ホリデーパーティの季節がやってきた。だが、ブレイクスルー感染が急増し、オミクロン株の脅威が迫るなか、今年エージェンシーは職場でのホリデーパーティに、普段とは少し異なる形で臨んでいる。
ホリデーパーティの季節がやってきた。だが、ブレイクスルー感染が急増し、オミクロン株の脅威が迫るなか、今年エージェンシーは職場でのホリデーパーティに、普段とは少し異なる形で臨んでいる。
2020年は、ロックダウン、マスク着用の広がり、ソーシャルディスタンスへの意識の高まりにより、大量の酒と浪費で悪名高い広告業界のパーティは、ほとんどが中止に追い込まれた。一部のエージェンシー幹部は、Zoomで小規模な集まりを開き、社員の自宅にケアパッケージを届け、あるいは追加の休暇を与えた。オミクロン株により新規感染者が増加するなか、今年のパーティも、その多くは昨年のスタイルを踏襲している。
一方で、ワクチン接種とブースター接種が米国で広く普及していることから、対面のパーティを復活させたエージェンシーも見られている。
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いまは踊るべきとき
たとえば、カリフォルニアに拠点を置くメディアエージェンシーのエクスベラスメディア(Exverus Media)は、今年のホリデーシーズンを大々的に祝った。あるチームはボウリング場のラッキーストライク(Lucky Strike)に出かけた(会場内ではマスクの着用とワクチン接種証明の提示が必須だった)。また、別のチームのイベントは、ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド(Universal Studios Hollywood)で開催され、社員たちは屋外でソーシャルディスタンスを維持しつつ楽しんだという。
「我々の今年の目標は、チームのリモートワーカーや新規採用者と同じ部屋で、2日以上一緒に過ごすことがないなかで、コミュニティの構築に努めることだった」と、エクスベラスメディアの創業者でマネージングディレクターでもあるビル・デュラント氏は、米DIGIDAYのメール取材に答えた。「この取り組みにはバランス感覚が必要であり、我々はほぼ、毎時間モニタリングを行なっている」。
ニューヨークでは、クリエイティブ企業のトゥルースコレクティブ(Truth Collective)が、2022年1月にブースターを含めたワクチン接種済みの社員を集めてパーティを開催する予定であることを、同社の共同創業者でCEOであるボブ・ベイリー氏が明かした。ただし、現状に輪をかけて感染者数が急増するようであれば、同社はその開催可否を再検討するつもりであるという。
「オミクロン株の波がこの地域にも押し寄せるようであれば、考え直す可能性はある」とベイリー氏。「だが現段階では、偉大なレン・マコーミック(映画『フットルース』の主人公)のアドバイスにならっている。『笑うべきときも、泣くべきときも、悲しむべきときも、踊るべきときもある。いまは踊るべきときだ』」。
一方ではためらいも
しかし、ワクチン接種とブースター接種が容易に受けられるようになったいまも、多くの業界幹部は対面イベントを完全復活させることをためらっている。世界的なメディアエージェンシーであるウェーブメーカー(Wavemaker)、メディアコム(Mediacom)、マインドシェア(Mindshare)は、対面、またはオンラインでの小規模なホリデーパーティを開催するための予算を各チームに提供し、R/GAも同様の取り組みを行った。一方、VMLY&Rはバーチャルホリデーパーティに加え、社員にケアパッケージを送る方法を選んだ。
メディア企業のレイザーフィッシュ(Razorfish)、パフォーマンスマーケティングエージェンシーのティヌイティ(Tinuiti)は、いずれも対面イベントを見送り、バーチャルイベントを開催した。
「我々は、成功を対面で祝う日が来ることを心待ちにしているが、再びコロナ禍の冬を乗り切ろうとするなかで、人々の安全と安心を尊重し、今回はバーチャル開催という形になった」と、レイザーフィッシュのコミュニケーション責任者、デビッド・ラバー氏はメール取材で述べた。
[原文:‘This is our time to dance’: How agencies are celebrating the holidays in a new wave of the pandemic]
KIMEKO MCCOY(翻訳:的場知之/ガリレオ、編集:村上莞)