ディオールからマクドナルドにいたるまで、あらゆるコンシューマーブランドがスニーカーコラボ商戦に参加しているようだ。そして今度は、このトレンドがビューティブランドへ。先月ミリー・ボビー・ブラウン氏が、自身のビューティブランド、フローレンス・バイ・ミルズとコンバースのコラボレーションとなるスニーカーを発表した。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
ディオール(Dior)からマクドナルド(McDonald’s)にいたるまで、あらゆるコンシューマーブランドがスニーカーコラボ商戦に参加しているようだ。そして今度は、このトレンドがビューティブランドへと広がりをみせている。
カスタマイズできるスニーカーがZ世代に人気
先月、ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界(Stranger Things)』で人気のミリー・ボビー・ブラウン氏が、自身のビューティブランド、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills)とコンバース(Converse)のコラボレーションとなるスニーカーをソーシャルチャネルで発表した。このリミテッドエディションは、Z世代のスキンケアやヘアケアおよびメイクアップブランドにみられる特徴的な美的感覚にインスパイアされたデザインで、サマーフライデイズ(Summer Fridays)、ヒューマンレース(Humanrace)、MACコスメティクス(MAC Cosmetics)など、幅広いビューティブランドが展開している一連のスニーカーの最新作となる。
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今回のコラボについてコンバースの広報担当者は「スニーカーとビューティは、身につける人にとって重要な意味を持つ2つの独特なカテゴリーだ」と述べている。
フローレンス・バイ・ミルズの今回のコラボレーションは、ブラウン氏にとってコンバースとの5回めのコラボとなり、ユーザーが独自のデザインを作成できるカスタムスニーカーのデジタルプラットフォームを採用したコラボとしては4度めとなる。現在すでに完売となっているこのコラボレーションでは、ユーザーはフローレンス・バイ・ミルズのブランディングから色やパターンのセットを使用してスニーカーをデザインすることができる。スニーカーのキャンバスの色、シューレースの色、アイレット、パッチ、デジタルプリントを選ぶことができ、コンバースの広報担当者によると、こうしたカスタマイズのオプションはとくにZ世代に人気があるとのこと。
ヒューマンレースのカルト的人気のスニーカー
おそらくこの分野でもっともスニーカーと密接な関係があるブランドは、ファレル・ウィリアムス氏のヒューマンレースだろう。当初はスキンケアでローンチしたブランドだが、ほかのカテゴリーにも進出してみずからを「プロダクトブランド」と称している。ウィリアムス氏は「ヒューマンレース」という言葉を、スキンケアの立ち上げよりも前の2016年に、スニーカーとストリートカルチャーの祭典「コンプレックスコン(ComplexCon)」で発表したアディダス(Adidas)とのコラボレーションスニーカーに使用していた。後にこのスタイルを展開した際には、ウィリアムス氏は名称を「Hu(フー)」と略しているが、このHuスニーカーはカルト的な人気となっている。
ヒューマンレースはスキンケアのローンチに続いて、またもアディダスとのコラボでスニーカーへとすばやく手を広げ、146足限定のオールグリーンのシューズを発売、8月27日にはより広く入手可能なブルーのスニーカーをリリースしている。
「私たちは、自分たちのことをプロダクト・ブランドと呼んでいる。ビューティ以上のことをするつもりなのは、あらかじめ念頭にあった」とヒューマンレースの共同設立者で社長のレイチェル・マスカット氏は、11月に開催されたGlossyビューティサミットで語っている。「時々、ブランドがひとつの製品カテゴリーに制限されることがあるということを忘れてしまう。私たちは、1日の始まりと、理想的には1日の終わりを消費者と共に生きたいと思っている」。
新たな顧客を取り込むためのコラボレーション
スニーカーの世界へと進出するブランドは、ブランドアイデンティティと合致するコラボレーションを求めている。たとえばMACコスメティクスは、同ブランドで人気のリップスティック3色と同じ色のスニーカーのセットを発売するにあたり、2018年にプーマ(Puma)とタッグを組んでいる。
サマーフライデイズの共同設立者マリアナ・ヒューイット氏は、彼女の顧客の多くがスニーカーブランドのAPLを履いていることに気づき、昨年、コラボレーションコレクションのローンチを決定した。
「私たちの顧客に大いに喜んでもらえるだけでなく、APLの忠実なファンを通じて異なるタイプの消費者を取り込む方法でもあった」とヒューイット氏は言う。サマーフライデイズはセルフケアに重点を置いており、そのため7月にはカルト的なウエイトブランドのバラ(Bala)とフィットネス関連のコラボも行っている。
「私たちには似ているようでいながら、まったく異なるオーディエンスがいるので、両ブランドともブランドと製品をお互いのさまざまなインフルエンサーのネットワークに取り込むことができたし、新たな顧客に向けてそれぞれのブランドを売り込むこともできた」とヒューイット氏は述べている。
[原文:Beauty brands are the latest sneaker collab partners]
LIZ FLORA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)