アクセンチュア(Accenture)のCMO、エイミー・フラー氏は、自ら望んで同社全体の膨大な機能リストを監督している。ポッドキャストシリーズ「メイキング・マーケティング(Making Marketing)」、今回は米DIGIDAYのシャリーン・パサック副編集長がフラー氏と膝を交え、話を訊いた。
アクセンチュア(Accenture)のCMO、エイミー・フラー氏は、自ら望んで同社全体の膨大な機能リストを監督している。
「B2B業界のCMOとして世界で最高の仕事に就かせてもらっていると感じる。1つのグループとしてマーケティングとコミュニケーションすべてを担当しているからだ」と、同氏は語る。「この2つを同時に掲げることはあまり一般的ではないのは承知している。だが我々は、アクセンチュアのあらゆる事業におけるすべてのマーケティングを担当している。ブランドやペイドメディアとのやりとりもすべて我々の管轄だ。収益や問題発生時の話し合い、ほかのもっと楽観的な話などもしている。さらに人材分野のブランドやソーシャル、アーンド、オウンド、ペイドメディアに関連することであればすべて我々の担当だ」。
クライアントにあらゆるサービスを提供しているアクセンチュアであれば、これはさほどの驚きではないかもしれない。同社の提供するサービス分野は戦略、技術、コンサル、運用など実に多岐にわたる。さらに最近エージェンシーのドローガ5(Droga5)も買収しており、クリエイティブ分野でも大きな力を発揮するようになっている。
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ポッドキャストシリーズ「メイキング・マーケティング(Making Marketing)」、今回は米DIGIDAYのシャリーン・パサック副編集長がフラー氏と膝を交え、B2Bマーケティングがなぜ消費者に集中しているのか、同社はインハウスについてどう考えているか、エージェンシーが業界で果たす役割について深く掘り下げる。以下は、その音声データと要約だ。
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タレントブランディングが果たす役割
「面白いことに、私が1年半前にこの役職に就いた当時はこの分野自体が存在しなかった。もっともこれは驚くほどのことではない。ここ2年ほどタレントブランディングにあたるさまざまな名称のサービスを目にはしたが、マーケティングにおいてもっとも発展の乏しかった分野だったからだ。サービスプロバイダーとして、当社の中核はタレント(人材)にある。タレントブランディングはただ重要なだけでなく中心に据えるべきものだ。当社にとっての商品は、当社のタレントそのものといえる。アクセンチュアにとって、タレントブランディングを定義して実行できる大きなチャンスだった。当社はグローバルなタレント組織として、ビジョンやインクルージョン、多様性、スキルアップなどの面で他社に類を見ない。技術はアクセンチュアにとっての魂であり、必要なスキルをすべて備えているタレントを市場で見つけるという選択肢はない。なぜなら市場は、市場に求められているものを生み出してすらいないからだ。この職に就いて、それまでの取り組みに敬意を払ってきた。だが同時にタレントブランディングについて成文化されておらず、明確に定義されていないことに気付いた。明確に定義すれば、計画や組織化ができるようになり、複雑な組織において発生しがちな分断という『原罪』も回避できる」。
B2Bのマーケティング
「マーケティングの世界では非常に重要なことが起きていて、その根源にはメディアの消費と、ターゲットのオーディエンスにリーチするために誰もが活用しているメディアの性質がある。かつて私がマーケティング業界に入った頃、B2Cでターゲットにリーチするというのはシンプルだった。マスメディアこそがもっとも効率的で賢い選択であり、ほかの選択はしたくてもできなかった。それこそが当時にB2BとB2Cを隔てる大きな違いのひとつとなっていた。テレビや印刷物、ラジオ、屋外広告といった選択肢しかなかったのだ。デジタルメディアが勢いを強め、誰もが利用するようになるなかでB2Cでも驚異的に正確なターゲティングができるようになった。だがB2Bでは昔から正確なターゲティングが行われてきた。業界紙の大半はデジタルメディアに移行したが、これらが紙媒体で発行されていた時代におけるB2Bの細やかなターゲティングは、B2Cにおけるターゲティングとさほど変わりない。より定量的に考える必要があるし、当時のほうが簡単だったのは確かだ。だが当時のほうがある意味でリスクは高かった。なぜならばメディアとブランドメッセージを1つか2つだけ選択し、それを幅広く流していたからだ。B2Bでも同じような仕組みはあったが、その範囲はより狭かった。当時からB2Cよりも多少正確なターゲティングが行われてきた」。
ドローガ5の買収の意味
「私の入社当時から、我々のチームは世界各地のクリエイティブ分野で素晴らしい力を発揮していた。ドローガ5(Droga5)はこれまでもアクセンチュアがマーケティングにおいて可能だった、クリエイティブ分野における極めて本質的な部分をさらに強化してくれる。私は広告エージェンシー業務に何十年も携わってきた。クリエイティブがいかに多くのものを生み出せるかも理解しているし、クリエイティブのタレントの性質や、彼らがアイデアを形にするのをいかに得意としているかを知っている。私にとってはすでに馴染みがある分野ということだ。アクセンチュアがすでに有している確固たる機能とドローガ5のアイデアを形にする力を合わせることで、市場に非常に魅力的なソリューションを提案できる。当社が本質的に非常に特別な面として、多様なサービスを備えていることと、そこから解決策を導き出せることが挙げられる。今回の買収によってサービスの多様性がさらに強化されたといえるだろう」。
Gianna Capadona(原文 / 訳:SI Japan)