ポール・マーカム氏は、WWP、デイリー・メール(The Daily Mail)、Snap(Snapchatの親会社)の3社が合弁して設立したエージェンシー、トリュフ・ピッグ(Truffle Pig)のプレジデント。Snapchatは、GoogleとFacebookの2社独占状態を打ち破る可能性を秘めると語る。
2017年の最初の1カ月の動きから見えてきたもの。それは今後、あらゆる人の目が、Snapchat(スナップチャット)の親会社であるSnap(スナップ)に注がれるだろうということだ。その話題性にふさわしいだけの価値があるかどうか、誰もが確かめたいと思っている。
そのSnap関係者のひとりが、ポール・マーカム氏だ。彼は、WWP、デイリー・メール(The Daily Mail)、そしてSnapの3社が合弁企業として設立したコンテンツマーケティングエージェンシー、トリュフ・ピッグ(Truffle Pig)のプレジデントを務めている。GoogleとFacebookがデジタル広告市場を完全に支配しているいま、Snapchatはこの2社の「デュオポリー(2社独占)」を打ち破る、新たなソーシャルプラットフォームになる可能性を秘めているとマーカム氏はいう。
「業界はSnapchatに第三の勢力になってもらいたいと思っている。そう思わない人などいるだろうか」と、マーカム氏は2月1日に公開されたDIGIDAYポッドキャストのエピソードで述べている。「ほかの人たちが真似るに違いない新たな経験を作り出すという点で、また大規模で効果的なリーチを生み出せるという点で、成果を上げる可能性が高い」。
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トリュフ・ピッグは、2015年のカンヌライオンズで会社の設立を発表して以来、全米で20名の従業員を抱えるまでに成長した。NBCユニバーサル(NBCUniversal)やペイパル(PayPal)など、さまざまなクライアント向けのソーシャルキャンペーンを担当。また、同社が手がけるキャンペーンの60%はSnapchat向けだが、Facebookのライブ動画やインスタグラムなど、ほかのプラットフォームやフォーマット向けのコンテンツも作成する。
そのほかに今回のエピソードで語られた主な内容を、彼の言葉で、以下に紹介しよう。ただし、わかりやすさのために編集を若干加えている。
Snapは干渉しない投資家だ
今年、エヴァン(Snap創業者のエヴァン・スピーゲル氏)には、トリュフ・ピッグよりも優先すべきものが出てくるのではないかと思っている。我々は、広告販売やクリエイティブ戦略の担当者たちと一緒に仕事をするなかで、クライアントが何を求めているのか、そのためのチャンスがどこにあるのかを見極めている。(中略)私は、あらゆるパートナーのロードマップに対して、また広告主やクライアントが進出を希望するあらゆる場所について、オープンな見方をしたいと考えている。我々の方から干渉することはない。そうは言っても、クライアントとユーザー双方にとって、プラットフォーム上で何がうまくいくのかを見ている。細心の注意を払っていれば、トレンドがどこに向かい、そのトレンドを追うにはどうすればよいのかが見えてくる。
Snapchatのオーディエンスは増え続けているが、それはおそらく若いユーザーではない
私は世代別の普及率を示すデータをチェックしている。若いオーディエンスの間で伸び率がおそらくトップになっているのは、Snapchatがその世代からはじまったことを考えれば当然だ。だが、もっと上の世代でもユーザーの増加が続いている。そしてもちろん、世界的にも成長している。(デイリーユーザー数が)1億5000万人という数値データしかないが、ほかの地域でも成長が起こっているのは間違いない。
Snapchatユーザーはブランドコンテンツを見る可能性が5倍~10倍高い
エンゲージメント率は、我々が一緒に仕事をしているほぼすべてのコンテンツパートナーで、我々のほうが他社より高い。リーチのみの話であるかどうかはともかく、Snapchatのプラットフォームでオーディエンスを増やすのが難しいからといって、コンテンツを実際に視聴してくれるオーディエンスの割合をコントロールできるアルゴリズムは存在しないからだ。アクセス率についても、ほかのプラットフォームよりも高くなることが多い。視聴完了率では、Snapchatのストーリーを最後まで視聴するユーザーは、ほかのプラットフォームよりはるかに多い。オーガニックについていえば、この2つの割合はほかのプラットフォームが提供している機会と比べてはるかに高いことが、実際にわかっている。
FacebookがSnapchatを切り崩せていないのは、Snapchatのオーディエンスのロイヤルティが高いから
この点について、私は次のようにいいたい。いま存在する若い世代のオーディエンスがSnapchatに忠誠心を抱いているなら、彼らは大人になってもSnapchatを使うだろう。Facebookアカウントをもったとしても、最優先で使うアプリにはおそらくならない。このことに目を向け、またSnapchatが現在獲得しているリーダーとしての地位を考えれば、Snapchatが何らかの形でトップの座を明け渡したり、トップから脱落したりすると考えるのは馬鹿げていると思う。
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Sahil Patel(原文 / 訳:ガリレオ)