ファッション業界はこの2年間ほど多くの浮き沈みを経験しているが、創業19年のモダンなブランド、バッシュはこの10カ月業績の向上を維持し続けている。「(2021年は)記録的な年だった」と、バッシュ北米のCEO、デジレー・トーマス氏は最新のGlossyポッドキャストで述べている。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
ファッション業界はこの2年間ほど多くの浮き沈みを経験しているが、創業19年のモダンなブランド、バッシュ(Ba&sh)はこの10カ月業績の向上を維持し続けている。
「(2021年は)記録的な年だった」と、バッシュ北米のCEO、デジレー・トーマス氏は最新のGlossyポッドキャストで述べている。「昨年の3月中旬以来、ファッションに対する熱気が戻ってきているのを感じている。大勢の女性が自分のために時間を取って人生を楽しんでいる」。
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その結果として、バッシュは自社のすべての販売チャネルで「爆発的な成長」を遂げたという。「北米のすべての独立路面店で爆発的に売上が増加したし、デジタルも絶好調だ」と同氏は語っている。
トーマス氏は2021年5月にバッシュに加わった。その前は、3.1フィリップリム(3.1 Phillip Lim)のブランドプレジデントを務め、ビーシービージーマックスアズリア(BCBGMaxAzria)とニコルミラー(Nicole Miller)でセールスを率いた。同氏はバッシュの「喜び、女性らしさ、エンパワーメント」にフォーカスしている点にひかれたそうだ。バッシュは、バーバラ・ボッカラ氏とシャロン・クリーフ氏という二人の起業家の友人によって2003年にフランスで創業した。ブランド名は二人の名前を組み合わせたものだ。
トーマス氏は、グリニッジやアベンチュラのような新しい市場に出店したり、ポップアップを主催したり、インフルエンサーと協働するなど、今後もブランドの軌道を維持する計画だという。
「我々は非常に意欲的な成長戦略を行なっている」とトーマス氏。「今年は2桁の成長が確実に見込まれている」。
以下は、ポッドキャストからの追加のハイライトである。読みやすさのために少し編集してある。
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卸売を歓迎することについて
「卸売を(また)推し進めたいと思った理由のひとつは、北米ではブランドと卸売は独自の関係を持っているからだ。(顧客が購入している)小売業者のタイプを理解するという点で、この関係によって間違いなくブランド認知度が生み出されている。顧客がどこで買い物をしていようとも顧客に見つけてもらえるようになりたいと思っている。顧客に(我々の)製品をサックス(Saks)で見つけてもらえたら素晴らしい。独立系の店で見つけてもらえたらもっと素晴らしい。アリエル・チャーナス氏と協働したポップアップで見つけてもらえてもいい。つまり、私にとってはバッシュを次のレベルに引き上げるための最良のパートナーを選ぶということであり、卸売がこのビジョンの大きな部分を占めていることを理解している」。
LVMH傘下のLカタートンが株50パーセントを取得した影響
「これによって軌道は間違いなく変わった……(2015年の)投資のおかげで、北米とアジアの両方に子会社を持つことができた。なので、成功への道を推し進めて築いていくことを考えると、広大な小売ネットワークをすばやく展開して、早い段階からブランドの価値の重要性を強調して、バッシュがどんな会社であるかを声高に広く宣伝することができた。Lカタートン(投資会社)のサポートによって可能になった」。
WFH(ワークフロムホーム)、またはどこにいようとも
「我が社の基本的な拠点はニューヨークだ。また、フランスにもルーツがあるので、チームの一部はフランスにいるし、一部はカリフォルニアにいる。小売部門とデジタル部門の責任者はどちらもロサンゼルス。また、カナダの小売部門責任者はトロント在住だ。なので、我々は本当に国際的なチームだ。そして、「チーム」がどうあるべきか、広い意味で今日どう機能すべきかを考えるとき、柔軟性が重要になる。もっともうまく機能することができ、インスピレーションが受けられ、もっとも生産性が高く、もっとも効率的な場所において、チームを讃えてエンパワーしなければならない。つまり、我々にとっては在宅勤務のユニークな組み合わせということになる。皆が職場に集まることもあれば、もちろんZoomも使うし、国際的であるからフランスのチームとも働いている」。
パンデミックの影響
「いまオミクロン株が出てきて、デルタ株が出てきた頃を振り返ってみると、これまで以上に(顧客に)もっと近づくことが重要になっている。WeChatであろうと、Zoomであろうと、実店舗であろうと。顧客のジャーニーにおいて顧客とのつながりを維持することは我々にとって非常に重要だ。なので、顧客が必要とする場所で顧客にバッシュを見つけてもらえるようにするには、どのように革新を続けてもっと効率的になれるのかと問い続けている。パンデミックの過去2年間において、店舗からの出荷を拡大した。これは、デジタルの観点から現在の業務のかなり大きな割合を占めている。これによって製品を顧客にいっそう速く届けられるようになっている。独立路面店がある場所では当日配達を提供しているし、スタイリングとクローゼットクリーンアウト(古着をリユーズなどの目的でブランドに戻すこと)も提供している。もっと深いレベルで顧客と関与する点を考えると、我が社のスタイリストは仕事に情熱を持っているので、これはバッシュの本当の姿、つまり人とのつながりを意味する。これは今日の市場ではとても重要だ」。
[原文:Ba&sh North America CEO Desiree Thomas: ‘2021 was a record sales year’]
JILL MANOFF(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)