アディダスオリジナルズ、「統合戦略」でデジタル化を推進:レス・イズ・モアのアプローチ

アディダス(Adidas)でストリートウェアブランドの「アディダスオリジナルズ(adidas Originals)」を担当するチームは、アディタスが展開する数多くの販売チャネルでブランドの影響力を拡大したいという意思を明確にしている。今後は、店舗を閉鎖し、小売店との関係を見直し、eコマースへの取り組みをさらに進める計画だ。彼らの狙いは、自ブランドの宣伝と販売を強化することにある。

小売とデジタルの統合

アディダスオリジナルズは2018年初頭、グローバルブランドマーケティング部門の小売店担当チームとデジタル担当チームを統合した。これを境に、販売チャネルを減らしても、独自の顧客体験を消費者に提供したほうがうまくいくかもしれないと考えるようになる。

アディダスオリジナルズはいま、ブランド独自のアプリのリリースを検討。アディダス本体のショッピングアプリは、2017年11月にリリースされた。決算報告書によれば、このアプリは8つの国で展開され、150万本以上ダウンロードされたという。また、このアプリを評価したところ、ウェブサイトと比べて製品を購入してもらえる確率が高いことが明らかになった。そのため、アディダスオリジナルズのマーケターらは、ブランド独自のアプリが必要ではないかと考えはじめたのだ。

「オリジナルズというブランドにとっては、独自のアプリをリリースするチャンスだ。アプリがあれば、アディダスのエコシステムにいる顧客のなかで、特定の層とコミュニケーションする機会が得られる」と、アディダスオリジナルズでデジタルおよび小売マーケティング担当グローバルディレクターを務めるスウェイブ・シムジック氏はいう。「小売とデジタルを統合して以来、我々はもっぱら、店舗で顧客を獲得することに目を向けているのだ」。

目標を共有した結果

アディダスオリジナルズのチームは、販売のふるわないスニーカーをテコ入れするため、QRコードを活用している。QRコードが入ったシューズの外箱を、スニーカー市場で有名なインフルエンサーに送ったのだ。インフルエンサーがこの箱を開け、QRコードをスマートフォンでスキャンすると、スマートフォンのディスプレイに限定発売のスニーカーがバーチャルに表示され、その様子がフォロワーにシェアされるという仕掛けだ。

「我々はさまざまなリサーチやパネル調査を行っているが、それだけではない。フォロワーのネットワークを持ち、市場への理解が深い信頼できるインフルエンサーとの関係を強化している」と、シムジック氏は語った。

アディダスオリジナルズにとって、これは戦略の転換だ。以前は、自分たちの市場でできるだけ多くのイノベーションを実現することに注力していた。そのため、グローバルブランドチームは、PR、ソーシャル、オンラインコマース、そして小売店のスペシャリストを抱えることになる。だが、メンバーが目標を共有することなく、ばらばらにイノベーションを手かげることが往々にしてあったとシムジック氏は振り返る。いまでは、シムジック氏がインターマーケティング・エージェンシー(Intermarketing Agency)と共同でプランニングを行っている。

「UXで勝ちたい」

「我々は、(アディダス製品を)もっとも安く売るブランドになるつもりはない」と、ジムジック氏はいう。「製品を安く売ろうとするところは必ず現れるだろうが、そんなことは気にしない。価格で勝とうとは思っていないからだ。我々はユーザー体験で勝ちたいと考えている。(中略)ただし、その分野で大きくリードしているわけではないため、顧客体験のなかでフォーカスすべき重要なことを見極める必要がある。うまくいっていないことをすべて改善する余裕はないからだ」。

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)