MANAGING THROUGH CRISIS

「今回の アドテック東京 は、業界の大きな実験となる」:コムエクスポジアム・中澤圭介氏

いまだ感染拡大が懸念されるリアルイベントと、コンテンツが飽和状態で渋滞を起こしているオンラインイベント。今後の趨勢を測る、いい機会ともいえそうだ。

アジア最大級のマーケティング国際カンファレンス「ad:tech tokyo(以下、アドテック東京)2020」が、10月29日(木)から6日(金)に渡って開催される。今年で12回目を迎える同イベントは、通常、東京国際フォーラムで開催されていた。しかし、今回は昨今の状況を鑑みて、オンライン×オフラインのハイブリッド形式での実施を試みるという。

展示会場は完全オンライン化。東京国際フォーラムに用意されるリアル会場では、公式カンファレンスとキーノートのみが実施される。公式カンファレンスの数は合計59セッションにも及び、そのすべてをインターネットでも同時配信。さらに会期終了後から一定期間(数日)、アーカイブ配信も行うという。

「今回のアドテック東京は、今後のイベントの在り方そのものを考える、業界の大きな実験ともなるはず」と、アドテック東京を運営するコムエクスポジアムジャパン株式会社でコンテンツ・デベロップメント・マネージャーを務める中澤圭介氏は語る。「従って、今回の実施で得られたことをまとめ、業界でシェアしたいと考えている」。

DIGIDAY[日本版]では中澤氏に、コロナ禍におけるアドテック東京開催の背景について伺った。以下、一問一答形式でお届けする。

◆ ◆ ◆

――今回のアドテック東京のプログラムが出揃って、業界はどんな方向へ向かっていると感じているか?

今回のアドテック東京には、総勢211名の現役トップマーケターがオンライン、リアルでセッションを繰り広げてくれることになった。開催以来はじめて、女性登壇者比率30%以上を達成し、カンファレンスにおけるジェンダーイクオリティの国際化も果たしている。

実は、各セッションの大枠となるタイトルは、コロナの影響を受ける前にボードメンバー会議で決めたものだ。しかし、コロナによって、ほぼすべてのセッションがその影響を受けたと言ってもいいだろう。

たとえば、アドテック東京の公式ページにおける事前アクセスのランキング1位の「TB6 日本を元気にするブランドの在り方」や2位の「TB2 長く愛されるブランドを作るには」といったテーマは、例年注目されている内容だ。だが、今回も注目され、アクセスランキングで上位に入ったということは、コロナによって「顧客との強い直接のつながりをいかに築けるか?」「ブランドが存在する意義」といったことがより重要視されていることを、そのまま表しているのではないかと感じている。

――今回のアドテック東京は、リアル×オンラインのハイブリッド開催とのことだが、開催にこぎつけるために苦労した点は? また、ビジネスとして成り立ちそうか?

この決定を下したのは、まだ状況がどうなるかわかない時期。その際、当然最優先すべきは、参加者、登壇者をはじめとした関係者の安全と、会場での感染対策だった。

今回だけでのビジネスを考えれば、すべてオンラインとしてしまうのが良いだろうし、実際多くのイベントが「完全オンライン化」を図っている。そうしたなかでアドテック東京が「リアルとオンライン」の両方を志向したのは、今回が、今後のイベントの在り方そのものを考える、業界の大きな実験ともなるはずだから。従って、今回の実施で得られたことをまとめ、業界でシェアしたいと考えている。

――中澤さんご自身「オウンドメディア、ウェビナー乱立の中で問われるマーケティングメディアの価値・役割」というセッションでモデレータをされるが、どんなところを掘り下げていきたいか?

このセッションでは、株式会社翔泳社で「MarkeZine」編集長を務める安成蓉子氏、株式会社インプレスで「Web担当者Forum」編集長を務める四谷志穂氏、そしてDIGIDAY[日本版]をはじめ「Business Insider Japan」「MASHING UP」などを運営する株式会社インフォバーングループ本社 代表取締役CEOの今田素子氏に登壇していただく。まず、掘り下げたいのは、コロナ禍を経て、それぞれのメディアの読者が求める情報がどのように変化しているか? そして、メディアが主催するさまざまなイベントがどう変化しているか? だ。

さらに、自社主催のオンラインセミナーが増えるなかでも、メディアが主催するイベントに求められる役割も変化している。そんななか、コンテンツを生み出す力が、どのように企業主催のオンラインセミナーで役立つのか? などについても聞いていきたい。

※DIGIDAY[日本版]は、アドテック東京のメディアパートナーです。

Written by 長田真