「わからないことが多すぎる」:透明性と内製化が プログラマティック マーケターの課題

プログラマティック広告は不透明だという評判を拭いさることができずにいるが、それは仕方がないことだ。プログラマティック広告は、広告主がそうであって欲しいと望むほどには透明性を確保できていない。

米DIGIDAYがテキサス州オースティンで開催した「プログラマティック・マーケティング・サミット(Programmatic Marketing Summit)」では、ブランドやエージェンシーの幹部たちが集まり、プログラマティックマーケターが直面している問題について議論した。そこで話し合われた内容をテーマごとにまとめて、ご紹介する。

以下がその一部だ。

デュオポリー(複占)の問題

「ブラウザも多くのデマンドサイドプラットフォーム(DSP)も何もかも、プライバシーを気にするようになっているなかで、Googleはすべてを所有しようとしている。2018年、我々にはパートナーが20社あったが、いまは5社になった。悪化の予兆はあった。プライバシーに関する問題が複雑化するにつれ、規模が大きいパートナーのほうが魅力的になる。何があろうと、Googleを通じて確実なインベントリー(在庫)を手に入れられるからだ。パートナー内にすべてを持っておけば、独自のデータセットはすべてそこに揃っているので、パートナーごとに違う戦略を管理するという心配をしなくていい」(マーケター)。

「我々エージェンシーにとっての懸念は、Facebookがプラットフォームを単純化して、誰でも使えるようにしてしまうことだ。そうすることがFacebookやGoogleの目標の一部であり、エージェンシーが必要とされるほど複雑にしたくないのだ。そうすれば、エージェンシーを排除して、直接ブランドとやりとりできる」(エージェンシー幹部)。

透明性の問題

「私が持っている疑問は、インプレッション単価(CPM)を示せば、サプライチェーン全体を真に表すことになるのか、という点だ」。

「少しずつ目が見開くようになってきたが、いまはまだ、モヤがかかったような状態だ」。

「箱を開けて、中身をさらけ出すべきだ。テーブルのうえに何もかも並べて、バイヤーがすべてを見られるようにすべきだ」。

第1の人物:「これが漏れ穴だらけのシステムだとバイヤーは知っているのか?」 / 第2の人物:「バイヤーがそれを気にしているか、のほうがより重要な問題だと思う」。

プライバシーの問題

「カスタマージャーニーのオーケストレーションを駄目にしてしまう。このプライバシーの世界に入り込むと、ファネルを完全に絞り込み、それを追跡し、何がコンバージョンにつながっているかを示すことができないだろう」。

「それはデジタルを、万人をターゲットにしなくてはいけないTVに変換するようなものだ」。

オークションの問題

「そもそも、オークションが実際に透明なものかどうかがわからない」。

「私が購入しているパブリッシャーのトップ50と、私が運営しているサプライサイドプラットフォーム(SSP)のリストを得て、その違いを確認すると、CPMが劇的に変わりうる」。

「ファーストプライスオークションやビッドシェーディングでは何が起きているのか? わからないことが多すぎる」。

DSPの問題

「ビッドシェーディングの登場で、デマンドサイドプラットフォーム(DSP)のブラックボックス化が近頃一層進んでいると思う」。

「DSPのなかには、入札のサブセットだけをSSPに渡すところがある」。

「(ひとつのDSPを利用することで)月並みな解決はできる。ひとつで何でもできるテクノロジーはないので、最善のテクノロジーを選択することを犠牲にすれば、ひとつのプラットフォームに落ち着くことはできる。それが解決にはなるが、オーダーメイドのソリューションと引き換えになる」。

コストの問題

「小規模のエージェンシーは、ログファイルの入手費用に驚く。ログファイルを受け取るだけに、かなりの料金を課すDSPもある」。

「小規模のエージェンシーは、ログファイルを見ることができるように、リソースを見つけることに苦労している。データを取得して、操作するためのリソースがない」。

関係性の問題

「自動化が最優先の時代には、すべては関係性に行き着く」。

「エージェンシーとパブリッシャーが関係を築き、それをブランドにまで逆流させ互いに理解できるようにすることは、とても難しい」。

「関係性は重要だが、関係性を築く作業は簡単ではない」。

インハウス化の問題

「1日の終わりには、彼らが戻ってくるかもしれないと期待を持つ。我々はまだここにいて、彼らが落ちたときに捕まえられるようにしている。利用するシステムに関しては考えることがたくさんある。このビジネスを売り込むとき、パートナーとして組むか、どこかヨソへ行くか、エージェンシーをまったく使わないかのいずれかだ」(エージェンシー幹部)。

「(エージェンシーが)得ているレートは、我々と比べると信じられないくらい低い。だがそれは、我々が現在支払っているものよりはるかに高い。大手のメディアバイイングエージェンシーが支払うであろうもののうえで我々が支払っている料金は(インハウス化による)節約より多いのか? 現時点では(インハウス化問題に対する)答えはノーだと思う」(マーケター)

DIGIDAY Editors(原文 / 訳:ガリレオ)