eコマースはますます成長しているが、課題も増えている。小売業者たちは、競争の非常に激しいオンライン環境において、顧客のエンゲージメントを高め、売上を伸ばす必要があるのだ。
ここで重要なのが、過去およびリアルタイムのデータだ。そして、現在はこれまでになくデータが大量に存在するが、問題は、ほとんどの小売業者がデータを適切に使っていないことだ。
この記事では、eコマース業者がほかにどのようなことを心に留めておくべきかについて、5つのグラフを用いて説明しよう。
eコマースはますます成長しているが、課題も増えている。小売業者たちは、競争の非常に激しいオンライン環境において、顧客のエンゲージメントを高め、売上を伸ばす必要があるのだ。
ここで重要なのが、過去およびリアルタイムのデータだ。そして、現在はこれまでになくデータが大量に存在するが、問題は、ほとんどの小売業者がデータを適切に使っていないことだ。
「ビッグデータを大量に集めることは誰もが得意としているが、そのデータを実際に顧客のショッピング体験を向上させるために使っている小売業者はほとんどない」と、レイザーフィッシュ(Razorfish)でコマース戦略担当シニアバイスプレジデントを務めるジェイソン・ゴールドバーグ氏は指摘する。「実行しているかどうかが、トップのeコマース企業とほかの企業の分かれ目なのだ」。
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小売業者は、モバイルリターゲティングを活用し、パーソナライゼーションを強化しなければならない、とゴールドバーグ氏は語る。それによって、アプリ内で継続的なエンゲージメントと購入活動を促すことができるのだ。また、最終的に、高度に差別化された製品体験やブランド体験を提供する手助けにもなる。
この記事では、eコマース業者がほかにどのようなことを心に留めておくべきかについて、5つのグラフを用いて説明しよう。
1. リピート客を犠牲にせずに、新規顧客を開拓せよ
eコマースのトップ企業は、ロイヤリティの高い顧客基盤の価値を理解している。エクスペリエンス・マーケティング・プラットフォームを手がける企業マネテート(Monetate)が最近実施した調査によると、リピート客は新規顧客と比べて、カートに商品を入れる確率がおよそ2倍になるという。2015年第4四半期には、リピート客のオンライン購入額が53億ドル(約5764億円)近くあったのに対し、新規顧客は27億ドル(約2936億円)にとどまった。
2. モバイル購入の主役はスマートフォン
スマートフォンは現在、モバイル購入全体の60%以上で使用されており、2015年第4四半期には前年同期比で15%の伸びを示したと、クリテオ(Criteo)は最近の調査で報告している。さらにこの調査によれば、デバイスをまたいだ購入の4割近くにおいて、モバイルでのブラウジング操作がある段階で行われていたという。
「モバイルは成長を続けており、その影響は拡大し続けている」とゴールドバーグ氏は言う。「だが、eコマース全体では、モバイルがまだ最大のチャネルになっていないことは覚えておくべき重要な点だ」。
3. 賭けるべきは、モバイルサイトよりモバイルアプリ
専用のモバイルショッピングアプリは、モバイルサイトと比べてコンバージョンが高くなるだけでなく、平均注文価格も上昇する。フルーエント(Fluent)によれば、2015年にスマートフォンでeコマースを利用して買い物をした37%の米国人のうち、56.7%がモバイルアプリを使って買い物をしたという(モバイルサイトを使った人は43.3%だった)。この理由は、アプリの方がよりネイティブでパーソナライズされた環境を提供し、購入に至る経路を管理できるからだと見られる。
「ここで注意すべきなのは、(eコマース企業の)アプリをわざわざダウンロードし、それを使って買い物をしてくれるのは、その企業の得意客だけということだ」とゴールドバーグ氏は指摘する。「新規顧客を狙う手段として、モバイルサイトを見過ごすことがないように注意をしておきたい」。
4. 重要なのは「スピード、使いやすさ、セキュリティ」
顧客のモバイルショッピング体験を向上させるために、ブランドや小売業者は、スピードを上げること(21.6%)、使い勝手を良くすること(16.6%)、そしてセキュリティを高めること(16.1%)を優先すべきだ。ただし、フルーエントが最近実施した調査によれば、男性はセキュリティより使いやすさを重視するのに対し、女性は使いやすさよりセキュリティを選んだ。また、世代別に見ると、若い世代はスピードを好むのに対し、年齢の高い世代はセキュリテイを重視したという。
5. もっとも成長したのは健康美容分野
モバイルはショッピングの拡大に欠かせないチャネルとして存在感を増しているが、その成長は、一部の分野がほかを圧倒している状況だ。大規模小売業者と、ファッションやラグジュアリーグッズを扱う小売業者は、以前からeコマースで人気を集めているが、2015年にもっとも販売額を増やしたのは、38%増を記録した健康美容製品を扱う小売業者だ。ホーム用品がその後に続いている。
Tanya Dua(原文 / 訳:ガリレオ)
Image via Thinkstock / Getty Images