効果測定の機会増、ポッドキャストはどう変わる?:「これは踏み石だ」

効果測定を行わないまま、何年も作り続けられてきたポッドキャストは、ここへきて急に動きを見せはじめている。

2017年6月、媒体で最大のプラットフォームを有するAppleは、クリエイターに対して消費指数(consumption metrics)を提供する意向を明らかにした。数週間後、オンライン雑誌サイトのスレート(Slate)のポッドキャストを制作しているメディア企業パノプリー(Panoply)は、マーケティングリサーチ企業のニールセン(Nielsen)と提携して、「メガフォン(Megaphone)」を活用してポッドキャストに動的に埋め込まれた広告に対して、オーディエンスのターゲティング機能を提供すると発表している。

効果測定は、ポッドキャストの分野で欠けている大きなことのひとつであった。媒体が着実に成長を遂げ、測定技術も進歩しているなか、我々はその影響範囲を調査するため、IAB(インタラクティブ・アドバタイジング・ビューロー)が開催した「Podcast Upfront 2017」の参加者に質問を投げかけた。

「慎重になっている」

サンドロ・ロコ氏:ボムフェル(Bomfell)のストラテジック・イニシアチブディレクター

概して、Appleがパブリッシャー側と広告主側に提供するデータは最小限のものだ。とはいっても、それが役立つ可能性はあるだろう。(ポッドキャスティングは)いまだに効果測定の問題を抱えている。(広告)スポットのさきがけとなるかどうかは、エージェンシーと話し合わなければならないーーというのも、(ポッドキャストの)完了率を知るすべがないのだ。現在、少なくとも我々の購入戦略としては、ベストヒットを選ぶつもりだ。我々はかなり慎重になっている。

「踏み石ではないか」

ジャニン・ベンチュリーニ氏:ワイデン+ケネディ(Wieden+Kennedy)のメディアバイヤー

ポッドキャストの購入に際しては、効果測定ができないという理由で常に葛藤がある。これは踏み石になっているのではないかと思う。Appleが詳細のすべてを公開するようなことはないだろう。スタテン島に住む29歳の犬好きな人がポッドキャストを聞いているといったことを知ることはないだろう。

「成否の差が出てくる」

ウィル・フラハーティ氏:レントザランウェイ(Rent the Runway)のグロースマーケティング部門のトップ

効果測定が可能になることで、利益を得る広告主はいくらかは出てくるだろうが、失敗するものも出てくるだろう。それで成功したものは裁定取引の機会に気づくはずだ。これは大きな利益をもたらすものだが、(ダイレクトレスポンスの)広告主のいくつかは、こうした裁定取引の機会が枯渇していることに気づくだろう。

「狭い範囲のものになる」

ラッセル・リンジー氏:アドリザルツ・メディア(Ad Results Media)プレジデント

昨年と比べて、広告主の数は大きく増えている。これは我々が見てきていることを確証づけるものだ。我々のクライアントのほぼ全員がダイレクトレスポンスだ。(ポッドキャストに投資しようとしている)ブランドの広告主が向かおうとしている場所は、ダイレクトレスポンスの広告主と同じ場所ではない。もちろん業界内が混み合ってしまうことにはなるが、(我々が投資する)ポッドキャストは、非常に狭い範囲のものになってしまうだろう。

Max Willens(原文 / 訳:Conyac