「クライアントは5歳児と変わらない」:ある若手広告エージェンシースタッフの告白

エージェンシーと仕事をしている方ならお分かりのとおり、すべてのクライアントが満足してくれるとは限らない。

匿名性を保証する代わりに、本音を語ってもらう、DIGIDAYの「告白」シリーズ。今回は、「クライアントはエージェンシーの時間と労力を酷使する」と不満を漏らす、ある若手エージェンシースタッフに話をうかがった。

以下、その抜粋を紹介する。読みやすさのため一部編集を加ええいる。

――クライアントと仕事しているときの胸中をひと言で表現すると?

パニック状態、だね。クライアントはまず満足してくれないから。なかには、つきっきりで世話を焼いてやらないとならないクライアントもいる。そうなると本当に大変だし、もういっぱいいっぱい、という気持ちになる。クライアントにはつねに喜んでもらいたいけど、平気で一線を踏み超えて来る連中もいるから。これこれをする、という合意のうえでこっちは仕事をしているのに、そこをはみ出した要求をされることは少なくないし、そうされたときに、ここまでですよね、と線を引くのは、なかなかね。

――その一線を越える要求とは、具体的に?

クライアントはよく、どのプラットフォームがベストなのか、意見を求めてくるんだけど、本当のところは、包括的な戦略を聞きたい。でも、僕らがそうする筋合いはない。たとえば、ブランドとFacebookでソーシャルメディアキャンペーンをやる。すると、クライアントはそのうち、このプラットフォームよりもこっちのプラットフォームにいくら使ったほうがいいと思うかとか、僕らとは何の関係もないキャンペーンについて、どこのプラットフォームがいいと思うかとか、あれこれ聞いてくる。まったく、御社の社員じゃないっていうのに。こっちとしてはもちろん、アイデアを何から何まで無料で提供したくはない。じゃあ、一線を越えずにどうやって協力したらいい? という話なんだ。

――クライアントはなぜ、そこまでしてもいいと思っていると?

金を払ってるんだから、好きなようにこき使っていい、と思ってるんだよ。まあ、単にわかっていないだけのクライアントもいるけど。

――どういう意味?

たぶん、悪気はなくて、わかってないだけなんだ。ほんと、5歳児と変わらないのもいるから。そういう連中は、それこそ四六時中、電話をかけてくる。はいはい、何もかも放りだして尽くしますよ、という気にもなるんだけど、そうもいかないときもあるし。僕のスマホは、メール受信の通知機能をつねにオンにしてある。

いつ何時、クライアントからメールが来るかわからないし、あったらすぐに開けたほうがいい。もしもそれが重要な件だったら、急いで対応しないと、次の日に問い合わせが山ほど来ることになるからね。ソーシャルポストをひとつ、ちょっと修正するだけの場合もあるけど、とにかくすぐにやってやらないと、連中は不機嫌になるんだ。

それと、素材を大量に送りつけてくるクライアントもいる、丸投げだよ。たとえば、動画ファイルが2つあればいいのに、30も送ってくるから、こっちは選ぶのに30ファイルを全部見るはめになる。まあ、向こうは向こうで同じように思ってるんだろうけど。「なんで動画ファイルを30も送らないとならないのか、うちのエージェンシーはまったく理解してない」とかね。

――対処法は?

どういう仕事になるのか、クライアントと前もって細かく詰めておくようにはしている。ただ、何が必要かは、お互いにはじめてみないとわからない部分も多いから、契約内容に幅を持たせておく場合もある。それでも、できるかぎり具体的なものにするようにはしている。

で、いざとなったら、こっちが主導権を握るようにする。1日の時間は無限じゃないし、出られる電話の数もこれくらいが限界だと、はっきりと伝える。クライアントだから、満足はさせたいけれど、こっちにもそれなりに敬意は払って欲しい。だから、節度を教えるしかないね。

――そうしたクライアントを相手にするのに、手は足りている?

いま抱えているのは3社だから、気が狂いそうな数じゃないけど、助けが要らないというわけでもない。あと2人いてもいいし、それでもいっぱいいっぱいという気持ちは変わらないと思う。おかげで、週に何時間働いているのかもわからないくらいだよ。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:SI Japan)