インスタの投票機能で、人気商品を生むバーディ・グレイ:「フィードバックを迅速に得られる」

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バーディ・グレイ(Birdy Grey)は、ブライズメイド向けのドレスを販売するD2Cブランドだ。そんな同社は現在、新商品の研究や99ドル(約1万1000円)の商品の販売促進のため、無料でインスタグラムを活用する戦略を用いている。

デジタルにおけるカスタマー獲得コストが高騰を続けるなか、バーディ・グレイはこうした無料の取り組みで販売促進を達成している。同社はソーシャルメディアでの支出を花嫁1人あたり4ドル(約430円)までと定めながら、10万人以上のブライズメイドに商品を提供してきた。同社にはソーシャルメディア向けの有料広告を担当するパフォーマンスマーケターもいるが、インスタグラムにおけるオーガニックな投稿の大半は共同創業者のグレース・リー氏が担当している。同氏は業務時間の2割をこうした投稿に割いているという。同社に勤める社員12名は全員女性だ。

リー氏が販売促進とカスタマー理解のためのツールとしてもっとも活用しているのが、インスタグラムのストーリーが備える投票機能だ。こうしたオーガニックな戦略は、同社における新しいドレスや色の開発、さらには男性向けアクセサリーやパーティーの飾り付けといった新分野の開拓に結びついている。

リー氏はインスタグラムの投票の利用頻度を厳格に定めているわけではないが、スライド数は5枚から10枚に抑えると決めているという。「それ以上増えると見てもらえなくなる」と同氏は語る。同社がインスタグラムで行う投票の参加率は2%ほどが一般的とのことだ。

「もっとも役立つツールのひとつ」

同社が初めて投票を利用したのは2018年の春だ。質問は「ダスティーブルー」の色でどれが良いかをフォロワーに尋ねるという内容だった。この投票の1カ月前、リー氏は同色のドレスが欲しいというコメントやダイレクトメッセージをカスタマーから受け取った。これを受けて、同氏はバーディ・グレイのインスタグラムアカウントで2種類の色を提示し、24時間後には結果を得ている。

その後、いくつかのドレススタイルごとにテストを開始し、11月にはスタイルに合わせた商品の提供をはじめている。バーディ・グレイは現在15スタイルのドレスを販売しているが、リー氏はこれらすべてのスタイルで一度に新色の提供を開始することはないという。基本的にチームは2〜3種類のスタイルで新色を試し、その結果を見てからほかのスタイルでも展開する戦略をとっている。「ダスティーブルー」の場合、たった1年のうちに同社で一番人気の色となった。バーディ・グレイがこれまでほかに増やした色は1月に投票を行った「セージ」のみだが、さらに5色のテストを検討しているという。

今年はじめ、リー氏は同社の5万6600人のフォロワーに向けて、これまで提供してこなかった色に関する投票を行った。インスタグラムで行った最新の投票結果を受け、同社はこの夏に向けて次の色を開発中だという(詳細については回答を得られなかった)。

「投票は商品開発やデザインに関して、もっとも役立っているツールのひとつだ」と、リー氏は語る。「カスタマーとのフィードバックループがすべてと言っても良い。当社ではサーベイモンキー(SurveyMonkey)の投票も試したが、インスタグラムの投票が一番フィードバックを迅速に得られる」。

リー氏は消費者が求める色を尋ねるだけでなく、よりクリエイティブな調査も検討している。

リー氏は次のように述べた。「ギフトをロールアウトすべきか決めかねていた。ロールアウトする場合のギフトの種類もだ。そこで販売しようと思うものを手当り次第に売るのではなく、実際のブライズメイドに(お祝いの品、リングの箱、バチェロレッテ・パーティーのデコレーションなど)どれなら購入する気になるかを尋ねた。そのほうが少しばかりオーガニックなやり方に感じられたためだ」。

有料のマーケティング戦略も

「オーガニック」は同社のインスタグラム戦略において重要な要素だが、有料のマーケティングもまた戦略に組み込まれている。バーディ・グレイの創業からわずか1年後の2018年、同社のパフォーマンスマーケティングチームはインスタグラムで1日あたり10ドル(約1100円)の使用を開始した。これが2018年の同社収益のうち200万ドル(約2億2000万円)に結びつくこととなった。現在、この額は1日あたり35ドル(約3800円)となっている。

小売マーケティングプラットフォームのブルーコア(Bluecore)で商品マーケティングおよび事業運営担当シニアバイスプレジデントを勤めるシェリーン・ヒラル氏は次のように述べている。「インスタグラムをただのカスタマー獲得ツール、ひとつの商品やメッセージの宣伝でしか利用していないブランドが多い。だがもっとも大きな成功を収めているブランドの大半は、インスタグラム戦略が多様だ。内容もカスタマー獲得だけでなくリテンション、育成、ロイヤリティ、一度離れた買い物客のリエンゲージメントまで多岐にわたる」。

KATIE RICHARDS(原文 / 訳:SI Japan)