広告領域に進出したコンサル企業、2020年は一歩後退の構え

アクセンチュア・インタラクティブ(Accenture Interactive)やデロイトデジタル(Deloitte Digital)のようなコンサルティング企業から広告エージェンシーへの差し迫った脅威は、2020年にはピークを過ぎたことがわかるだろう。

「愉快な体験ではない」

エージェンシーは、最大手の広告主が支援を求めて向かう先であり続けるようだ。ニベア(Nivea)は2019年11月、ピュブリシス(Publicis)、オムニコムグループ(Omnicom Group)、アクセンチュア・インタラクティブの3社から広告を管理するエージェンシーを選択する際、ピュブリシスを選択した。アクセンチュア・インタラクティブが2019年はじめに、ボーダフォン・ジッゴ(VodafoneZiggo)のアカウントをエージェンシーのWPPに奪われたときも、それは同様だった。キンバリー・クラーク(Kimberly Clark)やラディソンホテル(Radisson Hotels)のような一部の広告主にとっては、コンサル企業がエージェンシーの本格的な代替手段になっているが、多くの広告主は依然として懐疑的だ

広告主が抱く懸念は、コンサル企業から受ける助言の質や、コンサル企業との協働に際して、上から指示されているように感じることなど、さまざまだ。2020年には、コンサル企業がしばしば矛盾していることが認識されるようになるだろう。それが、監査業務によるものか、報酬を得て販売している技術を購入するよう広告主に助言することによってかは、関係ない。

「コンサル企業と仕事をするのがけっして愉快な体験ではないのは、メディアについては、エージェンシーは特定領域の専門家であるのに対して、コンサル企業はそうではないからだ」と語るのは、国際通信アドバイザーで働いていたときにコンサル企業と仕事をしたことがある元マーケーティング担当上級幹部だ。

やられたらやり返す

コンサル企業はいくつかの名だたる勝利を勝ち取ってきた。たとえば、デロイトデジタルは、米国でのクリエイティブ及びスタジオ製品担当マネージングディレクターとしてマッキャン・ニューヨーク(McCann New York)のリッチ・ホエーレン氏を引き抜いた。また、アクセンチュア・インタラクティブは、過去最大規模の買収でクリエイティブエージェンシーのドローガ5(Droga5)を手に入れた。

やられたらやり返すのが公正というものだ。エージェンシーは、コンサル業界出身の人材を増やし、コンサル業務への対応力を増しつつある。WPPのメディアバイイングユニットであるグループ・エム(GroupM)は、広告主がメディアプランニング及びバイイング業務を内製化するのを手助けする新たな部門を設けようとしており、アクセンチュア・インタラクティブと直接対決することになる。それぞれの部門は、難しくなった主導権争いで相手のシェアを奪おうと努力している。WPPは今年、コンサル企業が、そのメディア部門にデータを引き渡す可能性を懸念して、アクセンチュアが監督するメディア監査に参加するのを拒否した。

エージェンシーとコンサル企業間の緊張は、この数年間そうだったのと同様、2020年に入ってもくすぶり続けるだろう。だが、アクセンチュア・インタラクティブやデロイトデジタルのようなコンサル企業が、エージェンシーより一段上である理由を示せるまで、広告主は、そうした企業に関して気がかりではありつつも、自分たちが知るものにこだわり続けるとみられる。

Seb Joseph(原文 / 訳:ガリレオ)