いまなおテレビは、王者としてその座を保っているが、それも長くはなさそうだ。
メディアエージェンシーのゼニス(Zenith)が7月19日にリリースした最新調査レポートによると、テレビは現在、もっとも有力な広告メディアであり、2015年における世界広告支出の37%を占めたという。インターネットは僅差の2位で、シェアは30%だった。ただし、両者の成長ペースは大きく異なることを、このレポートは示している。
いまなおテレビは、王者としてその座を保っているが、それも長くはなさそうだ。
メディアエージェンシーのゼニス(Zenith)が7月19日にリリースした最新調査レポートによると、テレビは現在、もっとも有力な広告メディアであり、2015年における世界広告支出の37%を占めたという。インターネットは僅差の2位で、シェアは30%だった。ただし、両者の成長ペースは大きく異なることを、このレポートは示している。
「テレビ広告への支出はほとんど増加していない(昨年は0.4%の増加)」と、ゼニスで予測担当責任者を務めるジョナサン・バーナード氏は語る。「インターネット広告は急速に伸びているが、これにはモバイル技術の普及と、オンライン動画およびソーシャルメディアの人気の高まりが貢献している」。
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同レポートは、2017年にはインターネットのシェアが36%になり、35%のテレビを抜いてもっとも有力な広告メディアになると予測している。
世界の広告支出におけるインターネット広告のシェアは、過去10年で大幅に伸び、2005年の6%から2015年の30%へと増えた。この急増は、人々のメディア消費習慣における変化を反映している。こうした変化は、テレビ、新聞、ラジオといった従来型のメディアから、デスクトップとモバイルを含むオンラインへの移行を伴うものだ。
米国における2016年の広告支出に関しては、クロスプラットフォーム(テレビと動画)のキャンペーンへの移行が一層進み、オンライン動画広告への支出が20%増加すると、同レポートは予測している。
「多くの市場で一般的になりつつあるブランド各社の認識は、オンライン動画を、従来型のテレビと競合するのではなく、補完する存在として扱うべき、というものだ」とバーナード氏は指摘する。若く高収入の消費者を対象とする場合は特に、動画はテレビキャンペーンのリーチを一層伸ばす働きをする。
ただし、比較的小規模の市場で散見されるような、各種プラットフォームで同じコンテンツを流すだけのやり方ではいけない、とバーナード氏は釘を刺す。「オンライン動画広告は通常、従来のような30秒のものよりも短くすると、効果が向上する」。
ゼニスのレポートによると、ソーシャルメディアを含むオンライン動画は、モバイルユーザーにとりわけ嫌われている従来型のバナー広告から、市場シェアを急速に奪っているという。ただし、広告主が2016年に注力すべきポイントは、Snapchat(スナップチャット)やFacebookのようなプラットフォームにおけるオンライン動画のフォーマットと有効性を見極めることだ。
同レポートによると、Facebookは広告支出におけるシェアを伸ばしている。その効果で、ソーシャルメディアへの広告支出は2016年に27%増、2017年にはさらに20%増となると予測されている。
モバイル広告が急激に増えているが、あと数年は引き続き、デスクトップがモバイルを支出額で上回ると、同レポートは予測している。
Jemma Brackebush (原文 / 訳:ガリレオ)