エージェンシーにとって、これほど能力が試される時代はかつてないだろう。
2016年3月2~4日(米国時間)に、フロリダ州マイアミで開催された「DIGIDAY エージェンシーサミット(Digiday Agency Summit)」では、エジェンシーの幹部たちによって、いま業界がどのような問題に取り組んでいるかについて議論された。
出席者たちには、成果をあげられるコンテンツ製作に関して、現在直面している最大の課題をひとつ書いてほしいと依頼した。ポストイットに手書きで書かれた彼らの回答を、いくつか匿名で紹介する。
エージェンシーにとって、これほど能力が試される時代はかつてないだろう。
2016年3月2~4日(米国時間)に、フロリダ州マイアミで開催された「DIGIDAY エージェンシーサミット(Digiday Agency Summit)」では、エージェンシーの幹部たちによって、いま業界がどのような問題に取り組んでいるかについて議論された。
出席者たちには、成果をあげられるコンテンツ製作に関して、現在直面している最大の課題をひとつ書いてほしいと依頼した。ポストイットに手書きで書かれた彼らの回答を、いくつか匿名で紹介する。なお、回答内容については、わかりやすさのために編集を若干加えている。
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課題1:多すぎる会議。午後5時まで仕事に手が付かない
「ミーティングは生産性の低いコミュニケーション代替手段にも関わらず、あまりにも頻繁に行われすぎる。ミーティングを行うことで事態が進展することは滅多になく、むしろ大惨事を引き起こす。出席者が5人を超えるミーティングは、プレゼンテーションの内容や発言者をきちんと決めておかないかぎり、やっても時間の無駄だ」。
課題2:即時性に富んだ優れた仕事に対する課題意識
「あるクライアントが以前、創造性を生みだすうえで重要な緊迫感について語ってくれたのが、ずっと印象に残っている。彼女はこういった。『ビジネスの原動力になってくれる新商品を市場に送り出すまでには3~5年かかる。しかし、ビジネスの原動力になるユニークな新しいアイデアを市場に送り出すのには、わずか3~5カ月しかかからない』と。我々のエージェンシーとしての根本的な存在理由は、クリエイティビティやアイデアから、クライアントのビジネスに変革をもたらすような課題意識を休む間もなく持ち続けることだ。これに鼓舞されて、私は毎日、仕事に励んでいる」。
課題3:トップダウン的なエージェンシーマネジメントを解体すること(優れた部分は残しつつ)
「多くのエージェンシーモデルが、頭でっかちで下のほうはガリガリになっている。そのせいで身体はその頭の重さを支えられない。原因はクライアントにある。クライアントは戦略とベテランを欲しがるくせに、戦略に長けたベテランに金を払いたがらない。実に結構だ。ならば、私は業務から幹部を外して、その稼働費を「諸経費」に回すだろう。そして、若手に対する料金を高めに設定してクライアントに請求する。そのほうが見積書の見栄えは良くなる。これは純粋に、スタッフの獲得をめぐる駆け引きだ。実際、クライアントの4人に1人はスタッフ構成に目を通す。賢いベテラン勢を安い値段で調達できそうか、確かめたいのだ。これに関しては、メディア企業がほかの誰よりもうまくやっている」。
課題4:ミレニアル世代にチャンスのつかみ方を教えること/ミレニアル世代と企業評価サイト
「我々は、Glassdoor(従業員および元従業員が匿名で企業を評価する米Webサイト)で八つ裂きにされてきた。原因は、あるフリーランサーだった。これは、短期契約で働く人々が大勢いる、この業界ならではの出来事だ。誰もが、元従業員に肯定的なレビューを投稿してくれるようになど頼みたくない。たしかに、私も良い評価をもっと欲しいが、それを依頼するのは気持ちの良いものではない。考えてみると、そもそも職場に満足している人たちは、そういう場に何も書きたがらないので、不満を抱いている者たちの声が決まって一番大きくなる。その点を心配しているが、私にはどうすることもできない。それから、ミレニアル世代について。彼らには多くの指導や助言が必要だが、それ自体は良いことだ。彼らは、彼らが担当する仕事においては私たちよりも優秀だ。だが、彼らをコーチする時間が私にもっとあればと思う。彼らが心配しすぎるのをやめてくれればいいのだが……」。
課題5:課題とそれ以外とを区別することーー人材、パートナー、可能性に関して
「至るところに多くの課題が存在しているのはあきらかだ。まず、人材に関して。業界には、口先だけでなく実際に行動できる有能な人材が不足している。クライアントとパートナーについても同様だ。主張ばかりで行動しない人がなんと多いことか。そして、メディアの将来性に関していえば、我々はかつてない大きな可能性に満ちた時代にいる。ただし、課題とそれ以外を区別する方法を会得しなければならない。さもないと麻痺してしまうだろう」。
課題6:私のクライアントは「どうして自分の広告がネットで見れないのか?」と聞いてくる(いまだに)
「この問題は本当に悩みの種だ。得てしてクライアントは、自社の広告が本当に表示されているかどうかしか頭にない。実際に表示されていたとしても、もし彼らのうち誰かひとりでも見れなかったら満足しない。一流ブランドであれば、事態はさらに悪い。そんなときには、我々はしばしば広告オペレーションのワザを駆使して、クライアントが自分自身の広告のターゲットになるようにする。そうすれば、我々はこの問題から解放され、重要な事柄に集中して取り組めるようになるからだ……」。
Shareen Pathak (原文 / 訳:ガリレオ)
Image via 米DIGIDAY