Z世代、ポスト・ミレニアル世代、センタニアル(centennial)世代――。好きな呼び方をすればいいが、およそ1995~2008年生まれのこの年齢層は、ブランドやマーケターの間でいまもっとも詳しく調査されているグループとしてますます台頭している。これまでミレニアル世代に向けられていた関心を奪っているのだ。
それはなぜか? この世代は、世界に20億人いる。米国の人口の約26%を占め、民族的・人種的に見て、米国史上もっとも多様だ。しかも、すでに440億ドルの購買力がある(「お小遣い」のかたちかもしれないが)。
だが、米広告代理店、オムニコム・グループの傘下にある消費生活コンサルタント会社、Cスペースが行ったフォーカスグループ調査から明らかになったように、この世代は、自分の生活にしっくりと合い、自身がもっとも気に掛けているものに結びつけてくれるブランドにしか関心がない。つまり、各ブランドは、旧来のマーケティング方法を一掃する必要があるということのようだ。
Z世代、ポスト・ミレニアル世代、センタニアル(centennial)世代――。好きな呼び方をすればいいが、このおよそ1995~2008年生まれの年齢層は、ブランドやマーケターの間で、いまもっとも詳しく調査されているグループだ。これまでミレニアル世代に向けられていた関心を奪っているといっても過言ではないだろう。
それはなぜか? すでにこの世代は、全世界で20億人も存在する。米国においても人口の約26%を占め、民族的・人種的に見て、米国史上もっとも多様な構成となっているのだ。しかも、すでに440億ドルもの購買力がある(「お小遣い」のかたちかもしれないが)。
だが、米広告代理店オムニコム・グループの傘下にある消費生活コンサルタント会社Cスペースが行った、フォーカスグループ調査から明らかになったように、この世代は、自分の生活にしっくりと合い、自身がもっとも気に掛けている事象と結びつくブランドにしか興味がない。つまり、各ブランドは、旧来のマーケティング方法を一掃する必要があるようだ。
Advertisement
広告・マーケティングに関するマルチプラットフォームを提供する企業アイハート・メディア(iHeart Media)の最高マーケティング責任者(CMO)であるゲイル・トロバーマン氏は、次のように述べている。「我々はミレニアル世代に対して、コンテンツの内容を簡潔にすることに努めていた。60秒のスナップではなく、30秒、15秒、10秒と、スナップはどんどん短くしていった。また、6秒間の『Vine』動画クリップや、140字で投稿するTwitterも積極的に活用していた。しかし、Z世代に対しては、そうしたモデルは止めるよう、クライアントに忠告している。ブランドのストーリー性を重視し、Z世代が関心をもてる内容にすることに務めているのだ」。
以下にて、この新しい世代について、マーケターが知っておくべき5つのことを紹介する。
1. 画面はZ世代にとって「身体の一部」
米調査会社、ピュー研究所によると、Z世代はしばしば、一度に5つもの画面を同時進行的に切り替えており、91%は、端末を持ちながら就寝すると回答した。米国だけで2015年内に、12~17歳の若者2200万人がモバイル端末を所有するとマーケティング調査会社、eマーケターが推測していることを考えると、これは意外ではない。前の世代であるミレニアル世代と同様、「絶えず接続されていること」が必須になっているのだ。
2. だが、Z世代は技術の悪影響も認めている
Z世代は「デジタル・ネイティブ」だが、米代理店、Cスペースのフォーカスグループは、自分達が技術の大きすぎる影響から解き放たれる必要があると認めている。さらに、広告代理店スパークス&ハニーが行った調査では、Z世代は、画面を見る時間が長すぎると自覚しており、59%近くのZ世代は、オンラインで過ごす時間が長すぎると認めた。
スパークス&ハニーのバイスプレジデント兼編集ディレクター、ショーン・マホニー氏は次のように述べる。「Z世代は永続しない一時的なものが大好きだが、これは、監視時代におけるプライバシー意識が影響している。Z世代は今後、自分とデータとの関連を意識的に切り離すようにしていくだろう。これは、近い将来にプログラマティック広告が廃れることを示唆している。ブランドは、Z世代を追跡して対応する別の方法を見つけることが必要になる」。
3. Z世代は、なによりもプライバシーを重視する
Z世代は、不注意なツイートやスナップ写真が意味することを理解しているようで、オンライン生活をプライベートなものにしておくのに熱心だ。「Facebook」に対して無関心なのは既知の事実。Z世代の約29%は、Facebookはもう「クール」ではないと考えている。それよりも、「Kik」のようによりプライベートなメッセージングアプリや、「Snapchat」のようにメッセージが消えるメッセージングアプリに惹かれている。加えて、「Secret」や「Yik Yak」のような匿名ゴシップアプリや、「インスタグラム」の偽アカウントを好んで利用している。自分たちの生活や友だち関係をフィルタリングなしで自由に探究できるからだ。
4. しかし、便利なブランドには期待している
ハヴァス・ピープル(Havas People)によると、Z世代は、ブランドをコンセプトとして評価する初めての世代だ。この世代は、Googleのような、便利なサービスを提供するブランドの利点に注目する。高年齢のZ世代を含む18歳以上を対象にしたコムスコアの最新モバイルリポートでも、ブランドのアプリをダウンロードするのは嫌がるが、スターバックスコーヒーのように、日常の習慣に組み込まれたものならダウンロードを厭わないことが明らかになっている。
ブランド化された絵文字キーボードを提供する会社、スウィフトメディア(Swift Media)の共同創設者であるエヴァン・レイ氏は、こう指摘する。「モバイルとともに育ってきたので、従来型のモバイル広告には免疫がある。Z世代は経験を評価する。マーケターは、従来の戦略にとらわれない考え方で、彼らの注意を惹く必要がある」。
5. オーディオが復活
Z世代とミレニアル世代に共通する1つの特徴は、音楽、ポッドキャスト、コンサートなど、オーディオを大量に消費する点だ。オーディオを利用してこの世代に触手を伸ばすマーケターが勝者になるだろう、とアイハート・メディアのトロバーマンCMOは語っている。
Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)
photo by Thinkstock / Getty Images