ナイキ「ジョーダンブランド」は、インスタグラムの新機能「ストーリーズ」のリリースを活用する好機だととらえ、新ユニフォームを披露する写真および動画16点をまとめた1分間のストーリーを投稿した。この再生回数は、投稿後3時間以内に20万回を超え、24時間後には80万回に達したという。
ハンドルネーム「@jumpman23」で発信するジョーダンブランドは、インスタグラムを全体的なソーシャルメディア戦略の「照準点」に位置づけており、860万人を超えるフォロワーを獲得している。
ミシガン大学のフットボールチーム「ミシガン・ウルバリンズ (Michigan Wolverines)」は2016年8月、スポーツ用品メーカーのナイキ(Nike)が展開する「ジョーダンブランド(Jordan Brand)」を身につける初のカレッジフットボールチームになった。
新しいユニフォームを披露する日は、「インスタグラムストーリーズ(Instagram Stories)」のローンチに合わせた8月2日に決まった。インスタグラムストーリーズは、ユーザーが1日に投稿した写真や動画をひとつにまとめて共有し、ちょうどSnapchat(スナップチャット)と同じように、24時間後に自動消去する機能だ。
インスタ活用の好機
ジョーダンブランドは、すでに多数のフォロワーを獲得しているプラットフォーム、インスタグラムを活用する好機だととらえ、新ユニフォームを披露する写真および動画16点をまとめた1分間のインスタグラムストーリーズを投稿した。このストーリーの再生回数は、投稿後3時間以内に20万回を超え、24時間後には80万回に達した。
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ジョーダンブランド担当グローバル・デジタル・ディレクターのダン・ハービソン氏は、「今回の決定は、(インスタグラムストーリーズが)大々的にリリースされることがわかった当日に下された」と振り返る。「以前から、ストーリーをどう組み立てるかを検討していた。インスタグラムストーリーズは、我々が行っている既存のアプローチにうまくフィットする」。
インスタグラムストーリーズは、インスタグラムを積極的に利用してきたジョーダンブランドにとっての最新ツールだ。ハンドルネーム「@jumpman23」で発信するジョーダンブランドは、インスタグラムを全体的なソーシャルメディア戦略の「照準点」に位置づけており、860万人を超えるフォロワーを獲得している。インスタグラムは、同ブランド最大のソーシャルプラットフォームになった。
第2位の人気スポーツ
インスタグラムでのジョーダンブランドのフォロワー数は、全米プロバスケットボール協会(NBA)の個々のチームや大半の選手を超えている(ちなみに、NBA自体のインスタグラムアカウントは1760万人がフォローしている。レブロン・ジェームズ選手やステフィン・カリー選手のような一部のトッププレーヤーには、さらに多くのフォロワーがいる)。
これはそれほど驚くことではない。インスタグラムによると、バスケットボールは同プラットフォームで第2位の人気スポーツで、3400万人のフォロワーを抱えるという。それこそが、インスタグラム自体がスポーツコンテンツの拡大に全力を注ぎ、「ESPN」や「ターナー(Turner)」といったNBAの提携メディアがこのプラットフォームにより多くのリソースを投入してきた大きな理由なのだ。
「NBAは、ほかのスポーツリーグではほとんど見られない規模でインターネットを受け入れてきた」と語るのは、ソーシャルコンテンツと戦略の分野でジョーダンブランドと提携しているソーシャルメディアエージェンシー、ランドリー・サービス&サイクル(Laundry Service & Cycle)のジェイソン・スタインCEOだ。「選手たち自身がプラットフォーム上で大きなプレゼンスを得て、独自のやり方で発信するメディアそのものになったのだ」。
選手の写真や動画も投稿
ジョーダンブランドは、インスタグラムへの写真や動画に関して、NBAとその提携メディア、選手らほど大量に投稿しているわけではない。それでも、同プラットフォーム上のバスケットボール関連コンテンツに興味を抱くファンたちの獲得を目指してきた。
注力しているのは主にシューズとウェアだが、選手の写真や動画も投稿する。チームの集合写真や、シュート練習の動画といったコンテンツだ。ジョーダンブランドのアイテムがツアーバッグに詰め込まれるコマ送り動画のような創造性を発揮したコンテンツも投稿されるだろう。アナリティクス企業タビューラー・ラブズ(Tubular Labs)によると、ジョーダンブランドが投稿したインスタグラム動画の平均再生回数は、6月の時点で27万2000回だったという。
ジョーダンブランドのハービソン氏は、「コミュニティにふさわしい魅力的な動画と写真を制作することは、いつでも我々の目標だ」と語る。同ブランドが引き続き新たなスポーツ種目に進出しても、こうしたアプローチは変わらないだろう。
息の長いツールになる
インスタグラムストーリーズについての期待は強力なものの、ジョーダンブランドはこの機能は息の長いものになると確信している。
「我々が心がけているのは、常にコミュニティに向けて価値を提供すること。プレゼンスを示すことのためにプレセンスをもとうとするのとは違う」とハービソン氏は語る。「(インスタグラムストーリーズは)ライブでのイベントや製品発表に有効だが、何よりも重要なのは消費者だ。消費者たちに向けて、彼らの言葉で我々のストーリーを届けられるかどうかなのだ」。
Sahil Patel (原文 / 訳:ガリレオ)