バイヤーたちは今、Facebookへの不満を再び口にしている。それも当然だ。Facebookの製品管理責任者ロブ・レザーン氏は、Facebookのバックエンドに技術的な問題が発生し、一部の広告と広告アカウントが11月5日に「誤って無効化」されたとツイート。その後、問題は解決済みだと、同氏は補足している。
独創的な名作映画『恋はデジャ・ブ(原題:Groundhog Day)』で、ビル・マーレイ演じるフィル・コナーズは同じ日を何度も繰り返していた。そして、唯一コントロール可能なことである行動の変化を起こし、ついに新しい日を迎えた。Facebookの広告マネージャの問題に繰り返し、対応しているメディアバイヤーも、コナーズのようなアプローチを検討した方がいいかもしれない。
少し強引なたとえだが、言いたいことはわかるだろう。バイヤーたちは今、Facebookへの不満を再び口にしている。それも当然だ。Facebookの製品管理責任者ロブ・レザーン氏は、Facebookのバックエンドに技術的な問題が発生し、一部の広告と広告アカウントが11月5日に「誤って無効化」されたとツイート。その後、問題は解決済みだと、同氏は補足している。しかし、バイヤーは混乱に陥った。広告を復元し、Facebookのバックエンドで再び「学習フェーズ」を経る必要があるためだ。
ピクセルフィード・メディア(PixlFeed Media)のCEO、クリスチャン・ラブレシッチ氏は「単純に何かがアルゴリズムを作動させるという理由で、広告アカウントとビジネスマネージャがランダムに無効化される」と話す。「選挙(広告)が終了すれば、すべて改善されると考えていたが、数日たってもまだ続いている。あれで終わるわけではなかったようだ」。
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11月最終週に2年連続で問題発生
もちろん、バイヤーが広告マネージャの問題に直面したのはこれが初めてではない。この数カ月だけで、ターゲティング機能に関連したプラットフォームのアップデートと新デザインが問題を引き起こした。そして、ブラックフライデーとサイバーマンデーを前に、既視感を覚えているバイヤーもいるかもしれない。この期間に2年連続で広告マネージャの問題が発生しているためだ。
匿名希望のメディアバイヤーは広告マネージャの現在の問題について、「これが普通であり、決して例外ではない」と語った。「壊れることを前提に計画を立てるべきだ(実際そうしている)。壊れることを前提に戦略と業務を設定しなければならない」。
一部のバイヤーは広告マネージャに関する行動を変え始めている。エラーは突然生じるものだと考え、対応の時間を余分に取っているバイヤーもいれば、クライアントに多様化の必要性を伝え、ほかのプラットフォームへの支出を増やすよう勧めているバイヤーもいる。しかし、たとえ問題があっても、Facebookのパフォーマンスはライバルより高いという現実がある。
アクバタイズ(AKvertise)のプレジデント、アクビル・デファジオ氏は「広告主もクライアントももっと多様化してほしい」と話す。「しかし、Facebookの広告ネットワークは巨大で比較的安く、正しく活用すれば素晴らしい結果をもたらしてくれる。金の手錠を掛けられているような感じだ」。
D2C企業は、早めに広告を掲載すべき
前述の匿名希望のメディアバイヤーは、第4四半期の目標を達成するため、Facebookにホリデーセールの広告を出すD2C(Direct-to-Consumer)ブランドは特に、早めに広告を掲載すべきだと強調する。もし問題が起きれば、「望む成果が得られない恐れがある」ためだ。
たとえ問題に備えても、バックエンドのエラーに起因するパフォーマンスの低下が現実になれば、クライアントはパフォーマンスの低下のみを認識するとバイヤーたちは口をそろえる。
あるクライアントのため、「100万ドルの目標を設定したとしよう」と前述のバイヤーは前置きし、「結果が95万ドルだった場合、CFOやCEOが月末に、『Facebookが24ヒットでダウンし、学習フェーズがリセットされた。復旧に時間がかかり、エージェンシーは問題に対処していた。5万ドル足りないのはそのためだ。問題ない!』ということはない」と語る。
バイヤーにとって、歩むべき道はやはり、Facebookにはエラーが付きもので、多様化または広告掲載の前倒しによって備える必要があると認めることだろう。そうしなければ、『恋はデジャ・ブ』のように、同じ日が延々と繰り返されることになる羽目に陥る。
KRISTINA MONLLOS(翻訳:米井香織/ガリレオ、編集:長田真)