今夏、米靴下ブランドのボンバス(Bombas)は新製品「パフォーマンス・ノーショー(Performance No-Show)」の早期発売を決めた。これは流行中のホームフィットネスに照準を合わせたもので、新型コロナ禍中に得た顧客フィードバックを参考にしたものだと、同社共同創業者ランディ・ゴールドバーグ氏は語る。
今夏、米靴下ブランドのボンバス(Bombas)は新製品、パフォーマンス・ノーショー(Performance No-Show)ソックスの早期発売を決めた。これは流行中のホームフィットネスに照準を合わせたもので、新型コロナ禍中に得た顧客フィードバックを参考にした。顧客の声はまた、それに耳を傾けていなければ見逃したかもしれない、季節商品の新たな分野を見つける一助にもなっている。
年間収益が1億ドル(約105億円)以上に上った旨を先頃発表したボンバスは、今年2月、女性向けスポーツ衣料ブランド、アスレタ(Athleta)との提携の後押しを受け、卸売業の拡張に忙しかった。コロナ禍発生から数週間は、多くのD2Cブランドと同じく、売上の激しい変動を経験した。ところが、3月以降は週間売上が前年比で最高40%増を記録している。同社はこの成長の理由として、在宅勤務の常態化に伴う快適な衣服の需要増を挙げている。
このたび、ボンバスの共同創業者ランディ・ゴールドバーグ氏がデータに基づくカスタマーフィードバックを商品選択の決め手とするに至った過程について、米DIGIDAYの兄弟サイトであるモダンリテール(MODERN RETAIL)に語ってくれた。なお、スペースの都合と読みやすさを考慮し、発言には多少編集を加えてある。
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――この時期に新製品を発売することにリスクは感じなかったか?
顧客の要望を受けて、発売をあえて7月に前倒しした。ある種アスレティック系のノーショー(No-Show)ソックスに関して1000通近いメールをもらったからだ。発売以来、その新製品「パフォーマンス・ノーショー」はクッションド・ノーショー(Cushioned No-Show)全売上の半分近く(43%)、ノーショーライン全売上の21%まで伸びている。思うにこれは、新製品のスタイルが弊社でもっとも人気の高いふたつのラインを融合したものだからだろう――ノーショーラインは夏季売上の約25%を、パフォーマンスラインは夏季売上の30%をそれぞれ占めている。
――同製品の今夏の発売決定に際し、データはどのように利用した?
顧客のいる所にこちらから出向いていく姿勢――それこそが現代のブランドを示す指標だ。こちらが創り出した美しい世界に顧客を招き入れるだけでは、もはや立ちゆかない。自宅で履くノーショーソックスを求める声はそれを示す好例だ。
この商品は一見、常識に反している。自宅でのエクササイズに何が必要かを考える際に、我々ブランド側の頭に最初に浮かぶものではない。通常、家着の外見にはさほどこだわらない、というのが理屈だからだ。つまり、パフォーマンス・ノーショーという発想は完全に顧客主導のものであり、ソックスが外から見えないタイプで、なおかつ滑らないものが欲しい、という多くの声を受けて生まれた。いまや、顧客の多くが自宅でヨガをしたり、スニーカーでエクササイズをしたりする際に、この新たなスタイルのソックスを履いている。もちろん、こちらも発売計画は立てていたが、ちょうど良いタイミングで売り出すことができたわけで、これは顧客の声に耳を傾けることの重要性を示す証にほかならない。
――今回の戦略は今後の新製品の決定を左右するものになる?
今回のデータ主導型と「通常発売」だった場合の予想結果について一概に比較はできないが、いずれにせよ、人々はきっと買ってくれるという信念がなければ、話にならない。我々は依然98%がオンラインであり、弊社の商品は多くの人にとって小さな贅沢だと認識している。
とどのつまり、すべての答えが揃っているわけではない。我々はあくまで靴下ブランドだ。第4四半期についてはまだ先が見えないが、他社と同じく、最善を尽くし、論理に基づいて計画を練っている。間もなく大統領選があり、ホリデーシーズンが始まるとともに、[新型コロナの]第2波が来る可能性もある。
[原文:Bombas co-founder Randy Goldberg on its data-driven product approach]
Gabriela Barkho(翻訳:SI Japan、編集:長田真)