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米・雑貨小売チェーン、急速な オムニチャネル 移行の裏側:ベッド・バス&ビヨンドのCDOが語る

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ほとんどの小売企業がそうだったように、コロナ危機が到来したとき、雑貨小売チェーンのベッド・バス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)はオンラインプレゼンスを抜本的に見直すことになった。2020年のロックダウン中、実店舗の来客数が落ち込んだことがきっかけだ。

来店者が減少した実店舗でオンライン注文を処理するようになり、モバイルサイトやアプリを刷新したことで、ベッド・バス&ビヨンドは目まぐるしく変化する困難な状況を乗り切ることができた。2020年第4四半期の決算発表によれば、デジタル売上は前年比で86%増加した。その半分はモバイルサイトもしくはアプリ内での購入によるもので、41%は店舗で注文が処理された。さらに、自社ブランドの立ち上げも開始している。

ラフェ・マスード氏は2020年5月にベッド・バス&ビヨンドの一員となり、パンデミック中、このデジタルトランスフォーメーションを率いてきた。米DIGIDAYはそのマスード氏に取材を申し込み、どのようにオムニチャネルへの移行を短期間で成し遂げたのか、それは新ブランドにとってどのような意味を持つのか、バックエンドのアップグレードがどのようにeコマースの成長を促進しているかについて語ってもらった。なお、以下のインタビューには編集を加えている。

──パンデミック中、いくつかの実店舗を閉めることになったと思うが、すぐに乗り越えなければならなかった初期の課題は?

我々はごく初期の段階で、マルチチャネルの小売企業からオムニチャネルの小売企業への移行を目指す3コースの戦略を始動した。どうすればデジタル体験を向上させることができるか、どうすればオムニチャネルの機能を展開することができるか、どうすればデジタルファースト戦略を導入できるかを自問した。

そしてすぐ、顧客からのフィードバックをもとに、エンドツーエンドの体験の徹底的な見直しを行った。モバイルサイトとモバイルアプリは刷新され、大幅に高速化した。以前はモバイル端末でサイトを読み込むのに7秒以上かかっていたが、今は2秒を切っている。また、カーブサイドピックアップ(オンライン注文の駐車場受け取り)とオンライン注文の店頭受け取りを2020年に開始し、シップト(Shipt)、インスタカート(Instacart)とも提携した。

──ドアダッシュ(DoorDash)と提携し、即日配達を始めるようだが、すでにシップト、インスタカートと提携している状況で、さらにドアダッシュとも手を組む理由は?

我々は5月26日にドアダッシュとの提携を発表したが、これはパートナーの追加だ。すでにシップトというパートナーがいるが、ドアダッシュが加われば、全米でさらに3000もの郵便番号(の市町)にリーチできる。即日配達の受付時間も延長されることになる。これまでは午後2時が締め切りだったが、ベッド・バス&ビヨンドと傘下のベビー用品チェーン、バイバイ・ベイビー(BuyBuy Baby)の顧客は今後、閉店の3時間前まで注文できるようになる。

デジタルの成果にも注目している。ベッド・バス&ビヨンド、バイバイ・ベイビーのウェブサイトとアプリを合わせて1100万人のデジタル顧客を新たに獲得した。

──2019年、ブランドの大規模な刷新が始動していたが、eコマース戦略の位置付けは?

2019年後半に就任したCEOのマーク・トリトン氏がすでに、オムニオールウェイズへの全社的な移行を進めていた。新型コロナウイルス感染症はその変化のペースを確実に速めた。

我々はわずか数カ月でマルチチャネルからオムニチャネルへの移行を成し遂げた。店舗が閉まっているあいだにカーブサイドピックアップを開始し、その後オンライン購入品の店頭受け取りも始めた。また、全店舗で商品の出荷を開始した。2020年はデジタル注文の37%が店舗で処理されている。これらすべての計画がもともと存在していたが、コロナ禍によって加速した。

──デジタル戦略について学んできたことは、自社ブランドの立ち上げと成長にどのように役立つと思うか?

我々は8つの新ブランドを発表し、これまでにネストウェル(Nestwell)、ヘイブン(Haven)、シンプリー・エッセンシャル(Simply Essential)の3ブランドを立ち上げている。いずれも寝具、バス、キッチンの定番を扱うブランドだ。これが我々の戦略の中核であり、おそらく数世代に一度の品ぞろえの変化を経験することになるだろう。

その一環として、2020年のホリデーシーズン前、コンテンツ管理システムのアップグレードを実施した。そしてこの数カ月、顧客の商品発見体験についての全体的な見直しをおこなってきた。その結果、ウェブサイトの検索が機械学習、AIベースになった。これにより差別化されたオンライン体験を提供できるようになり、所有ブランド周辺での体験がはるかに刺激的なものに変わった。

たとえばベッド・バス&ビヨンドでボトルを検索すると、バイバイ・ベイビーで検索したときとは異なる結果が表示される。検索はパーソナライズされ、時間とともに賢くなっていく。

──オムニチャネルの小売企業になる過程で直面した最大の課題は? そして、2021年最大の課題は?

これまでと同じ路線でオムニオールウェイズを推し進め、顧客の役に立ち続けたいと考えている。我々は何カ月もかけて大きな進歩を遂げてきたが、今、我々の戦略は(顧客に)響いていると実感している。

2020年第4四半期、22%の顧客がオンライン注文を複数回おこなった。1年前は17%だ。つまり、リピート率が高まっていることになる。(ベッド・バス&ビヨンドの)モバイルアプリのダウンロード数も300万を超えている。(顧客ロイヤルティを測る)NPS(ネット・プロモーター・スコア)は70台半ばで推移している。15カ月前は60台だったため、顧客は体験に満足してくれているようだ。彼らは以前より頻繁に再訪してくれている。

[原文:Bed Bath & Beyond’s chief digital officer, Rafeh Masood, discusses new partnership with DoorDash and the rise of omni-channel retail

ERIKA WHELESS(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:分島 翔平)