デジタル・マーケティングを変えるテクノロジーをわかりやすく説明する「一問一答」シリーズ。今回のテーマは「サードパーティーデータ」です。
「データがすべて」とまで言われるオンライン広告。適切なユーザーに適切なタイミングで広告やお買い得情報を届けるため、ファーストパーティーデータ、サードパーティーデータ、さらにはセカンドパーティーデータまでもが使われています。
これらがそれぞれどんなデータを指しているのか、一問一答形式で紐解いていきましょう。
デジタルマーケティングを支えるテクノロジーをわかりやすく説明する「一問一答」シリーズ。今回のテーマは「サードパーティーデータ」です。
「データがすべて」とまで言われるオンライン広告。適切なユーザーに適切なタイミングで広告やお買い得情報を届けるため、ファーストパーティーデータ、サードパーティーデータ、さらにはセカンドパーティーデータまでもが使われています。
これらがそれぞれどんなデータを指しているのか、一問一答形式で紐解いていきましょう。
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みんなが言っている「サードパーティーデータ」とは、一体何でしょうか?
ちょっと待ってください。これはアドテクノロジーの話です。簡単にはいきません。まずは、ファーストパーティーデータから説明しましょう。ファーストパーティーデータとは、広告主またはパブリッシャーが、消費者との直接の関係を通じて収集した、あらゆる情報を指します。つまり、ファーストパーティーデータには、「広告主ファーストパーティーデータ」と「パブリッシャー・ファーストパーティーデータ」の2種類があるわけです。
えっと…もっと具体的にお願いします。
広告主ファーストパーティーデータというのは、顧客のメールアドレス、購入履歴、サイト上での行動記録などです。たとえばAmazonは、ファーストパーティーデータを利用して、ユーザーが購入しそうな商品をサイトのトップページに表示していますが、その情報は、インターネット上のほかの場所でも、広告のターゲティングやパーソナライゼーションに利用することができます。
一方、パブリッシャー・ファーストパーティーデータは、そのパブリッシャーが運営しているさまざまなサイトから収集したユーザーの行動情報から構成されており、それをもとに広告主の利益になるように広告のターゲティングが行われます。たとえば、あるサイトのテクノロジー関連ページを定期的に訪問しているユーザーなら、エレクトロニクス関係の広告をよく見てくれると考えられますよね。
「ファーストパーティーデータ」だけで2種類って、混乱しませんか?
そこがややこしいところです。広告主や代理店、ベンダーが「ファーストパーティーデータ」と言うとき、普通は広告主のデータを指します。しかし、パブリッシャーの言う「ファーストパーティーデータ」は、自社が所有しているデータを指すこともあります。簡単に区別したければ、「パブリッシャーデータ」または「広告主データ」と呼び分けるのがいいでしょう。
ちなみに「サードパーティーデータ」の話、忘れてません?
「サードパーティーデータ」とは、消費者と直接の関係を持たない主体によって収集された情報のことです。つまり、先ほど説明した「ファーストパーティーデータ」でないものは、基本的にすべて「サードパーティーデータ」です。
たとえば、「サードパーティーデータ」のプロバイダーは、複数のパブリッシャーにお金を払ってビジター情報を収集させ、それを利用して、Web上を動き回るユーザーの関心や行動について、詳細なプロフィールを構築します。こうして得られた情報は広告主に販売され、広告主はそれを使って広告枠購入のターゲティングを行うわけです。
そのデータは、実際にはどう使われているのでしょうか?
マーケターが「ファーストパーティーデータ」や「サードパーティーデータ」と言うとき、普通は広告やお買い得情報のターゲットを絞ったり、パーソナライズしたりするのに使える情報のことを指しています。これは多くの場合、特定のユーザーをターゲットとして追跡可能な、cookie情報という形をとります。こうしたデータは、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)に組み込まれ、アドエクスチェンジからどの広告インプレッションを購入すべきかの判断を支援します。
それで、ファーストとサードは、どっちがいいのでしょうか?
一般的には、「ファーストパーティーデータ」の方が「サードパーティーデータ」よりも強力だとされています。正確さで勝ることが多く、無料だからです。どんな広告主も、ちゃんとしたメカニズムさえあれば、自社サイトと消費者からデータを収集することができます。それに対して「サードパーティーデータ」は、たいていライセンス制で有料です。
「セカンドパーティーデータ」というのは、どこで出てくるのですか?
「セカンドパーティーデータ」は、最近になって生まれた概念で、ファーストパーティー同士がデータをやりとりする場合に使われます。たとえば、P&Gのような大きな広告主が大手パブリッシャーと契約し、パブリッシャーのオーディエンス情報へのアクセス権を獲得することがあります。
P&G側から見ると、その情報は自前で収集したものではないので、「ファーストパーティーデータ」ではありません。けれども、多種多様なサイトからかき集めたものでもないので、「サードパーティーデータ」とも違うのです。
「サードパーティーデータ」を収集して販売しているのは、どんな企業?
たくさんあります。いくつか例を挙げると、Acxiom 、Bluekai 、Lotame 、Datalogix 、Experian 、TruSignal 、Alliant Studios 、IXI Services 、comScoreなどです。
興味深いお話でした。でも、本物のパーティーの話かと思っていましたよ。
すみませんね、これはアドテクノロジーの話なので。
Jack Marshall (原文/ 訳:ガリレオ)
photo by Thinkstock / Getty Images