Amazon が抱く、在宅向け「健康増進サービス」への野望:独自医療ブランドが糖尿病管理アプリと提携

Amazon限定の医療製品シリーズ「チョイス(Choice)」が、糖尿病・血圧管理アプリがベースのブラットフォーム「ワン・ドロップ(One Drop)」と提携しようとしている。

この動きにより、在宅健康増進サービスへのAmazonの進出が拡大。チョイスの血糖・血圧モニターを利用する顧客は、ワン・ドロップのヘルスモニタリング用デジタルツールに接続できるようになる。

ワン・ドロップは、ペアリングした機器を通じて自動的に健康データを入力する。顧客の健康データを似たタイプの顧客に関するデータと比較し、予測分析を行うと、ワン・ドロップのマーケティング担当バイスプレジデントであるレイチェル・サンチェス氏は語る。チョイス製品との関係を通じて、Amazonの顧客はワン・ドロップの予測分析・管理機能を利用できる。

Amazonはこの記事についてコメントを避けたが、チョイスを通じた在宅健康増進サービスの拡大は、限定ブランドを通して在宅健康増進サービスに進出するAmazonの動きのなかで最新の一歩となる。チョイスは、昨年末に展開されたAmazon限定の医療製品ブランドだ。機器は、以前同様の製品についてウォルマート(Walmart)と提携していた医療機器会社アルカディア(Arcadia)によって製造される。Amazonは2017年には、製薬会社ペリゴ(Perrigo)が所有・製造する市販薬の限定ブランド「ベーシック・ケア(Basic Care)」を立ち上げた。

医療機器で消費者の生活へ

eマーケター(eMarketer)の小売&eコマース専門アナリストのアンドリュー・リップスマン氏は、次のように語る。「Amazonには、消費者の手が届く固有のインフラと、きわめて効率よく消費者にリーチする能力がある。それは明らかな強みだ。フロントエンドの体験が家庭に提供され、Amazonの参入を自然な戦略にする多くの力がある。これらの新興企業がAmazonにつながりたがる理由には論理的根拠があると思う」。

ワン・ドロップの管理ツールは顧客の健康データに基づいているが、Amazonとのデータ共有はないという。ワン・ドロップはAppleの「ヘルスキット(HealthKit)」や「Googleフィット(Google Fit)」、「フィットビット(FitBit)」とも統合している。すでに使われているツールで顧客にリーチするのが目的だ。だが、Amazonの場合、その働きはもっと幅広い。

「健康増進は巨大な事業だ。Amazonの戦略のひとつは、消費者向け製品やデジタルサービスによって消費者の生活に入り込むことであり、いまは、医療機器でそうしようとしている」と、グローバルデータ・リテール(GlobalData Retail)でマネージングディレクターを務めるネイル・サンダース氏は語る。

いまのところ、チョイスのような、Amazon限定の健康関連商品シリーズは、ある程度の結果を示している。たとえば、eコマース解析企業ワンクリックリテイル(One Click Retail)によると、ペリゴのオリジナルブランド「グッドセンス(Good Sense)」に代わるAmazonのブランドは、2018年第3四半期の時点で、Amazon.comでペリゴの市場シェアを上回っているという。

変革の大きなチャンス

機器や市販薬は、医療分野に進出しやすい領域だが、保険制度や規制の問題が複雑なため、Amazonはもっと大きな障害に直面する可能性があると、サンダース氏は指摘する。だが、顧客第一という考え方により、Amazonはまだ手強い勢力となっている。

「(医療分野においては)消費者や政治家が満足しておらず、また上手くまわっていないこともあり破壊的変革が起こるにはうってつけの市場だ。Amazonが成功できれば、大きなチャンスになる」と、サンダース氏は語った。

Suman Bhattacharyya(原文 / 訳:ガリレオ)