ビューアブルインプ、認知7倍・CTR23倍との調査結果:JIAAが日本初の大規模調査を実施

当たり前と思うかもしれないが、数値にできたことが重要だ。

JIAA(日本インタラクティブ広告協会)は9日、「測定指標委員会セミナー」を開催。日本のデジタルメディアにおける、ビューアブルインプレッションに関する広告価値検証調査結果の報告を行なった。その結果、ビューアブルなインプレッションは、ノンビューアブルに対して、広告認知で7.9倍、CTRで23.4倍の広告効果を発揮することがわかったという。

「ビューアビリティとかビューアブルインプレションというのは、ここのところ大きな話題になっているが、本当に価値があるのか? という疑問の声もあった」と、JIAA 測定指標委員会 広告価値向上施策検討分科会 リーダーの舩越啓氏(博報堂DYメディアパートナーズ)は語る。「それを日本ではじめて検証した調査となる」。

JIAAによる調査の中身

JIAAが検証を行なったのは、PCディスプレイ広告(300✕250ピクセルのレクタングルバナー)において。クリエイティブは飲料の新商品で、同時期にテレビCMやほかのデジタル出稿がないものだ。そのため、過去の商品認知、商品評価のみならず、他広告出稿の影響は排除されているという。

今回の調査におけるビューアブルの定義は、広告ピクセルの50%が1秒以上連続して、ビューアブルなスペースに表示されること。これは、JIAAの「ビューアブルインプレッション測定ガイダンス」における、PCのディスプレイ広告のビューアブルインプレッションの定義に従ったものだ。ちなみに同ガイダンスは、米インタラクティブ広告協議会(IAB)の定義にも準拠している。この基準に達していないものが、ノンビューアブルとなる。

「この調査は5万を超えるサンプルに対して実施しており、本当に大規模なものとなった。広告に当たったのか・当たらなかったのか、ビューアブルだったのか・ノンビューアブルだったのか、さらに時間によって・面積によってどう違ったのか、非常に細かいサンプル誤差が出て来るなかで、(サンプルを多くすることで)それを極力少なくした」と、舩越氏は補足する。

ビューアブルインプの価値

実際に広告配信、アンケート実施、集計/分析を行なったのは、JIAAの会員社でもあるビデオリサーチインタラクティブ(VRI)だ。ちなみに、ビューアビリティ計測を行なったのはインテグラル・アド・サイエンス(IAS)である。JIAA 測定指標委員会 広告価値向上施策検討分科会のメンバーでVRI取締役副社長の五十嵐達氏は、以下のように調査報告した。

「やはりビューアブルなインプレッションほど、効果が高い。それと同様に、表示秒数・面積が大きくなればなるほど、効果が高くなる。ビューアブルなインプレッションは、ノンビューアブルに対して、広告認知で7.9倍、CTRで23.4倍の広告効果を発揮した」。

 

広告認知に関する調査結果。ノンビューアブルに対して、ビューアブルなインプレッションは7.9倍の広告認知を得ている(Source:JIAA)

 

CTRに関する調査結果。ノンビューアブルに対して、ビューアブルなインプレッションは23.4倍のCTRを得ている(Source:JIAA)

 

ビューアブルなインプレッションの価値が、この調査によって証明されたと舩越氏はまとめる。だが、実際問題、ビューアブルなインプレッションは全体の4割しか存在していないという。そのため、残り6割のノンビューアブルなインプレッションの在庫は、今後マネタイズが難しくなる可能性がある。

「業界全体で次のフェーズへ」

「だからこそ、自社のサイトを見直して、ビューアブルな在庫を増やしていくということを、媒体社にお願いしたい。また、いかに広告価値を持っていようとも有限なビューアブル在庫をいまと変わらない値段で流通してしまうと、インターネット広告市場全体がシュリンクしてしまうことにつながりかねない。価値の高いインプレッションを掲げることで、広告主にとってはありがたい話になるし、媒体社にとっても価値に見合うマネタイズを行うことができる」。

「いまのところビューアブルを指標にした広告メニューをもったパブリッシャーは、国内にほとんどない」と、JIAAの測定指標委員長であり博報堂DYデジタル代表取締役社長CEOの辻輝氏は語る。「この結果を元に、業界全体で次のフェーズに入っていきたい」。

Written by 長田真
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