経営コンサル企業、2018年の狙いは「メディア」

エージェンシーになろうとしている経営コンサルティング企業にとって、2018年は自身の能力を証明しなければならない年になるだろう。

総合コンサルティング企業アクセンチュア(Accenture)内のエージェンシー部門、アクセンチュア・インタラクティブ(Accenture Interactive:以下、AI)の最高経営責任者(CEO)を務めるブライアン・ホイップル氏は、「2018年は、我々が世界中で進めてきた買収によって種まかれたオーガニックな成長に集中していく1年になる」と語る。AIはこの5年間に、世界の14のエージェンシーを獲得してきた。

ここ数年、経営コンサルティング企業はエージェンシーの領域に忍び寄り、多額の資金を費やして買収を続けてきた。その最大のプレイヤーはAIだが、ほかも負けてはいない。デロイトデジタル(Deloitte Digital)は2016年にクリエイティブエージェンシーのヒート(Heat)を買収したし、IBMはリソース/アミラティ(Resource/Ammirati)を買収し、36のスタジオをもつホールディングエージェンシーIBM iXが誕生することとなった。

2017年、コンサルティング企業は、自社の既存の業務にこうしたエージェンシーを統合するという、ときに骨の折れるプロセスをスタートさせた。2018年は、この統合がよい結果をもたらしたと証明するようプレッシャーをかけられるだろう。

功を奏する取り組み

ホイップル氏は次のように話す。「(AIは)我々が企業を買収する場合の最終目的地だ。買収される側は、移行してもブランドアイデンティティーを保ちたいと思うかもしれないが、経営チームは、感情的でありながら仕事に関しては戦略的に、契約書にサインした。創設者による企業文化を残したいなら、ホールディング企業へ行くだろう。わが社の使命は、ビジネスをスタンドアロンにしたまま成長させないことだ」。

一方、ヒル・ホリデイ(Hill Holliday)やオグルヴィ(Ogilvy)のように、自らコンサルティング企業の領域に乗り込んだエージェンシーにとって、2018年は反撃の力を示す年となる。

いまやコンサルタントも、既存のサービス提供に、デザインやユーザーエクスペリエンス(以下、UX)、顧客体験といったプロジェクトを加えている。従来は、UXやクリエイティブに関わるプロジェクトはエージェンシーの業務領域に入り、コンサルティング企業はサプライチェーン管理や情報技術、テクノロジー関連の仕事を受け持つのが通常だった。

こうした取り組みが功を奏していることを示す結果がある。デロイトは、LGの仕事を獲得したことをヒート買収と結びつけている。アクセンチュアはマセラティとの契約を取った。デロイトはさらに、ピザのブランドであるパパ・マーフィー(Papa Murphy)とも契約し、バックエンドの開発にデロイトが対応し、ヒートがクリエイティブな側面を受け持つことになった。

食い込めていない領域

コンサルティング企業がまだ食い込めていない領域のひとつがメディアプランニングとメディアバイイングだ。だが、その方向へ向けての動きもある。デロイトは、インベントリー(在庫)をデロイトのために確保しているメディアバイイングエージェンシーのグルーブとともに、メディアミックスモデリングやプランニング、予算割り振りを行っている。アクセンチュアやPwCは、プログラマティックの導入など、ビジネス関連の変更でクライアントを手助けしている。昔ながらのメディアバイイング企業が透明性の問題に苦しむなか、余地は十分に残されている

次に大きな変化がやってくるのは、コンサルティング企業が日常業務としてメディアバイイングを行うようになったときだろう。AIの英国ならびにアイルランド担当マネージングディレクター、ジョイ・バッタチャリヤ氏は、2017年のはじめに行った朝食ミーティングの席で、社内でデジタルメディアバイイング業務を行う手助けをするために、クライアントと話し合いを重ねていると述べた。そのうちの何件かは、同年に問題になったメディアの透明性や詐欺に関連して、自分でメディアバイイングができないかというクライアントからの相談だったそうだ。PwCでは、リベートに関する問い合わせが相次いだことへの対応として、監査能力の向上に向けた明確な動きがある。

しかし、ホイップル氏は、メディアバイイングは競争が激しい一方で、マージンが比較的少ないので、アクセンチュアがこの分野に積極的に入っていくとは思わないとし、それよりも、経験と広告を組み合わせたリテールメディアやコマースへの関与を増やすだろうと話す。「そういう意味で、メディアがその一部になるのであれば、我々はそこに関わるかもしれない」。

プログラマティックが牽引力

IBM iXでは、戦略とデザインのグローバルリーダーであるロバート・シュワルツ氏が、2018年はプログラマティックが大きな牽引力になるだろう、と話している。シュワルツ氏は伝統的なメディアバイイングに踏み込みたくはないが、IBM iXにはメディアに関して手助けを求めるクライアントがいて、2018年はブロックチェーンのようなテクニックを活用して、特に詐欺や透明性の問題について彼らを支援したいと考えている。

「メディアバイイングとテクノロジーをどのように結びつけるか?」。これは、2017年に8社以上を買収して、コンサルティングとエージェンシーのハイブリッド企業となったICF オルソン(ICF Olson)を率いるルイス・クレメンツ氏が答えようとしている質問だ。クレメンツ氏はこう言う。「そうした現象はまだ起こっていないが、それは、マーケットにとってさまざまな機会を結びつける大きなチャンスなので、コスト効率よくそれをやっていくことができればと思っている」。

Shareen Pathak(原文 / 訳:ガリレオ)
Image courtesy of Accenture Interactive