メールで新規を開拓!? 「AdRoll Email」驚異の仕組み:Atomic Golf の成功事例

「刈り取り」施策に行き詰まりを感じているマーケターが増えている。ニーズが顕在化している顧客へのアプローチは簡単だが、本当に実施すべきは、潜在的なニーズがあるユーザーへの接触だからだ。

まだ顧客になっていないユーザーへメールでアプローチできるソリューションが、アドテク企業のAdRollからリリースされた。「AdRoll Email」は、メール購読など何らかの形でメールアドレスさえ取得できていれば、そのユーザーのサイト内行動履歴をリアルタイムで把握し、タイムリーにプッシュメールを配信できる。

「AdRoll Email」は現在、10社ほどでβ版を運用中だが、高い効果が上がっているという。たとえば、株式会社リアルマックスが運営するゴルフ用品のECショップ「Atomic Golf」では、導入わずか1カ月で、ROASが当初の目標値、1700%を大きく上回る2000%に向上。施策を通じて、新たなロイヤル顧客の発掘にもつながっている。

既存のメール配信ソリューションでは、カート放棄などのアクションをトリガーに追うことは可能だったが、ただ閲覧しているだけのユーザーには接触できていなかった。AdRoll株式会社でアカウントマネージャーを務める亀井美佳氏は、「AdRoll Emailによって、複数ページを回遊しているようなポテンシャルの高いユーザーに接触できるようになる」と話す。

AdRoll株式会社アカウント マネージャーの亀井美佳氏

AdRoll株式会社アカウントマネージャーの亀井美佳氏

潜在ニーズをいかに捉えるか

いま、多くのマーケターが「刈り取り」施策に限界を感じている。アドテクを駆使してひと通りニーズを刈り取り終えてしまったら、それ以上の売上獲得が望めないからだ。そのため、新規リードを開拓する施策が求められているが、新規だけにパーソナルなアプローチは難しく、結果として一般的なメッセージに終始することになり、ユーザーに一歩を踏み出してもらうのが難しくなる。

ニュースレター登録などで、顧客化への最初の一歩ともいえるメールアドレスを取得できても、個々人の情報と結びつかない限り、結局は全員へ同じ内容を送るしかない。そのなかには、カートへ入れるなどのアクションこそしていないものの、本当はとても有望な顧客がいるかもしれないのに、だ。

「たとえばECサイトで、カートに入れる商品を決めきれず、たくさんの商品ページを回遊しているユーザーは十分に購買可能性のある潜在顧客であるし、ロイヤリティ化も望める」と、亀井氏は述べる。「ただ、仮にeメール情報が分かっていても、サイト内行動とひもづけられないと、そうしたユーザーへのアプローチは実質難しいのが現状だった」。

閲覧に留まるユーザーに接触

eメール情報とサイト内行動がひもづいた状態でアプローチできるというと、既存のメールマーケティングツールやマーケティングオートメーションツールなどが思い浮かぶ。だが、これらは総じて顧客が特定されている場合の活動であり、CRMの範疇になる場合が多い。

「あるユーザーを見込み顧客として特定できた段階で、いわばその人は『anonymous(匿名)』から『named(名前付き)』のリードになったといえる。namedの人たちの個々のアクションにスコア付けをしてナーチャリングし、リレーションを築くのが既存のCRMツールだ。それに対して『ただサイトを回遊しているだけのanonymousユーザーを獲得したい』『だがカート放棄アプローチのような刈り取りは頭打ち』というのが、昨今のマーケターの課題であり、AdRollとしても解決したいことだった」。

まだ個人情報が取得できていないユーザーに対しても、強く関心を引くアプローチはできないものだろうか? そうした背景からAdRollがリリースしたのが、「AdRoll Email」だ。ニュースレター購読などでメールアドレスを入力したユーザーを対象に、クッキーデータとメールアドレスをマッチさせることで、各ユーザーの閲覧履歴から分かる関心度合いを把握し、その関心にマッチした内容のパーソナライズメールを配信することができる。

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「AdRoll Email」の仕組み(※画像クリックで拡大

配信のタイミングを図れることも、特筆すべきポイントだ。サイト内行動や来訪自体をリアルタイムで把握するため、それらをトリガーに1時間後、あるいは1日後など設定したタイミングでアプローチできる。PDCAを回してチューニングすることで、メールではあるが運用型広告と同じような考え方で成果を引き上げられる。

ECサイトのROASが改善

「もちろん、メール配信のオプトインを得ていることが条件だが、これまでは接触が難しかった 『anonymous』ユーザーの関心度を知り、その人が求めている情報をタイムリーに提供できる点は、既存のツールにない特徴になっている」と亀井氏。

同社では今年、すでに10社ほどにβ版を導入して運用中だが、目覚ましい効果が上がっているケースも出てきている。たとえばリターゲティング広告運用ツールのAdRoll Retargetingのみを使っていた場合と、AdRoll Emailを併用した場合とで比較すると、複数のサイトで配信初月に早くもCPAが半分になり、4分の1にまで下がった事例もあった。

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「AdRoll Email」で配信されるメールの内容(※画像クリックで拡大

また、ゴルフ用品のECサイト「Atomic Golf」を運営するリアルマックスでは、AdRoll Emailを導入したところ、当初ROAS目標を1700%にしていたところ、1カ月で2000%と大幅な指標達成を果たし、メールでのリタゲ施策が売上に直結していることが明らかになった。

同社では、潜在顧客を捉えて顧客の母数を拡大し、さらにロイヤリティ化を見据えてAdRoll Emailを導入したという。ゴルフ事業部Webマーケティング課長の田中享氏によると、Atomic Golfはゴルフ用品ECとしては先駆者だが、近年はECへの参入障壁が下がり競合も増え、価格競争や新規流入の減少が課題となっていた。

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「Atomic Golf」のトップページ

同社は電話窓口を中心にユーザーサポートに力を入れており、電話相談サービスを利用するユーザーのリピート率は50%強と高い。だがEC自体が生活者に浸透し、検索ではなくソーシャルの情報伝播が中心になっていることもあり、リスティングなどの一般的なWeb広告では新規顧客の流入が伸びにくくなっていた。

「その状況を受けて運用型広告も開始したが、これも徐々に売上が伸びなくなった」と、Atomic Golfの田中氏は述べる。「特に、購入を迷っている段階のユーザーに対して決め手となるアプローチがなく、デジタル施策から実際の売上につなげる設計に悩んでいた」。

ゴルフ用品のECサイト「Atomic Golf」の担当者・田中享氏(写真中央)

ゴルフ用品のECサイト「Atomic Golf」の担当者・田中享氏(中央)、同サイトのデジタル施策運用を請け負うセーラー広告株式会社 芝哲也氏(左)、セーラー広告社とともにデジタル施策設計運用を担当するアド・セイル株式会社 川添泰史氏(右)

商品ページへ再誘導し効果増

カート放棄ユーザーへのアプローチはすでに行っていた。そのため、Atomic Golfのデジタルマーケティングを支援する広告代理店のアド・セイル株式会社とともに亀井氏は、以前から活用していたAdRoll Retargetingと併用する形で、AdRoll Emailを提案。導入したところ、そもそも初心者向けのゴルフ用品セットをはじめ商品数が充実しており、セール情報やアドバイザーからの情報といったコンテンツも豊富だったAtomic Golfの特徴にもマッチして、パーソナライズメールが配信されたユーザーが軒並み良い反応を示した。その結果、前述のようなROASの改善がわずか1カ月で叶ったわけだ。

また、このメール配信はユーザーにとっても役立つ仕組みになっているようだ。というのも、競合を含めてオンラインで多数の商品を比較検討していると、しばしば購入意向の高かった商品ページに戻れなくなることがある。「そうした状況にタイムリーにアプローチできたからこそ、売上につながっているのだと思う。AdRoll Emailを導入したことで、我々が接触できていなかった『実はポテンシャルの高いユーザー』へ、パーソナライズした提案ができるようになった」と、田中氏は手応えを語る。引き続き潜在顧客との接点を強化しながら、リピーターへも適切にメール配信してロイヤルティ化を図る考えだ。

AdRoll Emailで効果が期待できる業種としては、「ECサイトはもちろん、学習塾や習い事などの『体験はしたが本申し込みに至らない』ようなサービスにも適用できると思う」と亀井氏。今後はAdRoll Retargetingとの併用はもちろん、オーディエンス拡張ツールのAdRoll Prospectingとも併用することで、企業とまだ見ぬ顧客候補との接触が増えるように支援していく。「刈り取り」施策に限界を感じているマーケターにとって、AdRoll Emailは売上の向上だけでなく、その後に長く付き合えるロイヤル顧客とつながる強力な一手になりそうだ。

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▼亀井美佳
AdRoll株式会社 アカウントマネージャー

 

広告代理店、広告主、配信プラットフォームそれぞれでの経験を持つマーケター。外資系広告代理店(WPPグループ)にてB2B/B2Cのデジタルを中心としたマーケティング施策の立案から実行を経験したのち、マーケティングソリューションベンダーへマーケティング担当として移籍、広告主が抱える悩みや喜びを自身でも多く体験。2016年5月より、AdRoll日本法人のアカウント運用担当として、業種を問わず幅広いお客様の運用を担当。特にマーケター視点での運用アドバイスは社内外から厚い信頼を得ている。無類の焼酎、野球好き。

Sponsored by AdRoll株式会社

Written by 高島知子
Image via Shutterstock(※TOP画像)
Photo by 秋山まどか(※亀井氏撮影)