ピックルボール、アイウエアブランドのコブリー(Covry)、日本のバーベキューソースブランドのばあちゃんず(Bachan’s)の共通点とは? スパークリングウォーターブランドのサンゾー(Sanzo)にとって、これらはすべてこの夏のマーケティング戦略の要素であり、より多くの小売店に参入することで、ブランド認知と売上を促進するものである。
サンゾーは、ピックルボール用品ブランドのネッティー(Nettie)と共同で、限定版のピックルボール用パドルをこの夏にリリースする予定(すでに発売)だ。これは、飲料ブランドであるサンゾーのフルーツフレーバーから思いついたものだという。同様に、サンゾーのフレーバーの鮮やかな色から、コブリーと提携して限定版サングラスをリリースするという発想が生まれた。また同社は日本のバーベキューソースのばあちゃんずと協力し、小売店舗でサンゾーとばあちゃんずの商品の両方を購入した買い物客に4ドル(約572円)の割引を行う。
これらの取り組みはすべて、サンゾーのディスティナジアンフレーバー(Destinasian Flavor)と呼ばれる夏のマーケティングキャンペーンの一部だ。これらのパートナーシップの背景には、ほかの飲料企業が進出しなさそうな場所で自社ブランドをプロモーションすることで、サンゾーの商品を試してもらうという考えがある。そうすることで、次に食料品店を訪れたときに、サンゾーの商品を思い浮かべてくれる可能性が高くなる。ディスティナジアンフレーバーのキャンペーンは、全国のストップアンドショップ(Stop & Shop)やホールフーズ(Whole Foods)店舗での販売など、同社の複数の実店舗販売と同時に発表された。
こちらは、小売業界の最前線を伝えるメディア「モダンリテール[日本版]」の記事です
※モダンリテール[日本版]は、DIGIDAY[日本版]内のバーティカルサイトです
ピックルボール、アイウエアブランドのコブリー(Covry)、日本のバーベキューソースブランドのばあちゃんず(Bachan’s)の共通点とは? スパークリングウォーターブランドのサンゾー(Sanzo)にとって、これらはすべてこの夏のマーケティング戦略の要素であり、より多くの小売店に参入することで、ブランド認知と売上を促進するものである。
サンゾーは、ピックルボール用品ブランドのネッティー(Nettie)と共同で、限定版のピックルボール用パドルをこの夏にリリースする予定(すでに発売)だ。これは、飲料ブランドであるサンゾーのフルーツフレーバーから思いついたものだという。同様に、サンゾーのフレーバーの鮮やかな色から、コブリーと提携して限定版サングラスをリリースするという発想が生まれた。また同社は日本のバーベキューソースのばあちゃんずと協力し、小売店舗でサンゾーとばあちゃんずの商品の両方を購入した買い物客に4ドル(約572円)の割引を行う。
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これらの取り組みはすべて、サンゾーのディスティナジアンフレーバー(Destinasian Flavor)と呼ばれる夏のマーケティングキャンペーンの一部だ。これらのパートナーシップの背景には、ほかの飲料企業が進出しなさそうな場所で自社ブランドをプロモーションすることで、サンゾーの商品を試してもらうという考えがある。そうすることで、次に食料品店を訪れたときに、サンゾーの商品を思い浮かべてくれる可能性が高くなる。ディスティナジアンフレーバーのキャンペーンは、全国のストップアンドショップ(Stop & Shop)やホールフーズ(Whole Foods)店舗での販売など、同社の複数の実店舗販売と同時に発表された。
アジア文化の架け橋に
サンゾーのシニアマーケティングディレクターを務めるキンバリー・ラム氏は、「このキャンペーンはすべて、文化の架け橋となり、さまざまなコミュニティにアジアのフレーバーを体験してもらうという我々の使命に帰結する。ディスティナジアンフレーバーで行おうとしていることは、スポーツ、スナック、スピリット、ソウルという4つの柱に分類できる」と語った。
2019年に創設されたサンゾーは、スパークリングウォーターのカテゴリーにアジアのフレーバーを持ち込んだ。現在、カラマンシー、ユズ、レイシなど5つのフレーバーを提供しており、全国の小売3000店舗で販売され、今年後半にはさらに多くの店舗での販売を予定している。同社は収益の具体的な数値を共有していないが、家庭への浸透率が前年比で300%も増加し、2022年のシリーズA資金調達ラウンドで1000万ドル(約14億3000万円)を調達したと述べている。
サンゾーは比較的新しい企業だが、ブランド認知度を高めるため、過去にエンターテイメントのパートナーシップを重視したことがある。ディズニー映画「ラーヤと龍の王国(Raya and the Last Dragon)」や、マーベル映画の「シャンチー/テン・リングスの伝説(Shang-Chi and the Legend of the Ten Rings)」をプロモーションするため、期間限定缶を発売した。また、台湾系アメリカ人のNBA(全米バスケットボール協会)チャンピオンであるジェレミー・リン氏とも提携し、同氏が起こした社会的ブームであるリンサニティ(Linsanity)を記念した特別版のアジアン・ペア(梨)フレーバーを発売した。
「文化の架け橋となり、さまざまなコミュニティにアジアのフレーバーを体験してもらうという当社の中心的な使命は変わっていない」とラム氏は述べる。
コミュニティ構築のマーケティング戦略
この夏、スポーツ、ファッション、食品というマルチ・カテゴリー・マーケティングを実施するサンゾーは、それぞれ異なる目標を掲げている。同社はネッティーとのパートナーシップと並行して、最近ではプロフェッショナルピックルボール協会(Professional Pickleball Association、PPA)の公式スパークリングウォータースポンサーにもなった。同社のピックルボールにおける取り組みは、特にサンゾーがデモ販売を行うとき、PPAの各会場でのサンプリングと小売販売を促進することをめざしている。ばあちゃんずと共同で行う4ドル(約572円)割引は、店舗内での販売と、できれば訪問客数を増やすことも意図しており、コブリーのサイトやソーシャルメディアで話題になることで売上獲得したいと期待している。
多くのパートナーシップはアジア系アメリカ人の文化に根差しており、リングコミュニケーションズ(Ring Communications)の創業者でサフォーク大学(Suffolk University)の助教授を務めるキンバリー・リング・アレン氏は、これをコミュニティ構築のマーケティング戦略と表現している。人々の関心を集めることが困難になってきているため、自社の商品を購入すると想定される人々を中心にしたコミュニティの構築を試みるブランドが増えてきたのだという。
「消費者はさまざまなブランドから膨大な数のマーケティングメッセージを受け取っている。圧倒されるような量だ」と同氏は述べている。
飽和した市場
スパークリングウォーターは特に飽和したカテゴリーなので、自社を支援してくれるコミュニティを構築していないブランドはほかの業者との競争に勝つことは難しいだろうと同氏は述べる。また、小売店での販売に合わせてキャンペーンを開始することで、買い物客は会社の商品を探す動機を得られるようになるだろうと語った。
「極めて飽和した市場なので、まずコミュニティを開拓しなければならない。スーパーのパブリックス(Publix)で販売されていると告げただけで、買い物客に見つけてもらえるわけではない。まずはブランドを知ってもらうことが必要だ」と、同氏は述べている。
しかし、このような種類のマーケティング戦略を行うのは高価で、正当化しにくいこともある。ブランドがパートナーシップやスポンサーシップに関与するとき、手数料や委託料、または収益配分の契約が常に付きまとうとアレン氏は述べる。
サンゾーは今年いっぱい、ブランドを「有意義な形で」成長させることに注力するとラム氏は語った。同社はマーケティングと流通網拡大のための投資を続ける予定だと同氏は付け加えた。
Maria Monteros(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:戸田美子)
Image via Covry