ロレアル プロフェッショナル(L’Oréal Professionnel)は、セフォラ(Sephora)での売上を促進するための新しいキャンペーンを皮切りに、拡張現実の世界に進出している。
AR広告で製品の質感を紹介
ロレアル プロフェッショナルは、10月30日、ニューヨーク市タイムズスクエアのセフォラ店舗上にデジタルビルボードを掲載した。ユーザーが携帯電話で広告のQRコードをスキャンすると、ARコンポーネントがトリガーされ、ロレアル プロフェッショナルのメタルDXヘアオイルが広告から流れ出てタイムズスクエアを覆う様子が表示される。ユーザーはセフォラでロレアル プロフェッショナルの無料サンプルをもらえるが、最初の数百個のサンプルはすでに配布終了している。ロレアル プロフェッショナルはヘアサロンを通じて流通しており、最近までほかの販売チャネルはなかったが、8月に米国内のセフォラ26店舗とSephora.comに拡大した。ビルポードの広告は11月13日に終了するが、QRコードは11月末までソーシャルメディアに掲載され続ける。
ロレアル プロフェッショナルのゼネラルマネージャー、ムーニア・タヒリ氏は、「体験を生み出すために拡張現実を用いた」と語る。「QRコードのスキャンというインタラクティブな要素を使って、製品の質感を紹介することが重要だった」。
ロレアル プロフェッショナル(L’Oréal Professionnel)は、セフォラ(Sephora)での売上を促進するための新しいキャンペーンを皮切りに、拡張現実の世界に進出している。
AR広告で製品の質感を紹介
ロレアル プロフェッショナルは、10月30日、ニューヨーク市タイムズスクエアのセフォラ店舗上にデジタルビルボードを掲載した。ユーザーが携帯電話で広告のQRコードをスキャンすると、ARコンポーネントがトリガーされ、ロレアル プロフェッショナルのメタルDXヘアオイルが広告から流れ出てタイムズスクエアを覆う様子が表示される。ユーザーはセフォラでロレアル プロフェッショナルの無料サンプルをもらえるが、最初の数百個のサンプルはすでに配布終了している。ロレアル プロフェッショナルはヘアサロンを通じて流通しており、最近までほかの販売チャネルはなかったが、8月に米国内のセフォラ26店舗とSephora.comに拡大した。ビルポードの広告は11月13日に終了するが、QRコードは11月末までソーシャルメディアに掲載され続ける。
ロレアル プロフェッショナルのゼネラルマネージャー、ムーニア・タヒリ氏は、「体験を生み出すために拡張現実を用いた」と語る。「QRコードのスキャンというインタラクティブな要素を使って、製品の質感を紹介することが重要だった」。
Advertisement
ロレアル プロフェッショナルは技術と科学に裏付けられた処方を誇りにしている。2年前から展開しているメタルDXシリーズはグリコアミン分子が作用するものだが、同社によるとこの分子は髪の内部に浸透して金属を中和できるほど微小だという。ARは顧客との個人的なつながりを介してこの製品ラインを伝える方法だと、タヒリ氏は述べている。
ロレアル プロフェッショナルのソーシャルチャネルを見てみると、このブランドが科学注力のナラティブを別の方法で取り入れようとしていることがわかる。たとえば、スカルプアドバンスト(Scalp Advanced)シャンプーやスチームポッド(Steam Pod)ストレートナーなどの製品に関連して、宇宙をインスピレーションにしたデジタルアートの投稿が多く掲載されている。
セフォラ進出の理由はその顧客ベース
タヒリ氏は、同社がセフォラに進出した理由は、セフォラが「最先端」で「技術的に優れた」製品を求める知識豊富な買い物客ベースを抱えているからだと述べている。また、同氏によると、ロレアル プロフェッショナルの売上高は過去2年間、2桁成長を見せているという。ロレアル グループ(L’Oréal Group)は個々のブランドの売上高を分けていない。それでも、ロレアル プロフェッショナルが所属するプロフェッショナルチャネルは10月に報告された第3四半期の売上高が前年同期比で1.4%増加し、11億8000万ドル(約1788億円)となった。今年の初め以来、プロフェッショナルチャネルは前年比で15.3%の成長を見せている。
顧客のエンゲージメントを促進するAR機能
拡張現実は、美容分野の広告やマーケティングにおいて新しい領域ではない。最近の例には、メイベリン(Maybelline)が7月にARメイクアップでMicrosoft Teamsと提携したことや、ソーシャルメディアプラットフォームのSnapが、9月に美容広告主に向けて新しいAR機能のリストを発表したことがある。また、パットマグラス・ラボ(Pat McGrath Labs)は10月にARポップアップエクスペリエンスでGoogleと提携している。
ニールセンIQ(NielsenIQ)によると、世界の消費者の51%がARテクノロジーを使って製品を評価する意欲を持っており、56%がARテクノロジーにより製品の品質についての信頼が高まると回答している。また、ジャーナル・オブ・マーケティングを引用したハーバード・ビジネス・レビュー誌の記事によると、ARを使用した顧客は、不特定の美容小売店のアプリに20.7%多くの時間を費やし、平均して1.28倍多くの商品を閲覧したという。さらに重要なことには、ARを使わなかった顧客と比較して、ARを使った顧客がARセッション中に購入する可能性が19.8%増加した。これは、ARが企業の収益増加に役立つという証拠を示すものだ。
「ARのような空間メディアは、デジタルエクスペリエンスに新たな次元をもたらす」と述べるのは、ロレアル プロフェッショナルと協働して今回のAR広告を作成したクリエイティブスタジオ、ブオイ(Buoy)の創業者、フレドリック・フリゼル氏だ。「最新世代のARテクノロジーがユーザーの環境を理解できるということは、コンテンツを物理世界にシームレスに適応させ融合させられることを意味する。今日の没入型ARは、最新デバイスの優れたグラフィックスと組み合わせると、これまでのメディアを超えた規模で、ユーザー参加とエンゲージメントの可能性を解き放つことができる」。
ロレアル プロフェッショナルは、AR広告で顧客をSephora.comに誘導し製品を購入させる効果や、広告と店舗での売上のあいだに相関関係があるかどうかを追跡する予定である。この広告は、11月5日から15日まで開催されるセフォラの毎年恒例のVIBホリデーセールイベント中に掲載される。また、ロレアル プロフェッショナルは、インフルエンサーエージェンシーのコミュニティXシーン(Community X SEEN)と提携した。インフルエンサー15人がインタラクティブビルボードを使ったコンテンツを作成、それにより、セフォラへの顧客トラフィックを促進し、製品教育を提供する60以上のコンテンツが生まれた。年末には大規模な全国キャンペーンを実施し、AR機能を追加して、メタルDXオイルのサンプル約5万点を配布する予定である。
[原文:Beauty & Wellness Briefing: L’Oréal Professionnel looks into AR advertising]
EMMA SANDLER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)