エージェンシーの従業員たちはいま、インスタグラムというプラットフォームに大量の写真をアップしている。食事風景を公開している者もいれば、副業を紹介する者もいる。そこで今回は、自分の作品作りの参考になりそうな英国の広告エージェンシーで働いているインスタグラマーたちの投稿をまとめて紹介しよう。
エージェンシーの従業員たちはいま、インスタグラムというプラットフォームに大量の写真をアップしている。食事風景を公開している者もいれば、副業を紹介する者もいる。そこで今回は、そのまま真似できそうな――もとい、自分の作品作りの参考になりそうな英国の広告エージェンシーで働いているインスタグラマーたちの投稿をまとめて紹介しよう。
コンセプトの男
マーク・シャンレー氏は、ワイデン+ケネディ・ロンドン(Wieden + Kennedy London)のアート・ディレクターだ。シャンレー氏は、「Shark Manley」というメインアカウントのほかに、「100Paddys」というアカウントも運用している。
こちらのアカウントでシャンレー氏は、パートナーでコピーライターのパディー・トレーシー氏を毎日1つ、合計100のアート作品に変身させる「100日チャレンジ」に取り組んでいる。
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バディーをロイ・リキテンスタイン風の絵にしたものもあれば、イケアのカタログ風にしたものや、神秘的なジャガイモにしたものまである。
これはもっとも古いバディーの姿。彼の祖先がいた場所、アイスランド北西部のリートリム州にある有名なポールファフィンの洞窟で最近発見された。36/100
漫画家
エージェンシーのBBDパーフェクト・ストーム(BBD Perfect Storm)でアート・ディレクターを務めるジェイコブ・ヒル=ゴーウィング氏は、自身のインスタグラムのページを使って、フィードの複数のページにまたがる大がかりな漫画を描いている。
ネコ男のようにシュールな動物の絵もあれば、写真と明るい色の手描きの絵をミックスするという趣向を凝らした作品もある。
21. クソ野郎は出て行け
「あらゆるものがインスピレーションにつながる。最近の出来事でも、耳にしたことでも、通勤途中で目にしたものでも。写真の上に絵を描き加えるという体験を本当に楽しんでいる。」と、ヒル=ゴーウィング氏は言う。
道化師
J・ウォルタートンプソン・ロンドン(J. Walter Thompson)でクリエイティブ・ディレクターを務めるマイルズ・ビンガム氏は、自身のフィードについて、自然の写真と愚かさの組み合わせだと説明する。
動物の剥製の写真がたくさんあり、粋な帽子をかぶっているものやスケートボードに乗っているものなどがある。ほかにどんなものが必要だろう?
同じくJ.ウォルタートンプソンのクリエイティブ・ディレクターであるフェルナンド・バーベラ氏も注目に値する。同氏の多彩なフィードには、自分が住んだことのある場所すべてを空中撮影した画像などがアップロードされている。
アーティスト
1つのテーマに沿って作品作りをする人が好きなら、TMWアンリミテッド(TMW Unlimited)のモーション・デザイナー、ウィンストン・デューク氏のインスタグラムがきっと気に入るだろう。親指でスクロールできる限りの範囲を見たが、すべてが白黒作品だ。
重苦しい雰囲気の照明を取り入れ、35mmフィルムを使ってポートレートを撮影しているデューク氏は、このアカウントは純粋な自己表現を追求するものだと言う。
加えて、見る人を催眠術にかけるような、不気味ではあるがクールなGIFもある。これらは、ニューヨークで開催された「ジフィーズ・ループ・ドリームズ」(Giphy’s Loop Dreams)などの展覧会でも展示されている。
インターン
ジョセフ・ポール氏は、オグルヴィ・アンド・メイザー・ロンドンの6カ月間プログラムに参加するインターンだ。インスタグラムを愛してやまないポール氏は、映画監督ウェス・アンダーソン氏のような淡い色使いと、はっきりした左右対称の線を採り入れている。信じられないくらい心地よく整理整頓された職場の写真も投稿している
「だけど、シェアする写真はほぼ全部、フォーカスを中心に置いている。僕は三分割法を無視する傾向にあるんだ」とポール氏。
ポール氏はまた、一眼レフカメラを持っているにもかかわらず、インスタグラムにアップする写真を撮影するのに「iPhone」だけを使うことにこだわってもいる。
「先週、iPhoneのカメラで、会社への通勤風景と、月曜朝の朝食を準備するところをスローモーションで撮影して、編集してから『ストーリーズ(Stories)』にアップロードした。まったく違う画像になって、みんなに気に入ってもらえたみたいだ」。
絵文字を愛する人
キャロライン・ルーズ氏はオッド・ロンドン(Odd London)のデザイナーで、「Clarendon」フィルターの大ファンでもある。絵文字の使い方をマスターするのにレッスンが必要なら、彼女以上の適任者はいない。
「タトゥーが好きなら、私のフォロワーになるべき。だって、私がフォローしている人の90%はタトゥー・アーティストなんだから。私がどの画像に『いいね』を付けるかをこっそり観察していれば、驚くようなアーティストを見つけられるはずよ」とルーズ氏は言う。
旅行者
ザック・シェパード氏はデジタスLBi(DigitasLBi)のロンドンオフィスに勤めるデザイナーで、同氏の素晴らしい旅行の写真を見ると、自分の「ホットドッグ・レッグズ」が見すぼらしく思えてくる。
最近公開した写真の中には、カナダのヨーホー国立公園の美しい風景やジブラルタルの猿、森や湖、街での冒険を写したものがある。
マラガで空中浮遊してみた
シェパード氏は、「私の写真は、冒険や旅行に対する私の愛情を示すものだ。壮大な風景を探検しようと、放置された都市空間を発見しようと、カメラを手にそれを確実に記録したい」と述べている。
ストリートアートの鑑定家
ダン・ハーベイ氏は、デジタルエージェンシーのゾーン(Zone)でチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務める。ずっとニューヨークでキャリアを積んできたが、英国に移ってからは、この国で盛んなストリートアートに興味をもつようになった。
「私のような移住者は、ストリートアートのおかげでいろんな場所を探検する気になれた」と、ハーベイ氏は言う。
ようやく見ることができた@akajimmyc’s
これまでに撮ったお気に入りの写真は、ブリクストンにあるデヴィッド・ボウイの壁画(上)だ。彼の死の直後に撮影したという。「この写真が私に訴えかけたものは、デヴィッド・ボウイの死を悼むファンにとって、この壁画が巡礼の地になっているということだ」とハーベイ氏は語る。
Grace Caffyn(原文 / 訳:ガリレオ)