マーケティングオペレーションは、業界の「第三極」 になる

本記事は、日本におけるSNSマーケティングの第一人者であり、株式会社ラバブルマーケティンググループ(LMG)の代表取締役社長を務める林雅之氏による寄稿コラムです。

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マーケティングオペレーションの重要性が、かつてないほどに高まっています。

 

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これまで生活者と直接接点を持つことのなかったメーカーなども、さまざまなタッチポイントを通じて、直接生活者とやりとりをする時代になりました。そんななか、生活者とのコミュニケーションの最前線に立ち、日々コンテンツを発信したり、チューニングをしたりするのが、「マーケティングオペレーション」です。これは、小売業が重視する、接客サービスと同じような機能といえます。

このように説明すれば、マーケティングオペレーションの重要性を否定する人はほとんどいないと思います。しかしながら、わかっていることと、それに対応できることとは大きな隔たりがあり、それが業界全体の問題となっています。

ひとりでは立ち行かない

ひと言にマーケティングオペレーションといっても、多種多様です。SNSひとつとっても、Twitterやインスタグラム(Instagram)、FacebookやTikTok(ティックトック)など、仕様もユーザー属性も異なるさまざまなプラットフォームがあります。また、近年普及しはじめているMA(マーケティングオートメーション)ツールもグローバルなサービスからドメスティックなサービスまで、たくさんの選択肢があります。さらに、ECを実施している事業者であれば、そのオペレーションも必要となります。最近は企業の採用活動でも、Linkedin(リンクトイン)やWantedly(ウォンテッドリー)のようなプラットフォームを利用して自社のアカウントを運用したり、自社で採用サイトを立ち上げ、運用しています。

それぞれのプラットフォームは、日々変化をしていて、運用担当者はそうした変化に俊敏に対応していかなくてはいけません。また、そうした新しいテクノロジーやプラットフォームは、頻繁にバグが発生し、仕様変更することにも留意する必要があります。そのすべてに精通し、対応していくのは、非常に高度なことであり、ひとりの運用担当者に対応を求めるにはあまりに酷な状況です。

仮に素晴らしい人と出会い、採用できたとします。あるいは社内でうまく教育制度を整え、そうした人を育てることに成功するかもしれません。しかし、次に問題となるのが「文化の壁」です。そうした人が、いきいきとして高いモチベーションで働ける、そのような環境や人事制度を企業側が用意できていないと、長続きは決してしません。これがまた、企業にとっては大変に難しいチャレンジです。

意外に高い「文化の壁」

「文化の壁」がなぜチャレンジなのか? その理由は、従来のマーケティング業界が、個人で名を上げた人が賞賛され、ハイライトされる側面が強い、個人主義的な文化だからです。

一方で、マーケティングオペレーションは気をぬくと、炎上を起こすかもしれないなどの緊張感のなかで、地道に一人ひとりの生活者と向き合っています。マーケティングオペレーションは、非常に重要な仕事を担っているにもかかわらず、なかなか組織内で評価され、賞賛される機会が少ないポジションになりがちです。

このような状況を放置していると、上流で企画する人と下流でマーケティングオペレーションを担う人のあいだに、あたかも上下があるかのような雰囲気が生まれることもあります。運用チームが、社内下請けのように扱われることは、残念ながら珍しいことではありません。それでは、マーケティングオペレーションに携わる人のモチベーションは保たれず、人材育成も標準化も絵に描いた餅になります。企画などの部分とマーケティングオペレーション部分は組織を分け、カルチャーも、それにもとづく人事評価制度も、異なるものにすることが正しいはずです。

マーケターの環境改善

先にも述べたように、仕様変更やバグなど、臨機応変に対応すべき変化が日々おきる業務のなかで、隣に相談できる仲間がいるかどうかは非常に重要です。さもないと、聞けばあっという間に解決するような問題に対して、ひとりで頭を悩ませているあいだに1日が過ぎてしまうことも十分にあり得る話です。

さらに、業務効率化の問題があります。日々の業務を棚卸し、業務の無駄を省き、標準化できる部分は標準化するという非常に恒常的な改善プロセスを日々回すことが、マーケティングオペレーション業務の経済性や拡張性を担保します。これは一般的に工場などに見られる作業であり、これもまた、これまでのマーケティング業界ではあまり経験しておらず、不得手な部分と言えるでしょう。

マーケターはいま、自社のウェブサイト、メール、メッセージ、SNSなど、さまざまなチャネルを通して、リアルタイムに生活者とコミュニケーションを取ることが求められています。生活者に「愛される」マーケティングとは、そうした場で個々人の趣味嗜好にあわせて、丁寧にコミュニケーションを取ることにほかなりません。つまり、ラバブル(Lovable)なマーケティングの実現のためには、さまざまな環境を整えて、最適なマーケティングオペレーションを運用する必要があるのです。

M.O.S.という提案

フォクスコン(Foxconn)という台湾の巨大企業があります。彼らはE.M.S.(Electric Manufacturing Service)と呼ばれ、歴史的に大手電気機器メーカーの製品の工場として発展してきました。彼らは後工程である製造の部分に特化して、さまざまな製品の製造ノウハウを蓄積し、改善と標準化を繰り返した結果、絶対的なポジションを築きました。メーカーの経験が長い私は、彼らの成長を間近で見てきました。

マーケティング業界にも同様の流れが起こると思います。具体的には大きな企画や戦略を考えるプレイヤー、テクノロジーやメディア、プラットフォームを提供するプレイヤー、後工程であるオペレーションの機能を提供するプレイヤーに分かれて行くでしょう。

私たちは、そのなかでも後工程であるオペレーションの部分に特化してサービス提供する事業をフォクスコンのEMSに習って、Marketing Operating Service(マーケティングオペレーティングサービス)の略語としてM.O.S.(モス)と呼び、その分野に特化する戦略を取っています。

私たちラバブルマーケティンググループは、その名の通り、愛されるマーケティングを推進するために、持続可能かつ効果的なM.O.S.を提供していきます。すべてのマーケティング活動を愛されるものにするために、私たちは日本No.1のM.O.S.を目指しているのです。

 

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Written by 林雅之(ラバブルマーケティンググループ)
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