新入社員「ウェルカムキット」、英エージェンシー10選:どの会社に入社したい?

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新入社員対してにいい印象を与えるためなら、エージェンシーは努力を惜しまずになんでもやる。つまるところ、業界は慢性的に人材不足に悩まされているのだ

エージェンシーは、ウェルカムキットに企業文化を反映するよう、そして新人たちができるだけスムーズに「新しい家族」として会社に慣れて溶け込めるように、慎重に選び抜いたメッセージやアイテムを詰めこんでいる。

米DIGIDAYは2016年1月、米国のエージェンシーが用意しているウェルカムキットのなかから、我々のお気に入りのいくつかを紹介する記事を掲載した。今回は、英国のエージェンシー数社が提供するトップクラスのウェルカムキットを紹介する。

M&C Saatchi / M&Cサーチ

M&Cサーチは、創業10周年を記念して、その年の新人、一人ひとりに向けて限定ボックスを注文した。創業以来の伝統がさらに続いていくことを願い、箱のなかには「大胆」「オリジナル」「楽しい」「持続」「好奇心」「多様性」「率直」という同社のコアバリューを象徴する7つのアイテムが入っている。

具体的には、携帯カメラ用三脚(楽しい)、粘土(オリジナル)、植物栽培キット(持続)、多機種対応の充電器(多様性)、トランプ(大胆)、カスタマイズされた地元の地図(好奇心)、モバイル用語集(率直)がその中身だ。

ボックスにはほかにも、チームがよく行く地元のお気に入りのスポットを手描きした地図も入っている。

Karmarama / カーマラマ

カーマラマは、社内に息苦しい雰囲気が入り込まないよう心がけている。新人は初出勤の日に、全社員が集まる朝礼の場で失敗談をするよう要求される。同社はこの伝統について、最初は残酷なように受け止められるかもしれないと認める。ただし、月曜の朝に誰もが笑って明るい気持ちになるし、入社した全員が経験することなので、結局は公平だとしている。

入社早々に衆目のなかで笑われる洗礼を和らげるため、お楽しみが詰まった箱が新人には渡される。なかにはマグカップ、お菓子の袋、無料コーヒー券、無料昼食券が入っていて、歓迎の風船もついている。

R/GA / アール・ジーエー

アール・ジーエーロンドンに入社した新人は、楽しいプレゼントのほかに、仕事に直結する贈り物も手にする。新入社員の初出社の日、彼らは50ポンド(約6500円)分の「ナイキ(Nike)」の商品券と、ロンドンにあるナイキタウンで全品30%引きになるクーポン券をプレゼントされる。これも、ナイキがアール・ジーエーの大手顧客であるためだ。

また、初日の元気づけに濃いコーヒーをすぐ飲めるよう、キャラバン(Caravan)の無料コーヒー券を渡される。さらに、チョコレート、社名入りUSBメモリー、モレスキンのノートブック、メモ帳、ペンももらう。

初出社の前に、メールでリンク集が送られてくる。そのリンクではアール・ジーエーが取り上げられた記事と、業界のイノベーションをテーマにしたソートリーダー養成プログラム「フューチャービジョン(FutureVision)」を閲覧できる。オフィスに着くと、同プログラムの冊子もデスクの上に用意されている。

Essence / エッセンス

エッセンスが重視しているのは、新入社員たち(もちろん既存のスタッフたちも)が、社内で「エッセンシャル(欠かせない)」な人材とみなされることだ。

新人がすぐに職場に馴染むことを望んでいる同社では、出社初日に「海賊」が登場し、無料の戦利品を手渡す。

この海賊たちは、エッセンスの企業文化の維持と発展を担う社員で、新人が参加する最初のミーティングに同席する。新人は出社初日に、その季節にふさわしいグッズが入ったバッグを受け取る。たとえば夏なら、巾着型のバックパック、サングラス、水筒といった具合だ。

気温が下がる秋以降になると、バッグの中身は、同社特製ブランケットと「スウェル(S’well)」の魔法瓶に変わる。各オフィスで、現地仕様のバッグも選べる。ロンドンでは傘が、ニューヨークでは栓抜きが、そして東京ではヘッドホンがそれぞれのバッグに入っている。新人は第1週のあいだ、先輩社員からランチをおごってもらえ、エッセンスに「精通した」ガイドから、社内だけで通じる俗語や地元の特選スポットを教えてもらう。加えて、個別にカスタマイズされた研修プランも用意される。1週目には基礎知識を学び、1カ月目が終わるまでには一人前に業務をこなせるようになる。

360i / 360i

電通イージス・ネットワーク(Dentsu Aegis Network)傘下のデジタルエージェンシー、360iは、すべての新人の初出社の前に、「機敏に社内で働くためのセット」を手渡す。それには現実的な理由がある。360iのスタッフは90人だが、固定のデスクは60個しかない。そのほか残りのテーブルは、クライアントやほかの電通イージス系エージェンシーの関係者が訪ねてきたときに、すぐに明け渡す必要があるのだ。

「社内でのデスク争奪戦を避けるために、スタッフ全員が自分の仕事道具を持ち歩けるようにする必要がある」と、360iヨーロッパの業務責任者を務めるアマンダ・クァン氏は説明する。

新人に支給されるトートバッグのなかには、「Skype-for-Business」用のヘッドセット(固定電話回線は廃止されている)、ポータブルモバイル充電器、水筒が入っている。「シンプルで、実際に使いたいと思う物、業務を快適にするツールだけを渡している」とクァン氏は付け加えた。

J Walter Thompson / ジェイ・ウォルター・トンプソン

ジェイ・ウォルター・トンプソンの新人は、仕事をはじめる前に、同社になじむのに役立つアプリ「JWTオンボード・エクスプレス(JWT onBoard Express)」をダウンロードをするよう指示される。このアプリを使うと、ジェイ・ウォルター・トンプソンの全容を概観できる。具体的には、同社の沿革、社内のリソースおよびツールの詳細、各部署の統括者の配置と社内ネットワーク上のアドレスなどが含まれている。

初出勤の日には、新人のデスクの上に、瓶詰めの菓子と同社特製マグカップ、そして「可能性、勇気、協業、好奇心」という企業理念を表す、個人宛のポストカードが置かれる。

Steak / ステイク

ステイクは、新人が「集団の一員になった」と実感できるよう、入社を歓迎するトートバッグを贈り、初出社の日に持参するよう指示する。

「しゃれたトートバッグ」のなかには、革表紙のメモ帳、鉛筆、「ブルース・ザ・ブル(Bruce the Bull)」の限定版USBメモリー、同社マスコットの牛を模したストレスボール(上の画像にある紫色の牛)、ポータブルスピーカーが入っている。

TH_NK / シンク

デジタルエージェンシーのシンクに入社した新人は、初日に「バディ(相棒)」が割り当てられる。バディは新人をランチに誘い、部署の全員に紹介する。初出社した新人は、すぐにバディと一緒になるので、初日に社内のあちこちで感じがちな気恥ずかしさはないはずだ。

さらに、デスク上にもいくつかのプレゼントが用意されている。宛名入りの歓迎カード、社名入りのマグカップ、モレスキンのノートブック、社内ライブラリのすべてにアクセスできるAmazon Kindle(キンドル)、Amazonで書籍を無制限に利用できるKindle Unlimited(キンドル・アンリミテッド)アカウントなどだ。

23Red / トウェンティースリー・レッド

トウェンティースリー・レッドは、オフィスでの働き方や、業界・企業文化の核となる伝統についての基礎知識を新人に伝授する方法を考案した。新人は初日に「見習い生の挑戦(Probationers’ Challenge)」という冊子を渡され、研修期間の3カ月のあいだ、自社に関する50の質問に回答していく。

回答の大半は、ジェリービーンズと引き換えに同僚から聞き出せるが、同社のマスコット「雄鳥のロン(Ron the Rooster)」の裏話だけは、クリエイティブディレクターにバーで1杯おごらなければ教えてもらえない!

Zone / ゾーン

独立系エージェンシーのゾーンに入社した新人は、初日に菓子が詰まった瓶をもらえるほか、チーム全員が参加する歓迎昼食会が用意されている。そのうえ、入社から1カ月以内に、会長と2人で昼食をする機会も得られる。

ゾーンの新人にも、最初にバディが割り当てられ、挨拶をして回るのを助けてくれる。会長とのランチもまた、素晴らしい隠し芸として新人が大切にされていることを実感させる。会長は新人全員の名前を記憶していて、毎年恒例のクリスマスパーティーでは個別に感謝を伝える。これまでに覚えた新人たちの名前の記録としては、ある年に採用した96人全員だという。

Jessica Davies(原文 / 訳:ガリレオ)