今回の話題は、セールスフォースが13日(現地時間)にTwin Prime(ツイン・プライム)を買収し、 同社の今年10件目のM&Aになったことだ。セールスフォースの今年のM&A費用はすでに50億ドル(約5800億円)を超えていると推測されている。
今回の話題は、セールスフォースが13日(現地時間)にTwin Prime(ツイン・プライム)を買収し、 同社の今年10件目のM&Aになったことだ。セールスフォースの今年のM&A費用はすでに50億ドル(約5800億円)を超えていると推測されている。
今年はセールスフォースのようなマーケティングソフトウェア企業の関連企業買収が目立った年。テクノロジーによるマーケティングの変化を「マーケティングテック」と呼ぶ。
WSJによると、今年9月にコリン・パウエル元国務長官(セールスフォース取締役)のメールからセールスフォースのM&A戦略に関するプレゼン資料が流出した。資料の内容では、14社がM&A目標に定められ、マーケティングソフトウェアの競合で時価総額500億ドル以上のソフトウェア企業Adobeが含まれていた。
Advertisement
Adobeの時価総額は、セールスフォースよりわずかに高い水準推移している。セールスフォースは自社と同規模の企業にM&Aを仕掛けようとしていた。きわめて高いリスクをとることを検討したということだ。
実際セールスフォースは、LinkedInをめぐっては、マイクロソフトと激しい入札合戦をし、マイクロソフトが勝利した際には、買収額は全額キャッシュの260億ドルまで膨れ上がった。
オラクルも93億ドル買収のNetSuiteを筆頭に今年は9社を買収。マーケティング分野に限らないが、公開・推定されている買収だけで、総額は112億ドルに達しているとみられる。
Adobeは今年、TubeMogulを5億4000万ドルで買収し、クロスデバイスのデジタル広告の本格的な買い付け手段を手に入れた。これはマーケティングテックとアドテクの本格的なマージが起きている象徴的なできごとだ。
その他のトピックは以下の通り。
■Amazonがドローン配送に初成功
Amazonは英ケンブリッジシャーで、ドローン配送をはじめて成功させた。自律的に動くドローンはGPSによりガイドを受け、注文から13分で商品を届けたという。今回成功したのはベータ版を体験する消費者2人への配送だった。注文時に「Prime Air」をクリックすると、30分以内に商品が届くという。
First-ever #AmazonPrimeAir customer delivery is in the books. 13 min—click to delivery. Check out the video: https://t.co/Xl8HiQMA1Spic.twitter.com/5HGsmHvPlE
— Jeff Bezos (@JeffBezos) December 14, 2016
■インスタグラムのライブ動画、米国全体に拡大
インスタグラムは12日(現地時間)テストしていたライブ動画機能「Instagram Live」を米国の全員が利用できるようにした。Facebookは本体とインスタの2カ所にライブ動画を載せたことになる。
■来年は「TVストリーミング元年」Amazonも参入観測
米テレビ事業者ターナーは13日(現地時間)、ケーブルテレビのネット版である「TVストリーミング」のコンテンツ提供オファーを6社程度から受けており、Amazonもそのうちの1社だと語った。AT&T傘下のDirecTVが今月「TVストリーミング」に参入、来年は競争が激化するとみられる。
■米Yahooで10億人の個人情報が流出
米Yahooは10億人超の利用者アカウントに関連する個人情報が流出したと発表。個人情報流出では過去最大規模。
■Googleの自動運転車部門、独立
Googleは自動運転車部門を、Googleの親会社Alphabet傘下の新会社Waymo(ウェイモ)として独立させた。The Informationの報道では、Googleはハンドルやブレーキを外した完全自動運転車の開発を一時的に停止し、フィアットなどとの協業で既存の乗用車を自律的に動作させる、事業化重視の方向に舵を切ったようだ。
■LINE、グループビデオ通話機能を搭載
6種類の顔認識のエフェクトで喜怒哀楽を表現、カメラアプリのような4種類のフィルター機能もある。通信環境はWi-Fi・3G・4G回線対応という。
Written by 吉田拓史
Table by 吉田拓史
Photo by Thinkstock