「エージェンシーの インハウス 化には、注意すべきだ」:コンサルタントの告白

マーケットプレイスで競争力を持つために、広告エージェンシーは、これまでならベンダーを利用していたであろう製品や戦略に新サービスを追加し、能力を高めてきた。だが、それがブランドにプラスになりうるとは限らない。

匿名を条件に業界について赤裸々に語ってもらう「告白」シリーズ。今回は、マーケターに対するエージェンシーの料金設定を分析するコンサルタントが、エージェンシーに任せる制作の仕事を増やしても、ブランドにとって費用の節約にはならないことについて語ってもらった。

以下、わかりやすくなるように会話は編集してある。

――エージェンシーは現在、自社で行う制作業務を増やしている。ブランドはそのことに満足しているのか?

ベンダーに仕事を外部委託しないため、設定料金が少し割引されるはずなので、顧客は、サービスのインハウス化を進めているエージェンシーに魅力を感じている。問題なのは、すべてのプロジェクトを扱う能力はないので、若手が低料金でできる仕事を、最終的にベテラン社員に回さざるを得ないと、エージェンシーが述べていることだ。そうするだけの人手すらなく、外部委託しなければならない、それもぎりぎりになって外部委託することが多い、という場合もあるようだ。

ちょうど先日、あるエージェンシーが、ほかの仕事で予定が詰まっているので、顧客のために編集作業を行えないと言ってきた。顧客がそのエージェンシーを選んだ理由のひとつは、社内で運営しているインハウスの編集・ポストプロダクションサービスをエージェンシーが宣伝したからだ。

――なぜそんなことに?

エージェンシーは、予算と仕事が多い顧客を優先している。規模の大きな制作に取り組んでいて、ほかにもごく単純な1回限りのプロジェクトを片づける必要がある場合には、それだけの量に対応できない。予算が莫大なブランドであっても、プロジェクトの規模や重要性が十分でないので、エージェンシーが自社で仕上げられないとか、上級社員に実に単純なものを制作させなくてはならないと言ってくる。

――顧客が払う料金は最終的に高くなるのか?

そうだ。ベンダーに外部委託していた場合よりも、結局、単純な仕事に高い金を支払う。ほぼすべての顧客でほぼすべてのキャンペーンにそういうことが起きるので、最終的にそうなる。1日550ドルのジュニアエディターに担当させるべき簡単な動画であっても、ジュニアエディターが出払っているため、最終的に1日2000ドルのシニアエディターに担当させることになるからだ。

――この慣例により、顧客はインハウス化を進めざるを得なくなっていると思うか?

ある程度は顧客のインハウス化を促していると思う。もうひとつの要因は、こうしたサービスの実際の料金設定だ。エージェンシーは、すべてをインハウス化し、顧客にまた料金を請求したいと考えている。着手金やプロジェクトの補償のためにすでに多額の金を支払っているので、エージェンシーは顧客に割引料金を提示しているはずだ。だが、こうしたエージェンシーは、こういった機器をすべて購入し、チームを作らなければならず、そうなると、ブランドから見て料金が高くなる。

――どの程度高くなる?

平均すると、現実には10%低くなるはずなのに、ベンダーに直接依頼した場合よりも約10%高くなっている。もう少し競争力が高い料金になるよう値下げ交渉しなくてはならない。我々はエージェンシーと仲良くやっていこうとしているが、避けられないこともある。

Ilyse Liffreing(原文 / 訳:ガリレオ)