7月20日、英国を拠点とするコンテンポラリーデザイナー、プリヤ・アルワリア氏は自身の名を冠したブランドの2023年秋コレクションを発表した。デジタルに接続されたそのコレクションでは、顧客がアイテムに統合されたQRコードからブランドのストーリーテリングにアクセスでき、ブランドは顧客データにアクセスできる。コレクションはデジタルIDのスタートアップのイオン(EON)とクラウド技術のプロバイダーであるマイクロソフト(Microsoft)が提携しており、現在ブランドのeコマースサイトで販売されている。
小規模ブランドの優先事項はより多くの情報を得ること
アルワリアは2月のロンドン・ファッションウィークでコレクションとコラボレーターを発表した。それぞれの服にはQR IDのタグが付いており、ユーザーが携帯電話でスキャンすると、アルワリアのコレクションのインスピレーションであるビジュアルに加えて、それぞれの服がどのように作られているかを紹介する動画や服のお手入れ方法の動画などを見ることができる。またブランドには、顧客がブランドコンテンツにどう関与しているかという貴重なデータを提供する。
アルワリアは5年前の創業以来、黒字経営を続けており、具体的な売上高については公表を避けたものの、2021年春以降、毎シーズン売上が2倍以上に増加しているという。eコマースパートナーには、ネッタポルテ(Net-a-Porter)、マッチス(Matches)、ファーフェッチ(Farfetch)などがあり、さらに世界40店舗以上の実店舗で取り扱われている。
7月20日、英国を拠点とするコンテンポラリーデザイナー、プリヤ・アルワリア氏は自身の名を冠したブランドの2023年秋コレクションを発表した。デジタルに接続されたそのコレクションでは、顧客がアイテムに統合されたQRコードからブランドのストーリーテリングにアクセスでき、ブランドは顧客データにアクセスできる。コレクションはデジタルIDのスタートアップのイオン(EON)とクラウド技術のプロバイダーであるマイクロソフト(Microsoft)が提携しており、現在ブランドのeコマースサイトで販売されている。
小規模ブランドの優先事項はより多くの情報を得ること
アルワリアは2月のロンドン・ファッションウィークでコレクションとコラボレーターを発表した。それぞれの服にはQR IDのタグが付いており、ユーザーが携帯電話でスキャンすると、アルワリアのコレクションのインスピレーションであるビジュアルに加えて、それぞれの服がどのように作られているかを紹介する動画や服のお手入れ方法の動画などを見ることができる。またブランドには、顧客がブランドコンテンツにどう関与しているかという貴重なデータを提供する。
アルワリアは5年前の創業以来、黒字経営を続けており、具体的な売上高については公表を避けたものの、2021年春以降、毎シーズン売上が2倍以上に増加しているという。eコマースパートナーには、ネッタポルテ(Net-a-Porter)、マッチス(Matches)、ファーフェッチ(Farfetch)などがあり、さらに世界40店舗以上の実店舗で取り扱われている。
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「経済的には楽な時期ではないが、私たちの中期的な目標のひとつは(独自の)実店舗をオープンすることだ」とアルワリア氏は語る。「卸売りが中心の小さなブランドなので、顧客の売上やエンゲージメントのデータを収集するのは非常に難しい。(一方で小売業者は)顧客のデータを所有している。小さなラグジュアリーブランドとしてチャネルを所有し、より多くの情報を得ることが優先事項だ」。
QRコードは、マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるAzure(アジュール)に支えられたソフトウェアであるイオンのプロダクトクラウドプラットフォーム(Product Cloud Platform)を介して機能しており、ブランドは情報を簡単にアップロードすることができる。2020年にローンチしたイオンのプラットフォームは、マルベリー(Mulberry)、パンガイア(Pangaia)、クロエ(Chloé)などのブランドが使用している。アルワリアは、イオンとマイクロソフトのパートナーシップの財務モデルについては言及を避けた。
イオンのCEO、ナターシャ・フランク氏は、「イオンのプラットフォームはブランドによるセルフサービスを可能にしており、それが(大規模な企業チームを持たない)小規模なレーベルをこのプラットフォームに引きつけている」と語った。
返品と再販においてデジタルIDが不可欠に
デジタルIDは衣料品を追跡し、再販プロセスにおける価値ある情報を取得する。フランク氏の説明によれば、顧客がアイテムのデジタルIDをスキャンすれば、アイテムとそれに対応する情報を再販プラットフォームにアップロードすることができる。クロエは2月にヴェスティエールコレクティブ(Vestiaire Collective)との再販をローンチした際、イオンのデータを活用している。
小規模なブランドであるアルワリアは、採択された技術でイノベーションを達成できる。かたや革新的な素材の最低発注量を満たすことは不可能だ。その代わり、同社はデッドストックの利用を優先している。
フランク氏は、2027年からEUで衣料品のデジタル識別が義務化されること、そして早ければ2024年からサプライチェーンの情報開示が義務化されることなどから、ブランドはサプライチェーンのデータにアクセスする必要があり、追跡可能なソリューションが必要になると述べた。
「多くのブランドは材料のトレーサビリティに投資してきたが、これまではその情報を顧客に開示する術がなかった。イオンなら、顧客が携帯電話ですばやくスキャンしてその情報を見ることができる」とフランク氏は語る。
「これはブランドのチーフプロダクトオフィサーが使用するコアコマーステクノロジーとなるだろう。IDは返品と再販(のプロセス)の両方において不可欠になるからだ」とフランク氏。アルワリアは2021年に初めてマイクロソフトと技術統合で提携しているが、今後すべてのコレクションにQRコードを統合する予定だ。
[原文:Ahluwalia introduces digital IDs with its fall 2023 collection]
ZOFIA ZWIEGLINSKA(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)