ニューヨークファッションウィーク(以下、NYFW)はファッションという言葉が入っているが、美容ブランドは年間最大のファッションイベントのひとつであるNYFWで際立つ方法を模索している。
完全復活のNYFWでキャンペーンに注力する美容ブランド
2020年以来、NYFWを巡る話題は、この業界イベントが完全復活したのか、それともかつての面影を失ってしまったのかということばかりだった。これについては、Glossyも以前取り上げており、NYFWは2021年9月に復活した(ようだ)と述べたが、2022年9月に公に復活を報告した。現在では、ファッション関連や美容関連のイベントがいくつも一般公開されており、一般の消費者はNYFWの復活によるハロー効果をこれまで以上に受けている。
特に美容ブランドは注目を集めるための強力な機会を見出している。シャネルビューティ(Chanel Beauty)は、9月8日から10日までウィリアムズバーグの賑やかなダイナーを貸し切り、ラッキーチャンス(Lucky Chance)フレグランスを宣伝した。ビジターは屋外ガーデンを楽しんだり、チャンスフレグランスを購入したり、ゲームをしたり、アイスクリームなどダイナーらしい軽食を楽しんだ。また、同じくラグジュアリーブランドのプラダ(Prada)は、9月8日から10日までソーホーのポップアップで詰め替えできる新しいフレグランスを宣伝した。一方、サカラライフ(Sakara Life)はファッションブランドのラ リーニュ(La Ligne)との共同ポップアップを開催しており、両ブランドはカスタムセーターでもコラボレーションしている。
エージェントナトゥール(Agent Nateur)、スキンシューティカルズ(SkinCeuticals)、小売業者のサリービューティ(Sally Beauty)など数ブランドがトラックを使ったキャンペーンを展開した。エージェントナトゥールは、9月11日、同ブランドのフードトラックで、同社のパールパウダーやコラーゲンを含んだ抹茶ラテを配布して、同社のザ・ビタミンショップ(The Vitamin Shoppe)での小売拡大を宣伝した。
ニューヨークファッションウィーク(以下、NYFW)はファッションという言葉が入っているが、美容ブランドは年間最大のファッションイベントのひとつであるNYFWにて際立つ方法を模索している。
完全復活のNYFWでキャンペーンに注力する美容ブランド
2020年以来、NYFWを巡る話題は、この業界イベントが完全復活したのか、それともかつての面影を失ってしまったのかということばかりだった。これについては、Glossyも以前取り上げており、NYFWは2021年9月に復活した(ようだ)と述べたが、2022年9月に公に復活を報告した。現在では、ファッション関連や美容関連のイベントがいくつも一般公開されており、一般の消費者はNYFWの復活によるハロー効果をこれまで以上に受けている。
特に美容ブランドは注目を集めるための強力な機会を見出している。シャネルビューティ(Chanel Beauty)は、9月8日から10日までウィリアムズバーグの賑やかなダイナーを貸し切り、ラッキーチャンス(Lucky Chance)フレグランスを宣伝した。ビジターは屋外ガーデンを楽しんだり、チャンスフレグランスを購入したり、ゲームをしたり、アイスクリームなどダイナーらしい軽食を楽しんだ。また、同じくラグジュアリーブランドのプラダ(Prada)は、9月8日から10日までソーホーのポップアップで詰め替えできる新しいフレグランスを宣伝した。一方、サカラライフ(Sakara Life)はファッションブランドのラ リーニュ(La Ligne)との共同ポップアップを開催しており、両ブランドはカスタムセーターでもコラボレーションしている。
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エージェントナトゥール(Agent Nateur)、スキンシューティカルズ(SkinCeuticals)、小売業者のサリービューティ(Sally Beauty)など数ブランドがトラックを使ったキャンペーンを展開した。エージェントナトゥールは、9月11日、同ブランドのフードトラックで、同社のパールパウダーやコラーゲンを含んだ抹茶ラテを配布して、同社のザ・ビタミンショップ(The Vitamin Shoppe)での小売拡大を宣伝した。
トラックで施術やコンサルテーションを提供したスキンシューティカルズ
スキンシューティカルズの施術トラックは、9月8日〜10日、10都市を巡る1年間ツアーの最初の都市であるニューヨークで展開された。同キャンペーンの目的は、フェイシャル後のトリートメント製品を宣伝することだ。米国スキンシューティカルズのビジネス戦略・成長担当シニアバイスプレジデント、エイミー・スローン氏によると、同社の調査で、消費者の43%からスキンケア製品の重要性は理解されているものの、フェイシャル後に肌の治癒や細胞の修復、保湿のためににスキンケア製品を使うべき点は知られていなかったという。
「トラックと施術ツアーの作成にあたって、NYFWは理想的な出発点だと思えた。夏が終わって人々が街に戻ってきたが、それはまた、夏の後のスキンケアである『トリートメントシーズン』の始まりでもある」とスローン氏は語っている。
ニューヨークでの3日間におよぶアクティベーションは、ファッショナブルで人通りの多い商業地区のミートパッキングディストリクトで開催された。スローン氏は、夏の終わりにはNYFWが開催されることに加えて、観光客も増える時期であり、スキンシューティカルズを新しい人々にさらに知ってもらえると述べている。最近のデータは見つからなかったが、下院合同経済委員会(House Joint Economic Committee)とニューヨーク市経済開発公社(New York City Economic Development Corp.)の2015年の調査によると、毎年9月と2月に開催されるNYFWには23万人以上が参加するという。さらに、この報告では、年2回のNYFWが、年間5億4700万ドル(約806億円)のビジター総支出を含む9億ドル(約1327億円)近い年間経済効果を生み出したことが判明している。
トラック内では、ビジターはその場でブランド専門家からスキンケアのアドバイスを受けたり、UVライトボックスを使って日焼けによるダメージなどの肌の問題をチェックしたり、顔や手の軽いケミカルピーリングの施術を予約したり、スキンシューティカルズの主力製品のCEフェルリックセラム(C E Ferulic serum)のサンプルを受け取ったりした。3日間で3600人以上がトラックを訪れ、4500個のサンプルが配布された。その場での相談件数は700件、行われた施術は120件以上。また、アッパーイーストサイドにあるスキンシューティカルズのスキンラボ(SkinLab)の店舗では100件を超える予約が入っている。
人気製品を前面に押し出したサリービューティのトラックキャンペーン
サリービューティも移動トラックを3日間利用した。このヘアリペアステーション(Hair Repair Station)トラックは、9月12日から14日まで、チェルシー、ソーホー、シーポート地区などを回った。スキンシューティカルズの場合とは異なり、ビジターはトラックに乗り込むのではなく、サリービューティの教育コンテンツを読んで配布ボタンを押すとトラック後部からサンプルをもらえるようになっている。サリービューティのリワードに登録した人にはボンドバー(Bondbar)のトラベルサイズキットが配布された。同社のマーケティング担当グループバイスプレジデントのキャロライン・ガス氏は、このアクティベーション中のサンプル配布数については明言を避けたが、同社は「何千人もの」人々と交流する予定だと述べた。また、インフルエンサー20人と協働して、TikTok、YouTube動画、インスタグラム投稿を通じてこのボンドバートラックを宣伝した。
「大成功を収めたボンドバー製品ラインをカラーにも拡張しており、この時期は多くの人が髪のダメージを経験しているので、(NYFWとは)非常に相性がよかった」とガス氏。「夏が終わって、秋になり、ファッションウィークも行われて、人々が外見を変えている」。
2022年10月に初ローンチされたボンドバーは、9月にはカラーラインが取り入れられる。サリービューティのCEO、デニス・パウロニス氏が8月初旬の第3四半期決算会見で行った発言によると、これは同社の今年最大のローンチの1つであり、長期的にはかなりの売上高になることが予想されているという。第3四半期には同社事業における所有ブランドの浸透率は34%となり、前年同期比で1.5%増加した。また、ボンドバー購入者の20%がサリービューティを初めて利用することから、このヘアケア製品が新規顧客ベースを獲得していることが示されている。
顧客コミュニティのための対面体験に注力
今年は物理的なショッピングや対面体験が完全に復活した。国際ショッピングセンター評議会(International Council of Shopping Centers)のデータによると、2021年の70%と比較して、2022年のホリデーシーズンには消費者の74%がショッピングセンターを訪れたという。また、キャピタルワンショッピング(Capital One Shopping)のデータにでは、2022年の実店舗の売上の伸びがeコマースの売上の成長を6.52%上回った。パンデミック後の体験面を再考するなかで、消費者の役割が重視されており、ブランドは顧客コミュニティのための対面の瞬間を作り出すことに注力している。最近のGlossyの記事によると、ファッションブランド、ティビ(Tibi)のNYFWショーの参加者の半数はインフルエンサーやプレスではなく、「お得意様」の顧客だったという。
ガス氏は次のように述べた。「当然のことだが、消費者は物理的な体験をすることに関心を持っている。(NYFWは)美容にフォーカスした環境で大勢の消費者と交流する機会だった」。
[原文:Beauty & Wellness Briefing: How beauty brands tackled NYFW]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)