TikTokの大インフルエンサー、アディソン・レイ・イースタリング氏は、Netflixの主演映画公開を控えるなか、自身が最高イノベーション責任者兼共同創設者のItem Beautyが、Sephora全店とオンラインでローンチ。そんな多忙なイースタリング氏に今回、米Glossyはインタビューを行った。
TikTokの大インフルエンサー、アディソン・レイ・イースタリング氏にとって8月は重要な月だ。初めての映画である、Netflixの『He’s All That』が8月27日に公開予定。2週間前には、自身が最高イノベーション責任者兼共同創設者のアイテムビューティ(Item Beauty)が、セフォラ(Sephora)全店とオンラインでローンチしたばかり。また、アメリカの大型小売チェーン店のコールズ(Kohls)にあるセフォラの新しいショップインショップでも販売される。セフォラは、ベイビーブルーとライムグリーンのパッケージで一新された同ブランドのスキンケア全製品と、メイクアップ製品の一部を販売することになっている。
Z世代が手がけたZ世代のためのビューティ製品
アイテムビューティは、1年前、パンデミックの最中にD2Cウェブサイトでローンチした。セフォラとの提携により、イースタリング氏のファンは彼女のブランドを実際に手に取れるようになる。また、同ブランドは、セフォラではあまり取り扱っていない、インフルエンサーによるZ世代向けブランドのひとつでもある。アイテムビューティの起業に関わったメイドバイコレクティブ(Madeby Collective)のブランドvp、ジャニーン・ゲッティンガー氏いわく「我々はセフォラと提携して、楽しくクリーンで親しみやすいアイテムビューティの製品を店舗に展開することできてとても誇りに思っている。この提携を実現するのに、これ以上の環境とクリーンビューティの擁護者(イースターリング氏)はなかっただろう」。
TikTokでは8200万人、インスタグラムでは3900万人のフォロワーを抱えるイースタリング氏が、アイテムビューティの成功に貢献していることには疑いの余地はない。「アディソンは、自分への愛情、自己表現、個性を称えていて、アイテムビューティの精神を体現している。彼女は美しさの基準を再定義している世代の熱意を表わしている」とゲッティンガー氏は述べる。
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アイテムビューティの小売ローンチ第一弾に先立ち、米GlossyはZoomでイースタリング氏に独占インタビューを行った。
――ビューティにのめり込んだきっかけは?また、TikTokスターからビューティブランド起業への経緯は?
ビューティとメイクにはいつも興味があって、自分に対してポジティブに感じることも大切だった。私が子どものころ、母はメイクアップアーティストをしていたので、私はメイクをクリエイティブな手段であり、自分の美しさを強調して自信を高め最高の気分になれる方法だと思ってきた。年齢を重ねるにつれ、外見を高めたり気分を上げるだけではなく、自分と自分の肌に対して優しくあることが製品にとっていかに重要であるかを理解するようになった。ホルモンの変化や人生の変化、ストレスを経験するにつれて、スキンケアは自分にとってますます重要になってきた。
私はクリーンで手頃な価格のブランドを望んでいたので、素晴らしいクリーンビューティが可能だという新しい動きに賛同した。大企業ブランドはクリーンではないというネガティブなイメージがあるかもしれない。(人々は)「一体なぜなんだ?」と思っている。だから、Z世代の人間として、クリーンビューティの重要性と、クリーンビューティへの移行はそれほどむずかしくないと示すことができて嬉しい。アイテムというブランド名にしたのは、自分と自分のメイクアップはペアであり、最高の自分を演出するために作用してくれるから(「item」には「カップル」、「恋人同士」の意味もある)。
――自分がZ世代の一員であることは、アイテムビューティを設立する上での役割にどんな影響があったか?
Z世代はとても流行に敏感で、物事はいつもオンとオフで、トレンドに左右される。でも、廃れることがないものは、どんな肌でいたいか、どんな製品が望ましいかということで、これはビジネスに取り組む上で私にとってはとても重要なことだった。だからこそ、アイテムビューティを体に良い成分を使うクリーンブランドにすることに尽力した。
誰でも完璧で華やかな外見を望むけれど、それによって時々肌に悪影響があるのはイヤなもの。でも、それが現実でもある。肌によって反応は変わるが、アイテムビューティではどんな肌タイプにでも使えるように製品を処方した。
Z世代にはナチュラルでしっとりツヤ肌が人気だが、華やかさも好まれている。製品を構築に適したものにしたかった。それで(ナチュラルと華やかの)両方が演出できるから。アイテムビューティの製品には様々な用途がある。それは私の目指したところだ。簡単で入手しやすくしたかった。持ち運べて、どこにでも収納できる。
――母親がメイクアップアーティストだったことで、ビューティ業界で働く準備ができていたと感じたか?
私はいつもメイクとビューティに夢中だったし、ダンス競技のダンサーだったので幼い頃からステージメイクをしていた。今ではいろいろな人たちと話して、実際には肌に良くない様々な成分について学んだ。また、母がどのようにスキンケアやメイクアップをするかを目にしてきた。
――アイテムビューティの製品がセフォラで販売されると知ったときはどうだったか?
言葉を失った。子どものころからセフォラは大好きな店で、セフォラの大ファンだった母に連れられて一緒に行っていた。店であれもこれも試したりした。この頃はやらないが。……(セフォラでの販売は)本当に信じられなかった。いまでも尋ねられるたびに「信じられない」って感じ。すごく現実離れしている。
それから、パンデミックの最中にブランドを立ち上げるのは、(通常とは)まったく異なる体験だと思う。そのブランドを店舗で経験できる人は大勢いないということだから。だから、いま、皆が店舗へ行って製品を直接見られるようになったのも信じられない。
デジタル面では(体験は)少し異なる。パンデミックの最中の販売方法を考えなければなかった。当社のローンチはオンラインだけだったが、いろいろ学んで成長できたのはとてもおもしろかったし、今はその経験を生かして拡大することができる。
――パンデミックはまだ終わっていないが、セフォラでのローンチに関して何か楽しい活動計画はあるか?
できるだけ多くのセフォラの店舗を訪ねようと思っている。立ち寄って皆に挨拶したい。会社ではいくつかのポップアップを行う予定もあるはず。……もしかしたらセフォラで私に会えるかも。
――自身になくてはならないアイテムビューティの製品は?
私を知っている人なら誰でも答えられる。それは、ラッシュスナック(Lash Snack)。マスカラが大好きだ。理由はわからないが、いつもマスカラが必要。
私が好きなのは、クモのような超劇的なまつ毛。それがイヤだという人もいるが。でも私は大好き。ラッシュスナックで、まつ毛がクモの足みたいになるまで重ね塗りできるようにしたかった。まつ毛をすごく濃く、長くすることができる。ラッシュスナックはそれで知られている。どんどん塗り重ねて、ものすごくドラマチックなまつ毛にできる。
スキンケア製品では、おそらくワンヒット(One Hit)(下地にも、なじませるためにも、リフレッシュにも使えるフェイスミスト)だろう。いま手元に持っている。手軽だし、1日中使い続けられるし、いい香りがする。
――現在注目しているビューティトレンドはあるか?
ほかの人たちがどんな新しいことを発見しているかを知るのが大好きだ。最近では、色付きブラウとカラフルなマスカラやアイライナー。カラフルなものが大好きなので、アイテムビューティでもそのトレンドに関して(新製品を)提供できたら良いと思っている。新しいものを見つけられるのがTikTokの素晴らしい点で、それはいつも変化し続けている。いつも新しいトレンドがある。ペースはとても速い。
ちょっとしたことだが、ブラウチャウ(Brow Chow)ペンシルを使ってそばかすを描いている。ミディアムブラウンを使っているが、とてもナチュラルでリアルに見える。もともとそばかすはあるのだが、とくにコンシーラーでカバーしているときにはそばかすを描くのが好きだ。1つの製品でメイクのルックがどれだけできるかを試すのが大好きだ。
[原文:Addison Rae and Item Beauty make their Sephora debut]
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:ぬえよしこ、編集:山岸祐加子)