Googleが画像自動認識の仏スタートアップ・ムードストックス(Moodstocks)を買収した。取引条件は非公開(Moodstocks)。Moodstocksは即時物体認識(Instant Object Recognition)という技術に強みをもつ。Googleフランスのブログは、Google翻訳、スマートリプライ(Smart Reply)などのサービスを改良するために、Moodstocksがチームに加わったと説明している。
先々週まで「デジタルマーケティング10」として続けてきたコーナーですが、「今週のデジタルマーケティングサマリー」にリニューアルしました。絞られた1週間のトピックを詳しく、簡潔にお伝えします。
Googleの機械学習チームが即時物体認識を獲得
Googleが画像自動認識の仏スタートアップ・ムードストックス(Moodstocks)を買収した。取引条件は非公開(Moodstocks)。Moodstocksは即時物体認識(Instant Object Recognition)という技術に強みをもつ。Googleフランスのブログは、Google翻訳、スマートリプライ(Smart Reply)などのサービスを改良するために、Moodstocksがチームに加わったと説明している。
Googleフォトは自動タグ付け、自動キャプションなどを提供し、画像認識において、機械学習の進展を印象づけている。Googleフォトにアップロードされる画像が、Googleフォトに学習機会を与え、どんどん賢くなっていくことが予想されている。
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Googleは2014年に人工知能スタートアップ「DeepMind(ディープマインド)」を4億ポンド(約750億円)で買収。DeepMindのソフトウェア「AlphaGo(アルファ碁)」は今年、人間の行うゲームでもっとも複雑な囲碁で高位のプロを破っている。この買収はかつてのYouTube、DoubleClick、アンドロイドと同様、かなり価値の高いものと評価されるかもしれない。Googleは機械学習や周辺分野を開発するための膨大なデータをタダで手に入れられるし、高収益型のビジネスが必要な投資リソースをゆうゆうと賄ってくれる。
全世代型ソーシャルメディアに向かうSnapchat
若者の聖地Snapchat(スナップチャット)に親御さんたちが入り込んできている(ComScore)。25〜34歳の利用率は3年で5%から38%に達した。35歳以上は2%から14%に伸びた。若者からはじまりユーザーの年齢層が拡大するのは、プラットフォームの勝ちパターンだ。
Snapchatはスナップとストーリーズ投稿を保存しておける「メモリーズ(Memories)」機能を追加した(Snapchat)。消えるのが好まれていたが、実際、画像に関しては、ユーザーはスクリーンショットで保存するという行動をとっている。ユーザーが消えると思い衝撃的な画像をシェアしたら、相手にスクショされていて、別のプラットフォームで出回るなどのできごとがある。動画に関しても今後はオフィシャルに保存できるようになる。一部のセレブやインフルエンサーのタテ型動画はかなりつくりこまれており、スナック菓子的なコミュニケーションとは異なる、高質な動画の幅を広げようとしているのだろうか。
テレビと一緒にTwitterはいかが?
Twitterがウィンブルドンをライブストリーム配信をしている(Adweek)。Twitterは米アメフトNFLの2016年レギュラーシーズンの木曜夜の試合のストリーミング配信で、独占的なグローバルパートナーになっている。1000万ドル(約10億円)程度の契約金を支払ったと言われる。スポーツはTwitterのリアルタイム性と相性が良く、またテレビ広告予算とセットとなる出稿先としてピッチをする同社にとっても、ライブ動画配信は譲れない分野だろう。
Facebook:みんなネット接続するべき
Facebookがユーザー数15億人超をさらに増やすには、40億人の「未接続者」の接続を助けるしかない。ワイアレスインターネット接続のオープンソース・ソフトウェア「OpenCellular」の初期バージョンが今夏公開される見込みだ。このソフトウェアで設計された機器は1台で10キロ四方の1500人にネット接続を提供でき、2GからLTEまで対応する。オープンソースなので誰でもこのソフトウェアを基に機器を製作することができる。Facebookはインターネットインフラのさまざまな面に投資をしており、そのうちモバイルOSやデバイスなどにも参画するタイミングが来るかもしれない。
ピュブリシス「中国のデジタル業界風景はとても興味深い」
広告ホールディングス世界3位のピュブリシスCEO、モーリス・レヴィ氏は「中国のデジタル業界風景はとても興味深い。アリババ、バイドゥ(百度)、テンセントはGoogle、Facebook、Amazonのコピーで始まったが、新しいサービス、新しいアイデア、新しい発明を加え、広告モデルを再定義した。とてもユニークだ」と語っている。「テンセントは中国最大のゲーム企業の大株主であり、海外に出ようとしている。とても興味深い」(Bloomberg)
Written by 吉田拓史