ブランドは、インスタグラムやSnapchat(スナップチャット)でマーケティングを行うにあたり、インフルエンサーをさらに重視している。しかしこれは、多くの場合で膨大な時間がかかる方法だ。広告業界の他分野と同様に、自動化が求められている分野といえるだろう。
そして、インスタグラムやSnapchatのインフルエンサーとブランドの3者を統合させようとしているのが、テキサス州に拠点を構える新興エージェンシーのナック(Gnack)だ。先月開催されたSXSW2016における同社の発表によると、インスタグラムやSnapchatなど特定のプラットフォームで1万人ほどのフォロワーを有する「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる者たちから、ユーザー生成コンテンツをプログラマティックに購入できるようにしたという。
インスタグラムやSnapchat(スナップチャット)でマーケティングを行うにあたり、ブランドはインフルエンサーをさらに重視している。しかしこれは、多くの場合で膨大な時間がかかる方法だ。広告業界の他分野と同様に、自動化が求められている分野といえるだろう。
そして、インスタグラムやSnapchatのインフルエンサーとブランドの3者を統合させようとしているのが、テキサス州に拠点を構える新興エージェンシーのナック(Gnack)だ。先月開催されたSXSW2016における同社の発表によると、インスタグラムやSnapchatなど特定のプラットフォームで1万人ほどのフォロワーを有する「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる者たちから、ユーザー生成コンテンツをプログラマティックに購入できるようにしたという。
高いエンゲージメント率を誇る
ナックのプログラマティックバイイングを利用するには、キャンペーンの目的や協議価格、ターゲット層、利用するハッシュタグからインフルエンサーの人数まで、ブランドは事細かに入力しなければならない。一方で、インスタグラムやSnapchatのインフルエンサーたちはFacebookのアカウントでログインしなくてはならない制約もある(Facebookアカウントを有していない場合は、新規に作成する必要がある)。すると、システムが自動的にインフルエンサーたちのプロフィールとブランドを紐付けてくれる仕組みだ。
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「私たちはもともと、ソーシャルマーケティングエージェンシーであった。それまでは手作業でインフルエンサーとブランドを組み合わせていて、ひとつのキャンペーンを開始するまでに200時間以上かかっていた」と、ナックの共同設立者であり、最高売上責任者のチコ・ティラド氏は言う。「このため、私たちはブランドやエージェンシーのソーシャルキャンペーンの助けとなるプログラマティックプラットフォームを作りたかった」。
ブランドやエージェンシーはマイクロインフルエンサーたちの起用を考えた方が良いと、ティラド氏は提案している。数十万のフォロワーがいるわけではないが、インスタグラムやSnapchatにおいて高いエンゲージメント率を誇っているからだ。「それでも、彼らは少なくとも1万人ほどのフォロワーは持っている」と、彼は説明する。「『マイクロインフルエンサー』たちとコラボレーションすることにより、インスタグラムにおける1回の投稿あたり、3倍から5倍ほどエンゲージメント率が上昇する」。
活性化を促すプラットフォーム
ナックは、2015年Twitterが買収したニッチ(Niche)にもよく似ている。ニッチは、ブランドと動画共有サービスのインフルエンサーを仲介するアメリカの新興企業だ。また、ナックのプラットフォームは「Facebook Exchange」とも似ている。ブランドやエージェンシーのために媒体購入の工程をストリームライン化しているためだ。
しかし、ナックがこれらの広告プラットフォームと異なる点は、SnapchatやインスタグラムのAPIにアクセス権が無いという点である。このため、ブランド用の広告枠をプログラマティックに購入することができない。
「私たちは、どちらかというと活性化を促すプラットフォームだ」と、ティラド氏は言う。「私たちがユーザー生成コンテンツを重視する理由は、ミレニアル世代の30%以上が同世代によって生成されたコンテンツを消費しているからだ」。
ネスレとのテストも進行中
ソーシャルメディアへのプログラマティックが普及しない理由としては、Facebook、インスタグラムやSnapchatがデータを開示しないことが大きな要因となっている。
「多くのソーシャルデータが機密とされている。Facebookでは『Facebook Exchange』を通じてプログラマティックバイイングに関する限られたデータにアクセスすることはできるが、すべてのソーシャルデータをマーケターたちに提供しているわけではない」と、プログラマティックマーケティング企業プロマティカコンサルティングの社長であるジョー・ウィーバー氏はコメントした。
ナックのようなプラットフォームには、インスタグラムやSnapchatのデータにアクセスできる権限は無いが、それでもキャンペーンの準備など、時間を短縮させることはできる。ティラド氏は米DIGIDAYの取材に対し、まだ試験段階ではあるものの、ネスレ(Nestlé)とタッグを組み、100人以上のインスタグラムやSnapchatのインフルエンサーたちを動員したキャンペーンを計画していると明かしてくれた。
ナックは4月1日に、広告主を対象としたプログラマティックプラットフォームを正式にローンチしている。
Yuyu Chen(原文 / 訳:BIG ROMAN)