをシェアしてくれた方、本当にありがとう。社内で申請してくれている友達がいるので、その返事がくるまで希望を捨てずに待つつもり。とにかく今回のことで、テック系大手の大麻コンテンツの扱いについて透明性と平等性を求めていきたいと考えるようになった。当面のあいだはサブアカウントの@cannabessをフォローして。あと@Instagramに私のアカウントの凍結を解除すべき理由をコメントしてね!

YouTubeはマリファナの「駆逐」に乗り出したと伝えられており、これまで20万人以上が登録していたLoaded Upをはじめ、複数のアカウントを削除している。インフルエンサーたちはこうしたことが自分の身にも降りかかるのではないかと危惧しているのだ。

20万人近いフォロワーを持つとあるインフルエンサーは、匿名で「アカウントを守るためなら、多少の儲けは得られなくても構わない」と語る。

賛否両論なカオス状態

ほかにもマリファナ関連の投稿に対し、フォロワーがどう反応するのか分からないという不安も存在している。大麻の販売宣伝を投稿している別のインフルエンサーも大麻に関する投稿をやめようと考えているという。「大麻製品はまだフォロワーの理解を得られる状況ではない」と、同氏は語る。

一方で乗り気なインフルエンサーも存在している。たとえば大麻を扱うインフルエンサーエージェンシーのカナブランド(Cannabrand)は、1000人規模のインフルエンサーを抱えている。同社の創設者でありCEOのオリビア・マニックス氏によると、そのなかには数百万人のフォロワーがいながらTHC(テトラヒドロカンナビノール。大麻の有効成分で、日本では違法)やCBG(カンナビゲロール。こちらも大麻特有の成分)を含む製品を投稿する気があるインフルエンサーも存在しているという。

フリーマン氏は、やがて大麻がタトゥーのようなメインストリームになればインフルエンサーからの理解も得られるようになるだろうと指摘し、次のように語った。

「嗜好品としてマリファナを使用する人は増えており、文化として台頭しつつある。そんななかマリファナの購入者や、購入者に向けられる目もまた変わりつつある。こうした動きが進むにつれて、インフルエンサーもまたマリファナの一般化の波に乗り遅れたくないと考えるようになるだろう」。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:SI Japan)