THE CONFESSIONS

「 Facebook の更新は、広告プラットフォームを破壊した 」:あるメディアバイヤーの告白

広告バイヤーがFacebookに不満を抱えるというのは今に始まったことではない。だが現在、Facebookが夏から実装した新デザインなどの消費者向けアップデートや、ターゲティング機能や位置情報などのバックエンド向けアップデートによって、広告バイヤーは新キャンペーンの展開に苦戦することが増えているようだ。

業界人に匿名で本音を語ってもらう「告白」シリーズ。今回は、これまでやってきたことを台無しにするFacebookに嫌気がさしており、もっとサポートがほしいと語るあるメディアバイヤーに話を聞いた。

なお、以下のインタビューは内容を明瞭にするため若干の編集を加えている。

――最近、Facebookでの広告展開が難しくなったと聞く。一体何が起こっているのか?

新型コロナウイルスの感染拡大によって、収益がまるでブラックフライデーのように伸びた。だがそれと同時にインターフェイスとバックエンドの大規模アップデートが始まった。Facebookは、プラットフォームとしての実際のパフォーマンスではなく、見た目を良くすることばかり考えているようだ。まるでおもちゃのようにね。Facebookはいつもアップデートしているが、7月から8月以降はかなり大きなアップデートばかりだ。画像インターフェイスについても携帯端末に適したシンプルなものに変えた。たったそれだけの変更でも、バックエンドの広告プラットフォームは滅茶苦茶になってしまう。

――滅茶苦茶というと?

ビジネスマネージャーにログインしてアカウントにアクセスしようとすると、フリーズやらクラッシュやら、これまでにないバグやエラーが大量発生する。まるで悪夢のような毎日だよ。Facebook Ads Managerがフリーズしっぱなしでクリエイティブを読み込むことすらできない時期もあった。ほかにもオーディエンスのカスタマイズをしようとしたら、オーディエンスが半分ほど消えていたこともあった。一体Facebookは何をやっているんだ。手動入札も機能しない、コストキャップも機能しない。キャンペーンは3、4日ほど動いたと思ったら完全に停止してしまう。キャンペーンは、展開する期間がある程度なければ効果は期待できない。

――こういった問題についてFacebookには伝えている?

サポートがないのが一番の問題だ。数カ月前にはライブチャットにアクセスできなくなった。まあライブチャット自体、そもそも役に立たないのだが、少なくとも問題を解決するときにはないよりはあったほうがマシだ。それすら機能しなくなって誰にも連絡が取れなくなった。Facebookには毎月、クライアントや自分たちの予算から数千万円をつぎ込んでいる。問題が解決しないのに担当もそのままだ。

――Facebookのサポートや営業チームとの連絡が取れないのか?

連絡が取れるのは、Facebook上で広告を掲載したこともないティア1の担当者だけだ。コンバージョンキャンペーン用のトラフィック広告を展開するように、とマニュアル通りの回答しか来ない。これだけ多額を費やしているカスタマーに対し、広告を展開した経験すらなく、どう動いているのかも知らない担当者をつけるのはどうかしている。極めてストレスがたまる状況だ。私の場合は友人のつてで、VIP担当者に連絡してもらって問題を解決できた。それがなかったらいつまでかかったか分からない。

――クライアントに対して、ほかのプラットフォームに移るよう勧めているか?

場合による。利幅にもよるが、一部結果が出ているクライアントもいるのだ。だが、問題が起きた場合にはFacebookから説明もなく、イライラしているクライアントへ言い訳に追われてばかりのように感じる。我々メディアバイヤーにとっては、Facebookがどうなるか分からず、毎日のように言い訳をされる状況は非常にストレスがたまる。

――パフォーマンス以外に、日常業務はどう変わったのだろうか?

数日おきに、Facebookのキャンペーンを繰り返し再構築する作業だ。こんなことが必要なのはFacebookだけだね。ほかのプラットフォームではキャンペーンを構築したら、それでOKだ。もちろん注視して、フィードバックに応じて調整はするが、最初に構築したモデルに沿って拡大していけばいい。Facebookではずいぶん長いあいだ、それが出来ない状態になっている。

――バイヤーとしてFacebookに期待することは何だろうか?

メディアバイヤーと意思疎通をしてほしい。そもそもフィードバックすらない。明らかにFacebookで広告を買った経験がない人が、Ads Managerなどのツールを作っている。我々皆がFacebookに望んでいるのは、機能通りに動くプラットフォームを作ってくれという一点だけだ。それなのにやたらと壊しているのが現状だ。連絡が滞っているのは、大統領選挙に集中したいからだろう。だが、広告プラットフォームとしてのパフォーマンスについてまったく気にしていないように感じられる。Facebookがきちんと動くかが死活問題となっている企業がたくさんあることを理解してほしい。連絡もなく、Ads Managerなどのツールが何カ月も機能しなければ、多くの企業や社員の雇用に影響が出てくるのだ。連鎖反応で、メディアバイヤーだけでなく中小企業も痛手を受ける。Facebookはそのことを理解すべきだ。

[原文:Confessions of a media buyer Facebook updates have ‘wrecked the ad platform on the backend’

KRISTINA MONLLOS(翻訳:SI Japan、編集:長田真)