コンテンツマーケティング、次なるトレンドは何か?:ライブ中継、絵文字、VR、スマートウォッチ…

本記事は、コンテンツ・マーケティング・エージェンシーMeredith Xcelerated Marketingの戦略担当エグゼクティブディレクターを務めるエリック・ネラー氏からの寄稿である。

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年末年始には決まって、次の大きなマーケティングトレンドを予測する記事が大量に出回る。その多くは、すぐに消えてなくなるトレンドや、インパクトを与えるにはまだ時期尚早のテクノロジーを使ったトレンドだ。

ひとつの予測として確実に言えるのは、2016年には大きな成功例と失敗例が出てくるということであり、適切なコンテンツを選択することが極めて重要になる。そこで今回は、マーケターがあらためて再検討する必要がある、いくつかのトレンドを挙げてみよう。

「ライブ中継」は火種を抱えている

ライブコンテンツは、経験豊富なマーケターがたくさんいるわけではなく、ブランドマネージャーの手に負えるものでもない。ロゴの権利のような小さな問題から、コンテンツが制御できずに意図しない方向に向かっていくといった大きな問題まで、さまざまな課題が生じる。

現在は、ごくわずかな勇気あるマーケターだけが「Periscope(ペリスコープ)」などのライブストリーミングプラットフォームを活用しているが、2016年には、さらに多くのマーケターが挑戦することはずだ。ごく一部の人は成功すると思うが、少なくとも1回は、やってはいけないことを身をもって学ぶキャンペーンになるだろう。

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Image via Periscope

「絵文字(emoji)」は両刃の剣だ

絵文字を使って素晴らしいキャンペーンを展開しているブランドは多い。ソーシャルプラットフォームはスポンサー付きの絵文字を広告ユニットとして提供しているし、エージェンシーは今後、あらゆる企画書に絵文字のコンセプトを盛り込むようになるだろう。世界中が、ブランドとほとんどつながりのない無意味な絵文字であふれることになる。

こういったキャンペーンは1年前なら流行ったかもしれないが、もう評価されない。有料の絵文字キャンペーンすべてが失敗するわけではないが、根本的なところでブランドとつながっていなければ、大抵は失敗するはずだ。

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「VR」を楽しむユーザーはいない

2016年には、VR(仮想現実)ヘッドセットの「オキュラス・リフト(Oculus Rift)」が発売されることもあって、VR分野のハードウェアにとっては重要な年になるだろう。VRはいずれ、クリエイティブなマーケティングツールの新たな選択肢になるだろうか? 答えはイエス。では、2016年はVRの年になるか? 答えはノーだ。

ブランド各社は、自らの分野で他社に先駆けてVRキャンペーンを開始しようとするだろうが、それを体験するためのテクノロジーを用意できる消費者はほとんどいないだろう。先日のオキュラスVR社の発表によれば、折からの円安傾向と海外発送の送料などが影響し、日本での販売価格は9万5000円にもなることがわかった。

そこまでの投資をしたくない人は、とりあえずの代替策として、Googleの段ボール製ヘッドマウントディスプレイ「Google Cardboard(グーグル・カードボード)」にスマートフォンを取り付けて利用することもできる。

それでも、VR分野への参入障壁は依然として高く、ブランドがイベントを開いて体験を紹介しなければ、このテクノロジーに関心をもつのはアーリーアダプターぐらいしかいない。VRキャンペーンを立ち上げても、利用するためのテクノロジーを持っている人がいなかったら、果たしてインパクトを与えられるだろうか? おそらく無理だと思うが、拡張現実(AR)キャンペーンに続く素晴らしいケーススタディにはなるはずだ。

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「スマートウォッチ」は時期尚早だ

新年を迎え、光り輝く新品のスマートウォッチを付けて出社してきた同僚も多いことだろう。スマートウォッチは成長中の市場であり、いずれは「ウォッチファースト」のデザインに移行するだろうが、2016年はマーケティング戦略に悩むような年にはならない。

このプラットフォームにはまだ、独自の文字盤や通知機能を超えた価値を見出すことが求められている。現時点で(2017年か、あるいは2018年までは)コンテンツには携帯電話で十分だと考えていてよい。

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コンテンツにプライオリティを置け

2016年は、ライブストリーミング、スポンサー付き絵文字、VR、ウォッチキャンペーンを再検討する一方で、コンテンツに優先順位を付けることが重要になるだろう。プラットフォームやデバイス、クリエイティブの新たな選択肢の爆発的増加に伴い、コンテンツへのニーズは高まっている。

適切なトレンドに狙いを定めることができれば成果は得られるため、マーケターはどの機会を利用すべきか慎重に検討する必要がある。ただし一方で、見送るべき機会を把握することも同じように重要であり、2016年はそうした意思決定がコンテンツの成否を左右することになるだろう。

Eric Kneler(原文 / 訳:ガリレオ)
Image via ThinkStock/ Getty Images