今週のトピックはFacebookの動画へのプッシュだ。コネクテッドTV(ネット接続されたテレビ)向けのアプリを近くローンチすると発表した。Apple TV、Amazon Fire TV、Samsung Smart TVのアップストアに並ぶ。
今週のトピックはFacebookの動画へのプッシュだ。コネクテッドTV(ネット接続されたテレビ)向けのアプリを近くローンチすると発表した。Apple TV、Amazon Fire TV、Samsung Smart TVのアップストアに並ぶ。
テレビのスクリーンでFacebook動画を視聴できるようになる。友人がシェアした動画やフォローするページの動画を観ることができる。これまでのニュースフィードで流れる形式だったが、「保存したビデオも観れる」ということなので、YouTubeのようなアーカイブ型に足を踏み入れようとしているようだ。
第3四半期でFacebook CFOのデイビッド・ウェフナー氏がFacebook/インスタグラム内に表示できる広告数が飽和状態に達しつつあるとし、収益成長の速度が緩やかになる可能性に言及。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は直近では動画に注力することに力を注ぐ考えを示していた。
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第4四半期決算時のアーニングコールでもテレビ的な動画消費をプラットフォームにもち込もうと考えていることを伺わせた。
製品のエクスペリエンスについて私たちが設定する目標は、人々が動画を視聴したり、お気に入りの番組や応援したいと思う公で知られた人物に何があったかを知りたいとき、彼らはFacebook、つまり「彼らが興味をもつコンテンツのすべてを観られる場所」を訪れられるようにすることだ。(中略)毎週欠かさず観ているコンテンツが観たいという欲求に応えるという約束のもとにエクスペリエンスはデザインされる。
Facebook Japanが15日に開いた事業戦略説明会では、代表取締役の長谷川晋氏はFacebook上で1日に平均して80億回動画が再生されていると説明。Facebookではすでに大量の動画が視聴されており、ポテンシャルがある。

Facebookの事業戦略を説明するFacebook Japan代表取締役 長谷川氏=吉田拓史撮影
Facebookは今週、MTVの前エグゼクティブバイスプレジデントのミナ・リフェヴァ氏を獲得し、ディベロップメント部門長に据えたことが明らかになった。
昨年末からFacebookがオリジナルの動画コンテンツを制作したがっていると報じられており、テクノロジー企業でありメディア企業ではないため、コンテンツは製作しないという姿勢が変わるかもしれない。
定額制動画配信を手がけるNetflixは2017年に独自コンテンツ制作に60億ドルの予算を積んでいる。もちろんFacebookはニュースフィード上のUGC(ユーザー生成コンテンツ)中心の展開をすると考えられるが、テレビの前の視聴者を納得させるには、Netflixレベルのコンテンツが必要かもしれない。
以下、今週のその他トピック。
■FacebookがLinkedIn的な機能を追加
米国で企業がFacebookページに求人情報を掲載。ユーザーが応募できる仕組みが導入される。
■米スナップの評価額、最大2兆5300億円
Snapchatを手掛ける米Snapは、新規株式公開(IPO)で同社の評価額を195億−222億ドル(約2兆2200億−2兆5300億円)を想定している。
■気球によるネットが実現近い?
Alphabet(Alphabet:Googleの親会社)の気球によるインターネット接続提供プロジェクト「Loon(ルーン)」で、チームが気球を1カ所に留める手段を発見したと発表した。「機械学習を活用したアルゴリズムにより、気球はそこに居続けることが求められる小さな円のなかに留まる」という。
■You Tube毎日10億動画に字幕
YouTubeチームが発表したところによると、毎日字幕を付加されるビデオは10億本、ユーザーは1500万人に上っている。エンジニアリング・チームの努力により、字幕の正確性は50%増加したという。
■Baiduが音声アシスタントのRaven Techを買収
Baiduが音声アシスタントのRaven Techを買収。Raven Techは中国語の音声アシスタントでAppleのSiriなどの後塵を拝していた。先月は元マイクロソフト幹部のチー・リュー博士を同社のグループプレジデント兼最高執行責任者(COO)に指名。
■Googleはヘッダー入札を殺さない?
非Google系ベンダーが提供するヘッダー入札ソリューションに対して、Googleはサーバーサイドでのオープンな入札を近く導入すると言われる。昨年から「ヘッダー入札の終わり」と言われたが、米DIGIDAYのRoss Benesの取材によると、関係者はそうはならないと語っている。
Written by 吉田拓史
Photo by GettyImage