[ DIGIDAY+ 限定記事 ]米DIGIDAYがマーケティングや広告のエージェンシーで働くプロフェッショナル446人を対象に2019年1月に行った調査によると、63%が現在の仕事に満足していると回答していた。同じ調査で、オフィスの労働環境を肯定的に評価している人の割合も62%だった。
[ DIGIDAY+ 限定記事 ]マーケティングエージェンシーや広告エージェンシーで働く人々には、不満をいう理由が山ほどある。要求の多いクライアント、長時間労働、アイデアを盗む同僚などは、エージェンシーのスタッフがストレスを感じることが多いと思われる原因だ。
だが、米DIGIDAYがマーケティングや広告のエージェンシーで働くプロフェッショナル446人を対象に2019年1月に行った調査によると、63%が現在の仕事に満足していると回答していた。同じ調査で、オフィスの労働環境を肯定的に評価している人の割合も62%だった。
全米産業審議会(The Conference Board)が2018年8月に行った調査によると、仕事に「満足している」と答えた米国人が51%だったことと比べると、この割合は高い。
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幸福度を決めるのは報酬だけではない
エージェンシーのスタッフが何に幸福を感じているかというと、お金にまつわることがすべてではないようだ。
報酬が5万ドル(約550万円)以下の人の53%が、幸福だと報告している。それ以上の報酬を得ている人々の幸福度はより高いが、思ったほどではない。年間17万5000ドル(約1900万円)以上を稼いでいる回答者の62%が、幸福だと述べている。
エージェンシーで働く人々の幸福度に大きな影響を与えていると思われるひとつの要因は、独立系エージェンシーで働いているか、持ち株会社が所有するエージェンシーで働いているかだ。独立系エージェンシーにいる人の70%が幸福だと答えているのに対し、持ち株会社が所有するエージェンシーで働いている人で幸福だと答えたのは53%にとどまった。
長時間労働や夜遅くまでの残業は、多くのスタッフにとって不快なことかもしれないが、それで幸福感が減ることにはならないようだ。今回の調査に応じた人のうち、通常午前9時~午後5時で働いている人の65%は幸福だと答えたが、週に50時間以上働いている人も、63%が幸福だと回答した。
あなたは現在の仕事に満足していますか?(下図)
平均 | 報酬が5万ドル以下 | 報酬が17万5000万ドル以上
いいえ / 無関心 / はい
独立系エージェンシーのほうが労働環境が良い
米DIGIDAYの調査によると、労働環境の質に対する回答者の態度は、スタッフの幸福レベルに密接に反映される。独立系エージェンシーのスタッフの70%は良い労働環境だと答え、持ち株会社が所有するエージェンシーのスタッフで同じように答えた人の割合は49%だった。
満足している従業員が良い労働環境を作るのか、良い労働環境が従業員の満足度を高めるのかは定かではない。同様に、独立系エージェンシーは、従業員が満足しているから良い労働環境になっているのか、その反対なのかもわからない。
より良い労働環境として、独立系エージェンシーは持ち株会社が所有するエージェンシーより優位に立っているが、その人が勤めているエージェンシーのタイプが、労働環境の評価に大きな影響を及ぼすことはほとんどない。メディアエージェンシー、クリエイティブエージェンシー、マルチサービスエージェンシーはどれも、ほんの数%の差で、良い労働環境と評価されていた。
現在の労働環境をどのように評価しますか?(下図)
平均 | 独立系エージェンシー勤務 | 持ち株会社が所有するエージェンシー勤務
悪い / どちらでもない / 良い
エージェンシーに勤めるプロフェッショナルの3分の1はメンタルヘルスに不安を抱えている
米DIGIDAYの調査に応じた回答者の32%は、自身のメンタルヘルスに関する不安を訴えている。メンタルヘルスは以前から、マーケティングエージェンシーや広告エージェンシーのスタッフの懸念事項だった。ストレスを受け、過重労働で、燃え尽きてしまったスタッフが至るところにいる。
当然のことながら、メンタルヘルスをもっとも心配しているのは、所得階層の一番下にいるスタッフか、長時間労働をしているスタッフだった。通常午前9時~午後5時で働いている人のおよそ4分の1が、自身の精神衛生の状態に不安を感じると言っており、労働時間が週50~59時間に跳ね上がると、自分のメンタルヘルスが心配だという回答は41%に増加する。
一方、年収5万ドル以下の回答者41%は自身の精神衛生の状態に不安を感じると言っているのに対し、年収17万5000ドル以上の人で自身の精神衛生の状態に不安を感じると言ったのは22%しかいなかった。労働時間が短い場合、お金で幸福より精神衛生を買うことができるのかもしれない。
自分のメンタルヘルスについて不安を感じますか?(下図)
いいえ / はい
有給の産休・育休はまだ普及していない
大学を卒業し入社したばかりの社員にはピンとこないかもしれないが、米国内では有給の出産休暇・育児休暇が注目を集めるようになっている。その背景には、海外で働く仲間たちを羨ましげに見る国内従業員の増加がある。
有給の産休・育休は、米国内でフルタイムで働く労働者に必ず認められているものでないが、回答者73%が、自社は有給の産休を提供していると言い、男性に対しても有給の育休を提供しているという回答者も半数に達した。女性を対象にした有給の産休は、平均して、男性の有給の育休より期間が長い。有給の産休は1カ月以上と答えた人は90%を超え、3カ月以上という回答も32%だった。これに対し、男性に対する育休は1カ月以下という回答は42%だった。
次のうち、あなたの会社が提供しているものは?(下図)
有給の産休 | 有給の育休
わからない / ない / ある
有給の産休・育休の期間は?(下図)
1カ月以下 / 1~3カ月 / 3カ月以上
●産休 / ●育休
Mark Weiss(原文 / 訳:ガリレオ)