オフィスワークにミーティングはつきものだ。エージェンシーでは1日の大部分をミーティングにとられてしまうこともある。英DIGIDAYでは、イギリスのエージェンシーのエグゼクティブにアンケートを実施。そこで、ミーティングを非生産的にしてしまう厄介な参加者をリストアップしてみた。
オフィスワークにミーティングはつきものだ。エージェンシーでは1日の大部分をミーティングにとられてしまうこともある。
英DIGIDAYでは、イギリスのエージェンシーのエグゼクティブにアンケートを実施。そこで、ミーティングを非生産的にしてしまう厄介な参加者をリストアップしてみた。
もしかしたら、読者にも当てはまるキャラクターがあるかもしれない。
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1. 用語オタク(The jargonist)
広告業界はそもそも業界用語にあふれている。非生産的に業界用語を多用して周りの人間の時間を無駄使いする人は多い。流行りの言葉を使って自分が専門家であるかのようにアピールをするのが目的であって、ビジネスのためではない。またこういった用語は誰が自分側の人間で、誰がそうでないかを見極めるのにも使われてしまう。
エージェンシー、スタック(Stack)のCEO、ベン・スティーブンス氏にとって、こういったオフィスでの意味のない業界表現はイラっとさせられる原因になっている。彼にとって、「リーチアウトする(働きかける)」という表現は、アメリカでいうところの「私はあなたに売りつけることができる」のニュアンスがあり嫌気がする言葉遣いらしい。
また、用語オタクとは似て非なるものとして、単語の発音を間違える人たちがいる。「『Magento(世界3大eコマースプラットフォームのひとつ)』は、マジェンタでもないし、マグニートでもなくて、マジェントなんだ」と、例をあげて解説してくれたのは東京のプロダクション責任者であるクリス・ドルーリー氏だ。
2. 悪魔の代弁者(The devil’s advocate)
ジェリーフィッシュ(Jellyfish)のCEOであるロブ・ピエール氏によると、どんなときも逆の意見をいう人物というのがたまにいる。たとえ、その反対意見がどれだけバカバカしくても。そうすることで参加している気分になるのだという。「本当は私と同意見ということは分かっているのだけれど、相手はとにかく何か発言したいんだ」と、ピエール氏は説明した。
3. ガジェット中毒(The gadget addict)
どんなエージェンシーでも等しく嫌われているのがガジェット中毒だ。もしアナタがこの記事をまさにミーティング中にiPhoneで読んでいたら、アナタはガジェット中毒である。彼らは周りの人間をイライラさせるが、そのレベルには大きな幅がある。ミーティング中にスマホを下向きで机の上に置く、という振る舞いからバレないようにタブレットでパズルゲームをやりながら、腕のApple Watchが常に何かを通知しているというレベルまで、さまざまだ。
「私の観察では、彼らはガジェットにへその緒がくっついているかのように離れられなくなっていて、とにかく起きているあいだは1秒も休むことなく必死に文字を入力しているんだ」と、デューク(Duke)のニール・ヒューストンCEOは述べた。
「社内ミーティングであれ、クライアントとのミーティングであれ、参加者の注目は部屋にいる人々に向けられるべきだ。自分のガジェットのスクリーンではない。何をしているにしても、ミーティングの後にすることができる」と、アンケートに回答したのは、また別のエグゼクティブのひとりだ。
4. コントローラー(The controller)
コントローラーたちは自分たちの都合に合わせてミーティングの時間をズラす人たちだ。しかも自分が担当としているミーティングでなくても時間を変えてしまうことがある。自分よりもうえの役職のミーティング参加者たちよりも、先に急いでミーティングから立ち去ってしまうことも。「誰だってやらないといけない仕事はある。自分の時間の方が他人の時間よりも重要だと示唆することはちょっと失礼だ」とは、匿名希望のエグゼクティブの回答。
5. 溜め込み屋(The hoarder)
まるでこれからキャンプに行くかのように、カプチーノの入ったカップ、水、お菓子、そして何種類もの文房具をたった10分のミーティングに持ってくるようなミーティング参加者が溜め込み屋だ。
プソナ(Psona)のCEO、フィオナ・スコット氏は「こういった行動は見直すべきだ。それかナップサックでも携帯する必要があるだろう」といった。
6. 中断機(The interruptor)
中断機は人の発言を中断してしまう。ため息をついて中断させるかもしれないし、手を挙げるかもしれない。人の発言の流れを打ち切るようなタイミングで相槌を打つ人もいる。
ボーン・ソーシャル(Born Social)の戦略ディレクター、カルム・マッカホン氏は「(中断機は)人の話を全然聞いていない。彼らはこれから自分が述べる意見を頭のなかで推敲するのに集中しているからだ」。
6. 責任逃れ(The shirker)
責任逃れはミーティングに準備をして参加をするということをしない。それでもミーティングに入ってくるなり「よし、このクライアント案件の2017年の戦略はどうしたらいいかな?」と、威勢よくほかの参加者に質問をしたりする。彼ら自身のアイデアは何か、聞き出すのは至難の業だ。
8. オウム(The parrot)
この種類の人間は、とにかくほかの人のアイデアや主張を繰り返す癖がある。しかし、微妙に自分のアイデアのように表現を変えている。
9. 謎のゲスト(The mystery guest)
ミーティングを運営していると遭遇するのがこちら。参加者の名前とミーティング参加の理由はすべて把握したはずなのに、なぜかミーティングに出席している謎の人物。一体誰でなぜミーティングの場にいるのかが分からない。しかし、全員の前で尋ねることはとてもできない。名前を呼ばなくてもすむように祈るしかない。
Grace Caffyn(原文 / 訳:塚本 紺)