米DIGIDAYが実施した仕事と文化に関する最新の調査によると、現在、エージェンシーの従業員の約40%が転職先を探している。昨年11月の調査では、職探しをしているエージェンシーの従業員は48%だった。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行と経済の低迷により、雇用の流動性がわずかながら弱まったことがうかがえる。
米DIGIDAYが実施した仕事と文化に関する最新の調査によると、現在、エージェンシーの従業員の約40%が転職先を探している。
昨年11月の調査では、職探しをしているエージェンシーの従業員は48%だった。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行と経済の低迷により、雇用の流動性がわずかながら弱まったことがうかがえる。
今回の調査で「自分の雇用に不安はない」と答えた従業員は約50%だったのに対し、11月の調査では61%だった。
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「自分が勤務する会社の財務健全性に不安を感じる」と答えた従業員は55%で、半数を超えている。対照的に、昨年11月の調査で会社の経営状態に対する懸念を訴えた人は35%だった。
一時解雇と一時帰休
業界全体にとって、厳しい数週間だった。エージェンシーでは、回答者の32%が「減給を受け入れた」と回答しており、「ほかの従業員が減給を受け入れた」という回答は35%だった。また、回答者のほぼ4分の1に相当する26%が「勤務先で一時帰休が実施された」と答えており、「勤務先で一時解雇が実施された」という回答も3分の1を超えた。
多くのブランドがプロジェクトの延期や支出の削減を余儀なくされる一方、手元資金を確保するために、エージェンシーへの支払いを遅らせている。エージェンシーでは、とくに体験型の領域を中心に、とにかく仕事が減っている。どのエージェンシーにとっても最大のコストは人件費という事情は変わらず、打てる手はきわめて少ない。結果的に、労働市場の不確実性は深まるばかりである。
心の健康
「職場での心の健康」に不安を持つ人は約36%で、昨年11月の34%からわずかに増えた。
現在の在宅勤務の問題点として、多くの人が働き過ぎと公私の境界が曖昧になることを挙げている。
エージェンシーに勤務する人々は、「就労時間が長くなり、会議が増えた」と感じている。また、「ビデオ会議のおかげで生産性が落ちた」という回答は37%、「ビデオ会議にうんざりしている」という回答は51%だった。
[原文:Digiday Research: Half of agency staffers don’t feel secure about their jobs]
SHAREEN PATHAK(翻訳:英じゅんこ、編集:長田真)
Illustration by IVY LIU