ブランドのマーケターたちがバーチャルリアリティ(VR)に興味をもちはじめている。
仮想空間ながら、実体験と感じられるエクスペリエンスを届けられるVRは、米百貨店、J.C.ペニー(JCPenney)、ディオール(Dior)やターゲット(Target)などの小売企業から、「エコノミスト(The Economist)」や「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」などのパブリッシャーに至るまで、さまざまなマーケティング戦略に採用されているのだ。
最近では、おもちゃ、ファーストフードや清涼飲料メーカーなどの企業たちが、VRを駆使して子どもやティーネイジャーをターゲットにしている。
ブランドのマーケターたちがバーチャルリアリティ(VR)に興味をもちはじめている。
仮想空間ながら、実体験と感じられるエクスペリエンスを届けられるVRは、米百貨店、J.C.ペニー(JCPenney)、ディオール(Dior)やターゲット(Target)などの小売企業から、「エコノミスト(The Economist)」や「ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)」などのパブリッシャーに至るまで、さまざまなマーケティング戦略に採用されているのだ。
最近では、おもちゃ、ファーストフードや清涼飲料メーカーなどの企業たちが、VRを駆使して子どもやティーネイジャーをターゲットにしている。
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各社のVRマーケティング事例
2016年2月29日、スウェーデンのマクドナルドが、VRゴーグルに変形する「ハッピーゴーグル(Happy Goggle)」ボックスを特典として付属するハッピーセットを発表した。
この「ハッピーゴーグル」は、箱を組み立て、内部にスマートフォンを装着してVRを体験することができるもの。2週間限定の提供だったが、スウェーデンのマクドナルド14店舗から3500個が販売された。1箱あたり、おおよそ約4ドル(約450円)の価値があるという。
同様にコカ・コーラも、VRビューアーとして組み立てられる12缶セットのパッケージボックスを開発した。
世界最大規模を誇る米おもちゃメーカー、マテル(Mattel)も、代表商品のひとつである「ビューマスター(View-Master)」をグーグルと提携して進化させた。以前の「ビューマスター」は一種のスライドショーのようなおもちゃで、円形のリールに貼られている小さなポジフィルムの立体写真を回し、双眼鏡のようなもので覗き見るものだ。しかし、デジタル時代の「ビューマスター」にはスマートフォンとアプリが必要となる。価格は29.99ドル(約3355円)と安価で、ユーザーは海外、宇宙や深海など、遠く離れた場所を体験できるという。
VR利用は子どもに影響はないのか?
安価でさまざまな体験を提供できるVR商品は、ほかの機器と比べても子どもやティーネイジャーとのエンゲージに、もっとも効果的な方法かもしれない。しかし、子どもに対する影響を心配する親などから難色を示される可能性もある。
VRアドエージェンシーであるオフィスオブベイビー(The Office of Baby)のパートナーであるポール・カイオッツォ氏は、「私の4歳の子どももVRを試した。大人ですら理解できないかもしれないものを、子どもは直感的に理解していた」と、話す。「本人はとても気に入っているが、私と妻はあまりVRで遊ばせていない。コンピューターやiPadのように、最上級のエンターテイメントとして扱っているのだ」。
なぜなら、長期にわたるVRの使用が、子どもにどのような影響を与えるかわかっていないためだ。そのためカイオッツォ氏は、子どもにVRを体験させるかどうかは親の判断であり、親が責任を持つべきだと主張している。
法律が関わってくる可能性も
話は変わるが、子どもをターゲットとしたVRキャンペーンには多くの法律が関わってくる可能性があるという。多くのブランドがVRを利用しようとするなか、米法律事務所オルシャンフロムウォロスキーLLP(Olshan Frome Wolosky LLP)の広告、マーケティング、販売促進部門を統括するアンドリュー・ルスティグマン氏は、VRを通じて子どもとエンゲージしているブランドや企業は、子どもの観点からVRを理解しなくてはならないと指摘する。
ブランドが、親と子ども両方と良い関係を築いていれば、子ども向けVRゲームの提供も問題はないかもしれない。しかし、子どもに不健康な食品や不健全な行動を勧めるのは不適切だ。「子ども向けのテレビ番組にそぐわないものはダメだ」とも、ルスティグマン氏は語る。
「VRはまだまだ未熟だ。顧客とのコネクションやエンゲージメントなどに、どうVRを使えばいいのか、ブランドは試行錯誤している」と、ルスティグマン氏は最後にコメントした。
Yuyu Chen(原文 / 訳:BIG ROMAN)