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「 当日配達 」が急増、米・小売業者たちのクリスマス商戦

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UPSやフェデックス(FedEx)のような運送業者はすでに、ホリデーシーズンの配送が遅延する状況に直面しており、小売業者はシーズン直前の土壇場の買い物客からのプレッシャーを感じている。ホリデーシーズンの注文を満たすために時間との戦いを繰り広げるなか、各ブランドは土壇場になって当日配達オプションを発表している。

Appleは12月第3週、同社が「ほとんどの大都市」と呼ぶ地域で、対象となる購入品の当日配達を開始した。同社は期間限定で、ポストメイツ(Postmates)が在庫品を2時間以内に配達するサービスを5ドルで提供している。この発表は、家電量販店のベスト・バイ(Best Buy)が先月からインスタカート(Instacart)を使った地域配送サービスを開始したことに続くものだ。コロナウイルス対策で店舗が閉鎖されたり、稼働率が低下したりしているため、多くの小売業者は大部分をオンラインでの販売に頼ることを余儀なくされている。USPSやフェデックスのような配送業者が記録的な需要を経験している今、配達の遅延は増加している。その結果、各ブランドは土壇場での買い物を支援する、新たな宅配パートナーを探している。

ここ1年で「当日配達」が増加

ここ1年、春先の食料品配達ブームを受けて、当日配達が増加している。マーケット・ウォッチ(MarketWatch)によると、ドアダッシュ(DoorDash)、Uber、グラブハブ(GrubHub)、ポストメイツは、4月から9月のあいだに推定55億ドル(約5684億円)の収益を上げ、これは前年同期の倍以上となった。カンター(Kantar)のeコマースおよびオムニチャネル分析ディレクターであるレイチェル・ダルトン氏は、「Appleとベストバイは、大規模小売業者が地域での販売に力を入れている好例だ」と語る。また、季節的な要因によって緊急性が生じていることを考えると、「この流れは、買い物客にとってもこれまで以上に重要になっている」とダルトン氏は言う。

Appleは、当日配達オプションを追加した最新の大手ブランドだ。ここ数週間、すでに出荷が遅れている分を補うために、ほかの企業たちも急いで当日配達を開始した。衣料品小売業者のチコズ(Chico’s)は、配達プラットフォームのローディ(Roadie)との提携を発表したが、ローディはまた、子会社チェーンのホワイト・ハウス・ブラックマーケット(White House Black Market)とソーマ(Soma)にもサービスを提供する予定だ。同社によると、当日配達はすでに97%のロケーションをカバーしているという。またペットコ(Petco)は、ドアダッシュとの独占提携を発表した。ドアダッシュは、35ドル(約3600円)以上の買い物で当日配達を無料で提供する。

この1カ月間、出荷の遅れが小売業者を瀬戸際に追いやっている。フェデックスやUPSなどの大手運送会社は、シーズン中に大幅な遅延が発生することを各ブランドに通知していた。通常よりも販売量が多かったため、UPSはナイキ(Nike)やメイシーズ(Macy’s)などのブランドからの出荷を一時的に停止した。一方、USPSも「前例のない」配送量について国民に警告している。

迅速な配達を望む買い物客たち

出荷の遅れが増加しているにもかかわらず、多くの買い物客はまだ迅速な配達を期待しており、それはパンデミックが鎮静化したあとも継続するだろう。たとえば、最近のカンター(Kantar)のレポートによると、買い物客の10%が1時間から2時間の配達を選んでいるとしている。さらに、配達サービスを利用している買い物客の35%が、パンデミック以降も利用を続ける予定だと述べている。

クリスマスが近づくにつれ、小売業者は当日配達を促進するようになるだろうとダルトン氏は言う。彼女はまた、小売業者が他社ロジスティクス・サービスのネットワークを利用してクリスマス商戦期に間に合うように配達する例として、セフォラ(Sephora)の最近のインスタカートとの提携を挙げた。

この新しいタイプのショッピングが定着するかもしれない、とダルトン氏は言う。「これらの顧客は、来年も実店舗での買い物とオンライン配送を組み合わせて利用する可能性が高い」と、彼女は述べた。

[原文:As holiday shipping deadlines approach, retailers are going all in on same-day delivery

(翻訳:塚本 紺、編集:)