デジタル・マスメディアへ: AbemaTV 広告本部長・山田陸 氏が抱く、2020年の野望

オンデマンド全盛の動画市場において、テレビ感覚が味わえる「リニア視聴」も採用するなど、国内発の新しい動画サービスとして、独自の立ち位置を築いてきたAbemaTV(アベマティーヴィー)。その存在感は、確実に高まっている。

2019年6月には、ローンチ時から「マスメディアになるための指標」として掲げていた目標、WAU(ウィークリー・アクティブ・ユーザー)1000万を達成し、その規模が定着。広告事業も、若年ユーザーも多く抱える点や、高いビューアビリティ、そしてブランドセーフティが担保されている点などを強みに、広告主からの支持を集めてきた。

「2019年は、出稿する広告主がさらに増え、AbemaTVの強みがしっかり認知していただけた」。こう語るのは、株式会社AbemaTVの広告本部 本部長及び、サイバーエージェントの取締役、山田陸氏だ。同氏は2019年をこう振り返った上で、2020年の取り組みに言及。昨今、世界的に個人データの取り扱いへの規制が強まっているなか、AbemaTVの広告の特徴である『プロ動画コンテンツ×ターゲティング』は、大きな強みになっていくだろうと語る。

若者向けコンテンツがブレイク

「2019年は、飲料や、化粧品、あとは消費財といった領域のナショナルクライアントからの出稿が、より一層増えた1年だった」と山田氏。「これは、若年層向けの番組がブレイクしたことが大きい。以前から差別化要素として注力していた部分ではあるが、2019年は、我々の取り組みがしっかり広告主に届いたのではないかと思っている」。

AbemaTVの若年層向けコンテンツのなかでも、特に話題を集めているのが、累計視聴数が1億5000万を超える『オオカミ』シリーズをはじめとした恋愛リアリティーショーだ。その人気の高さから、昨年はAbemaTVで特に人気のオリジナル番組をテレビ朝日で放送する『アベマの時間』など、地上波との連携企画も行っている。

山田氏によると、AbemaTVにおける、こうしたインターネットから地上波へのコンテンツの「逆輸入」は、いま増えはじめているという。「AbemaTVのコンテンツは、協業しているテレビ朝日のプロデューサー陣にも参画していただき、議論を重ねて生み出されるため、地上波で放送できるくらい、クオリティが高いものになっている」。

デジタルにおけるデータ利用の変化

そんなAbemaTVは、いまの国内のデジタルマーケティングにおいて、オンラインデータの取り扱いに関する規制の変化に注目している。

2018年5月の「EU一般データ保護規則(GDPR)」の施行や、米国においても、この1月に新たに「カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)」が施行されるなど、ここ数年、個人データの取り扱いは、世界中で話題を集めているのはいうまでもない。山田氏は「こういった潮流は、日本でももっと厳しくなってくるだろう」と語る。

加えて、「行動ターゲティングはその精度の高さゆえ、既存顧客を含む顕在層にも広告が多く配信されてしまうこともある。潜在層の認知獲得や理解にも目を向け、それに適した手法でアプローチする必要がある」と山田氏。すでに商材の利用意向が高まっているユーザーや、既存顧客に広告を配信すれば、レポート上では当然良い結果が期待できる。しかしそれでは、目的によっては本質的に効果が出たとはいえない。

「最近では、広告主からも『現在の方法で、果たして潜在層に対してのアプローチができているのか不安だ』という声を聞くことが多くなった」。

AIを活用した自動コンテンツターゲティング

そこでAbemaTVは、人ではなく、コンテンツに対して最適なターゲティングを行う手法を提案する。これはいってしまえば、従来のテレビの手法と近い。では、従来のテレビと新しい動画メディアであるAbemaTVとの大きな違いは何か。それはデータの精度の高さと、圧倒的なコンテンツの量だ。「魅力的なコンテンツには多くのファンが集まる。そこにコンテンツと相性が良い広告クリエイティブを掲出すれば、彼らがそのサービスや商品への認知や関心がもともと低くても、態度変容を促すことができる」。

山田氏はコンテンツと広告の相性がよかった事例として、元SMAPの3人が出演するAbemaTVのコンテンツ、『7.2 新しい別の窓』(通称、ななにー)での取り組みを紹介。『7.2 新しい別の窓』は、熱量の高いファンが非常に多い人気番組。以前、某飲食チェーンブランドのCMを同番組中に配信したところ、大きな反響があったという。

「配信後、SNS上では、視聴者からスポンサー企業へのお礼や、実際に商品を買いに行ったといった反応を得ることができた。もともとブランドのファンではなかった視聴者からも、好反応を得られたいい例だ」。

AbemaTVでは現在、アベマビデオにおいて『ななにー』をはじめとした魅力的なプロコンテンツが、約2万6000エピソード配信されており、それぞれの番組が大なり小なりファンを抱えている。2020年は、今後これらの番組の広告枠をより効率的に広告主が利用できるよう、AIを活用した自動プランニングシステムのローンチを目指すという。

テレビデバイスのオンライン化を牽引

また、山田氏がAbemaTVの今後の方針として掲げるのが、テレビデバイスのオンライン化への対応だ。これまでもAbemaTVは、テレビ視聴ユーザーを獲得するために、テレビメーカーと協力し、デバイス周りの整備をはやくから進めてきた。

なかでも「リモコンへの『AbemaTVボタン(押すだけで、AbemaTVに簡単に接続ができるボタン)』設置の効果は大きい」と山田氏。現在、国内で販売されているコネクテッドTVの8割に、AbemaTVボタン搭載のリモコンが採用されているという。「ユーザーの視聴環境が多様化しているため、あらゆるデバイスでより多くのタッチポイントを作ることが重要だ」。現在、AbemaTVのテレビデバイスの視聴ユーザー数は、広告活用できるレベルにまで順調に成長しているという。

こうした、デバイスを顧客とのタッチポイントとして重視する戦略は、アメリカの大手動画ストリーミングサービス、ロク(Roku)を彷彿させる。AbemaTVがハードウェアでのタッチポイントを重視しているように、ロクもroku streaming stickの販売に力を入れることで、テレビ視聴ユーザーの獲得に繋げている。

「今後も、ユーザーに楽しんでいただける多くのコンテンツを制作しながら、テレビデバイスをはじめとしたタッチポイントを増やしていく。そして、マスとデジタル両方の特長を併せ持つメディアとして独自の強みを活かし、企業のマーケティング活動においても高い効果を出していきたい」。

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Written by DIGIDAY Brand STUDIO